支配者ナナリー   作:Red_stone

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第1話

「ユフィ……君にこの身を捧げることができたらどんなに良かったか。君となら、あるいは本当に優しい世界を作れていたかもしれない。しかし、この身に宿る悪魔の力はそれを許してはくれない」

「ルルーシュ。言ったはずだ――王の力はお前を孤独にする。しょせん無理だったんだよ、だから……お前はあいつを拒否したのだろう?」

 

「そうだ、何万通りのルートの果てにも行政特区日本を成功させる策はない。だが――ユフィならば。俺の予想を超えたあの子なら――」

「無駄だな。お前は撃った――過去形だよ。過去を取り戻すなど誰もできない。あそこでこうしていたら、なんて考えても誰かが戻ってきた試しはない」

 

「C.C.すまない。少し、弱気になっていたようだ」

「かまわないさ。吐き出してしまえば良い。私達は共犯者だ。それに、私を誰だと思っている?」

 

「ふん……この魔女め。もういい」

「ん? 何がもういいんだ――坊や」

 

「俺はこれまで仮面をかぶり続けてきたんだ。そして、私はこれからもかぶり続ける。ゼロという仮面を」

「――ふ」

 

「黒の騎士団よ! 皇女ユーフェミアは日本人を殺害せんがため、卑怯な罠を使った! 信じる心を弄び、故郷への思いを踏みにじったのだ――ゆけ! このまま抵抗勢力と合流し、政庁に攻めこむのだ」

 

大きく腕を振り、言った。

 

「全軍、政庁へ進軍せよ!!」

 

 

 

「ユーフェミア様……」

「スザク君、君にも出撃命令がでているよ。あは、ユーフェミア皇女も困ったことをしてくれるものだよねぇ」

 

「ロイドさん、それは――」

「はいはい。ゼロの仕業ってわけ? 非科学的だよ。ま、そんなことはどうでもいいんだけどね――」

 

「……出ます」

「今の君にはランスロットを預けたくないなぁ」

 

鈍い音がした。

人の肉がひしゃげる音。

ロイドの口から血が垂れる。

何日かはまともにモノを食えないだろう。

 

「コーネリア様のご命令です」

 

スザクは倒れたロイドを冷たく見据える。

ロイドに起き上がれるほどの体力などない。

躊躇いもなく機体に足を運ぶスザクにロイドがぽつりとつぶやく。

 

「別に、殴らなくてもあげたのに」

 

 

 

ブラックリベリオンは止まらない。

 

エリア11。

それは日本の蔑称。

支配されて、その名前に変えられた。

ただの番号。

誇りを持ち得ない、家畜の記号。

 

全てが奪われた。

美しかった富士山はサクラダイトを採掘されて、もはや見る影もない。

日本人は名誉ブリタニア人として奴隷のように扱われるか、国籍すらもない獣として追い立てられるか。

 

そして、”ここ”。

政庁のある区画はブリタニア人が支配する栄華の未来都市。

日本人がいない元日本の――荘厳なる都市。

 

ここに向かって廃墟の群れ――身を隠して生きるしかない元日本人が溢れて、押し寄せてきている。

――テロリスト。

確かに始まりはそうだった。

黒の騎士団と名乗る反政府勢力。

だが、ここまでの数に膨れ上がってしまえばもはや――

 

 

 

「このアッシュフォード学園は黒の騎士団が徴収する! 学生は一箇所に集めておけ。ここを指揮所とする。くれぐれも学生に乱暴をするなよ――」

 

これは戦争と呼ぶにふさわしい。

黒の騎士団は要所を手際よく占拠していく。

まるで、初めからこうなることがわかっていたかのように。

 

すべては謎の人物、ゼロの指揮によるもの。

黒の騎士団の誰一人とて素顔を知らぬ彼は、この状況を支配する。

そして、エリア11の支配者コーネリアと戦う。

 

これは魔王ゼロと、騎士王コーネリアの戦争。

終幕は近い。

魔王はチェックをかけた。

しかし、魔王がチェックをかけることは騎士王が王手をかけることと同義。

どちらが王を手にかけるか。

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