色んな奴らが剣と盾の伝説のある地方に襲来するそうです 作:ナナシのG愛好家
グラジオは今、何時もの黒を基調とした服の姿で、通路を歩いていた。そして、広いスタジアムへと出る。そこで待っていたのは、
「よっ、待ってたぜ、オレサマに挑戦状をもらいに来た、アローラからのチャレンジャー、グラジオ。」
ガラルトップジムリーダーであり、【無敗のダンデ】の居ない地方なら、チャンピオンにもなれるだろうとも言われている、【最強の二番手】キバナと、彼の弟子でもある、ジムトレーナーたちだ。
「ルールを確認させてもらうぞ、キバナ。オレはそこに居る三人のジムトレーナーにダブルバトルで勝てばいい。そうすれば、」
「ああ。このオレサマの推薦状はオマエの物だよ。」
キバナは、手に持つ推薦状をちらつかせる。
「言っとくが、今年のチャレンジは厳しくしてるんだ。ダンデの奴が、二人の奴に推薦状を書くからな。」
「対抗意識、という訳か。」
グラジオがそう言えばキバナはニッ、と笑い、
「そういう事。さぁ、推薦状チャレンジ、開幕だぜ!!」
高らかに宣言した。
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「ポリゴンZ、“はかいこうせん”!!」
「バクガメス!!」
グラジオのポリゴンZの放った“はかいこうせん”が、バクガメスを吹き飛ばした。
「これで、二人突破だな。」
ポリゴンZをボールに戻し、グラジオはそうキバナに言う。
「なかなかやるじゃねぇか。けどな、最後の一人はそう簡単にはいかねぇぜ!!ヒトミ!!」
キバナが呼ぶと、最後の一人、女性トレーナーのヒトミが前に出た。
「最後の相手はお前か。」
「ええ。けど、リョウタとレナみたいにはいかないわよ!!」
「フン。そう来なくてはな!!」
グラジオとヒトミが、ボールを向けあう。
「準備はいいか?じゃあ行くぜ、グラジオVSヒトミ。いざ、」
そう言い、キバナが腕を上げる。
「「ポケモンバトル!!」」
グラジオ/
/ヒトミ
「行くぞ、マニューラ、フシギバナ!!」
グラジオの先発は、ドラゴンタイプに有利な氷タイプの技で、初手の切り札ヌメルゴンを見事に沈めて見せた、素早さの高いアタッカー、マニューラと、草タイプのポケモンで、グラジオのパーティー1の鉄壁さを誇る、フシギバナ。典型的な、アタッカーとディフェンダーに分かれた堅実なパーティーだ。
「行きなさい、キュウコン、ドラミドロ!!」
「キュウコンだと!?」
しかし、次の瞬間、ヒトミの繰り出したポケモンに驚かされる。ヒトミが繰り出したのは、毒とドラゴンの複合タイプを持つドラミドロと、九つの尻尾を持つ、キュウコン。ただのキュウコンならば、グラジオもここまで驚かなかっただろう。現に、彼女の一人前のトレーナー、レナも、【ひでり】の特性を持ったキュウコンを繰り出していた。しかし、いま彼の眼の前に居るのは、水色の体毛を持つ、アローラで生まれた【リージョンフォルム】のキュウコン。そのタイプは驚きの、ドラゴンが苦手な二大タイプ。氷とフェアリー。
「【あめふらし】のぺリッパ―に【ひでり】のキュウコン。このジムは、【初動で天候を変えてくるポケモン】と、【その天候で有利になるドラゴンポケモン】を使ったコンビネーションが得意なジムだとは思っていたが、」
フィールドに、雪が降り注ぐ。キュウコンの特性、【ゆきふらし】だ。
「竜の苦手な氷まで利用するか!!」
「私の手持ちに、従来のドラゴンパを相手するときの常識は通じないわよ!!」
その言葉を聞き、不味いな。とグラジオは焦る。彼のマニューラは、悪、氷タイプ。フシギバナは、草、毒タイプ。悪タイプはフェアリーに弱く、草タイプは氷タイプに弱い。キュウコン一体で、初動の二匹両方の苦手を掴まれてしまった。さらに、厄介なのはドラミドロの毒技。その毒技で散々前の二人を苦戦させてきたグラジオは、その恐ろしさを一番よく知っている。
「見せてあげるわ!!キュウコン、“オーロラベール”、ドラミドロ、“どくどく”!!」
雪の天候に、さらに、光り輝くヴェールがヒトミのポケモンたちを包む。相手の攻撃を軽減する、技、“オーロラベール”だ。さらに、ドラミドロの“どくどく”が、マニューラを毒状態にする。
「厄介だな。いやらしい。」
「バトルでそれは褒め言葉よ。」
「フッ、確かにな。だが、負ける気は無いさ。マニューラ、”氷のキバ”、フシギバナ、こちらも”どくどく”だ!!」
「させない、ドラミドロ、”りゅうのはどう”」
「飛び越えろ、マニューラ!!」
「なにッ!?」
ドラミドロが放った”りゅうのはどう”の上を、ハードルを飛び越える様に飛び越えたマニューラはそのまま、素早いスピードで肉薄し、”氷のキバ”を当ててくる。
さらに、キュウコンも毒を受けて苦しそうだ。
「そのまま”メタルクロー”!!」
「させない、”ドラゴンテール”!!ついでに、やってくれたわね、キュウコン、”ふぶき”!!」
マニューラの『爪』に、ドラミドロの『尻尾』が対応してぶつかり合う。
さらに、キュウコンが、放つふぶきが、フシギバナに大ダメージを与える。
「フシギバナッ!!」
しかし、フシギバナも、かろうじて今の攻撃を耐えていた。
「やるじゃない。キュウコン、もう一度”ふぶき”、ドラミドロ、”りゅうのはどう”」
「マニューラ、”氷のつぶて”だ。そしてフシギバナ、”ベノムショック”!!」
そして、技と技が飛び交う。その結果、
「オイオイ、マジかよ!?」
キバナも驚き、客席の手すりから身を乗り出す。
「両者全ポケモン戦闘不能!?」
キュウコン、ドラミドロ、マニューラ、フシギバナがそれぞれ、倒れているのだ。
「ウソ、ドラミドロはともかく、“オーロラベール”の中で、一発喰らっただけのキュウコンがやられるなんて…………。」
「フッ、覚えておけ、“ベノムショック”は相手が毒状態の時、確定で急所に当たる技だ。オマケで俺のフシギバナの持ち物は【どくのジュエル】一度だけ、毒技の威力を上げる優秀な持ち物だ。オーロラベールがあったとしても、防ぎきれるものじゃぁない。」
そんな事喋っていると、あられが収まり、“オーロラベール”も霧散する。
「これで、リセットだ。」
「やるじゃない。でも、フシギバナとマニューラ、エースを失ったアンタとアタシじゃ、また失った物も違うんじゃない?」
「それはどうかな?来い、ルカリオ、ポリゴンZ!!」
繰り出したのは、ルカリオとポリゴンZだ。
「ポリゴンZ。コイツも厄介ね。そして四体目はルカリオ。今までは三人ともポリゴンZ、マニューラ、フシギバナだけで倒してきたから。四体目を見るのは初めてね。」
「そうだな。やっぱり、お前は違うよ。こんなにも早く、俺から四体目を引きずり出すとはな。」
「おほめにあずかり光栄。って言えばいいのかしら?行くわよ、バイバニラ、ドラパルド!!」
繰り出したのは、ゴースト、ドラゴンタイプのドラパルドと、同じく氷タイプのバイバニラ。そしてなにより、あられが降り注ぐ。このバイバニラも、特性【ゆきふらし】のようだ。
「また【ゆきふらし】か。」
「当然。ついでに行くわよ、“オーロラベール”!!」
「阻止しろ!!ポリゴンZ、“火炎放射”!!」
「させない、ドラパルト、“ドラゴンアロー”!!」
「迎撃しろ、ルカリオ、“グロウパンチ”!!」
と、激しい技の応酬が繰り返される。そして、
「そろそろ終わりだ。ルカリオ、インファイト!!」
「しまった、バイバニラ!!」
ポリゴンZに集中し過ぎたバイバニラが、ルカリオの一撃に吹き飛ばされる。
「くっ、敵討ちよ、ドラパルド、“ドラゴンアロー”!!」
「“ボーンラッシュ”だ、弾き返せ!!」
「無駄よ!!ドラパルド!!」
一本の長い骨を出現させ、“ドラゴンアロー”を迎撃するが、落しきれずにもろに食らい、吹っ飛ばされる。
「続けて“大文字”」
「しまっ、ルカリオ!!」
命中率の低い、“大文字”だが、ふっとばされ、耐性の崩れたルカリオには避けられず、もろに食らって倒れてしまった。
「やるな。」
「ノーマルタイプのポリゴンと、格闘タイプのルカリオじゃ、ドラパルと二は相性が悪いでしょ。どっちの攻撃も効かないからね。」
その言葉に、ドラパルとが自慢げにくるくると空中を回る。
「ああ。なら、このポケモンはどうだ?来い、マニューラ!!」
「マニューラ!?もう一体!?」
先ほどの腕を組んでいたマニューラとは違い、腕をだらりとたらした構えを取っている。
「ならこっちも、ジャラランガ!!」
繰り出したのは、ドラゴンタイプのジャラランガ。
「ほう、ジャラランガか。氷タイプ相手に、ジャラランガとは自信家だな。」
「違うわよね?」
しかし、にやりと笑ったヒトミの答えに、グラジオは眉をひそめる。
「貴方の性格上、同じポケモンを二体も手持ちに入れる様な真似をするとは思えないわ。つまり、そのポケモンの正体は、ジャラランガ、“ばかぢから”!!」
「不味い、“ナイトバースト”!!」
マニューラから、
「ゾロアーク。特性【イリュージョン】で化けてたって訳ね。」
「ほう。初見ではムーンも、驚いていたんだがな。」
感心したようにグラジオがそう言う。
「だが、ちゃんと決めさせてもらったぞ。」
「?まさかッ!!」
ヒトミがドラパルトの方を見ると、ドラパルトは倒れていた。
「“ナイトバースト”…………届いてたのね。」
「当然だ。」
「成る程ね。最後はこの子よ!!お願い、ユキノオー!!」
そして現れたのは、ユキノオーだ。
一方で、己の相棒であり切り札、シルヴァディのボールを握るグラジオの顔は、笑みを浮かべていた。
「(ドラゴンタイプのジムリーダー、キバナ。他の地方だったら、チャンピオンになってたであろうと言われる実力、認めな蹴らばならないな。トップジムリーダーの弟子の実力とやらを!!)」
「来い、シルヴァディ!!」
ボールを投げ、ポーズを決める。
「ここからは、本気で行く!!」
「望むところ!!ユキノオー、“ふぶき”!!」
「ポリゴンZ、“はかいこうせん”!!」
「ジャラランガ、“スケルノイズ”!!」
「シルヴァディ、“マルチアタック”!!」
技と技がぶつかり合い、ポリゴンZとユキノオーが吹っ飛ばされる。
「ユキノオー!!…………流石ね。リーダーに
そう言い、ジャラランガをボールに戻す。彼女の腕輪からまとわりついた紅い光が、ボールを巨大化させる。
「ヒトミに
キバナはそう言って、笑みを浮かべた。
「行くわよ、ジャラランガ、ダイマックス!!」
そして、巨大化したジャラランガが、フィールドに立つ。
「これは!!」
「驚いた?これが、ガラル特有の大技、ダイマックスよ。ぶちかましなさい、ジャラランガ、“ダイドラグーン”!!」
そして、シルヴァディを巻き込んで、巨大な竜巻が発生する。
「シルヴァディ!!」
煙の中から現れるシルヴァディ。大ダメージを受けながらも、まだ立っている。
「どうよ。この一撃。」
「…………さすがだな。強い。だが、俺もこのままでは終わらないぞ!!」
自慢げに笑うヒトミに、グラジオも笑みで返す。
「それはどうかしら?ジャラランガ、もう一発、“ダイドラグーン”!!」
「打ち破れ、シルヴァディ。これが、答えだ!!」
そういい、グラジオはシルヴァディに何かを投擲する。それはシルヴァディの頭部、ディスクホルダーに滑り込んでいく。そして、ダイドラグーンを放った先で、
「ウソ!?何で!?」
シルヴァディは、立っていた。
「氷の力は鎧となり、竜の猛撃を打ち破る。特性【ARシステム】!!このディスクによって、自信のタイプをあらゆる種族に変えられる!!」
「冗談きついわ…………けど、だとしても、後一発で、終り…………。」
「悪いがそれは無い。」
しかし、ヒトミの言葉を、グラジオは否定した。
「どういう意味?まさか、体力がほぼ満タンに近いジャラランガを、一発で落とせると思ってるの?悪いけど、ダイマックス中のポケモンは、体力が二倍になるのよ。」
「ああ。その二倍の体力を、ここで削る。だから、お前のターンは、もう、来ない!!」
そう言い、両腕をクロスさせる。腕に着けているのは、澄んだ水色のZクリスタル。
「海は凍り、炎は陰り、全ては停滞の時の中に」
ポーズを重ねて行く彼の脳裏に思い浮かぶのは、何度も戦った、
『グラジオのZワザは、誰よりも威力が強いよ?ボクなんか、足元にも及ばないくらい。それで、何度も戦況をひっくり返してきたじゃない?グラジオなら、イケるよ!!』
笑顔でグーサインする彼女の言葉は、彼の背中を押すきっかけになった。
「アローラ一の標高を誇る、ラナキラマウンテン。そのラナキラに全て凍てついた、氷の洞窟のように、絶氷の一撃よ、今、竜を墜とせ!!“レイジング・ジオ・フリーズ!!」
放たれるのは、氷のゼンリョクの一撃。それを喰らったジャラランガが、大爆発を起こす。
「ジャラランガ、戦闘不能、勝者、チャレンジャーグラジオ!!いや~、最高の一閃だったぜ!!」
みんなが騒然とする中、キバナだけが、拍手喝采で、バトルの終了と両者の健闘をたたえた。
次回、ヒガナとユウリ達の回ですお楽しみに!!