色んな奴らが剣と盾の伝説のある地方に襲来するそうです   作:ナナシのG愛好家

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 今回は、ヒガナ編となっています。この小説は、【ヒガナ編】 【グラジオ編】 【エイプリル編】の三篇に分かれて語られる作品になっています。


ヒガナの失態

「なるほど!! じゃぁ、ヒガナさんはホウエン地方の調査員なんだな!!」

「ああ…………。まぁ、そんなもんだよ。」

 

 キラキラとしたまぶしい視線の主。褐色肌の少年ホップ君(15歳)に、自分はホウエン地方から来た捜査官(ポケモン委員会に所属しているとは言ってない。)と言ってしまった罪悪感から目をそらす。

 

「これ、メガストーンか?初めて見たぞ!!」

 

 キラキラと目を輝かせ、メガアンクレットを眺めるホップ。それに、

 

「も~、ホップったら。ヒガナさんが困ってるでしょ!!」

 

 と、いさめるように、ホップとヒガナの間に入る少女。ホップの幼なじみ、ユウリだ。

 

「何の調査に来たんですか?」

 

 と、聞いてくる。

 

「ああ。そりゃあ勿論、ダイマックスだよ、ダイマックス。アレはホウエンどころか、ガラル以外のどこの地方にもないからね。」

「へぇ…………珍しいんだ…………。」

 

 フムフム。と言う顔をしてそんな事を言うユウリ。

 

「そう言えば、君達は何でこんな所に迷い込んだんだい?」

 

 と、ヒガナが問いかけると、

 

「ああ、それはだな、かくかくしかじかまるさんかくで」

 

 と、ホップが事情を説明してくれた。曰く、この森は立ち入り禁止だったんだが、ウールーの一匹がどこかに行ってしまったため、危険を承知で探しに来たんだとか。

 しかし、そこでホップは赤、ユウリは蒼い不思議な犬の様なポケモンにポケモンに出会い、気が付いたら倒れていたので、途方に暮れて、辺りをうろうろしていたらしい。その結果、ばったりヒガナとあった様だ。

 

「まぁ、兄貴も俺達の事を探してくれてるだろうし、きっと心配かけてるだろうから早く戻んないといけないんだけど…………」

 

 とホップがきょろきょろと辺りを見回す。

 

「ん? 君、お兄さんがいるの?」

 

 と、ヒガナがホップに問いかけると、彼は顔を輝かせ、

 

「おう、凄いんだぞ!! 俺の兄貴は最強だからな!!」

「へぇ、最強ねぇ。」

 

 かわいいなぁ。と言うようなことを考えながらそう答える。

 

「ほんとにすごいんですよ? ホップのお兄さん。なんてったってあの…………。」

「ッ!? 二人とも伏せろ!!」

「マァガァ!!」

「えっ? きゃあ!?」

「うわぁ!?」

 

 ユウリが何かを言おうとしたところで、唐突にヒガナが血相を変えて二人にそう言った。その瞬間、彼らの頭上ギリギリを、黒い鳥ポケモンが通過した。

 全身を光沢のある翼に包んだ鳥の様なポケモン。

 

「アーマーガァ!?」

「へぇ、ホウエンじゃ見ないポケモンだね。」

 

 ホップがそのポケモン、アーマーガァの名前を言うと、ヒガナは笑みを浮かべて、モンスターボールをを手に取った。

 

「ガァ!!」

 

 対するアーマーガァは、大きく翼を広げて、威嚇するような体制を取って、そのまま凄まじい気負いで突っ込んでくる。

 

「不味い!!『ブレイブバード』!? ヒガナさん避けて!!」

 

 ユウリがそう言うと、ヒガナは自信気な笑顔を見せて、

 

「大丈夫さ。安心しなよ。」

 

 と言って、ヒラリ。と、軽い身のこなしで『ブレイブバード』を躱して見せる。

 

「躱した!?『ブレイブバード』を!?」

「凄いぞ!!」

「ガァ!?」

 

 ホップたちが歓声を上げる中、必殺の攻撃を外したアーマーガァは信じられないと言う顔でこちらを見てくる。

 

「いきなり真正面から特攻仕掛けてくるなんて、想像力が足りないんじゃないの?」

 

 と言ってから、ボールを投げる。

 

「ボーマンタ!!『ドラゴンダイブ』!!」

「ボォマ!!」

 

 そして、お返しとばかりに繰り出したボールから飛び出したボーマンタが、そのまま放った『ドラゴンダイブ』でアーマーガァは吹っ飛んだ。

 

「アーマーガァを一撃で…………。」

「凄い!!流石だぞ!!ヒガナさ」

「待って、まだ来るみたい。」

 

 ホップたちをそう手で制して、ボーマンタと辺りを見回す。そうすると、茂みの中から、煙の様な物が飛んできた。

 

「ッ!!」

 

 ヒガナとボーマンタはそれを飛びのいて躱すと、ホップが、

 

「今の技…………『ワンダースチーム』!!不味いぞ!!」

「え?」

 

 そして、茂みの中から現れたのは、

 

「マ~タドガ~ス」

「マタドガス? 見た目が知ってるのと違うけど…………。」

「リージョンフォルムですよ、ヒガナさん。」

 

 ホウエンに居るマタドガスとは違い、頭から煙突の様な物が生えている。そんなマタドガスのタイプは、

 

「毒と、フェアリー。ドラゴン技が効かないから、大ピンチだぞっ!!」

「問題ないよ。ボーマンタ、『大文字』!!」

「ボォ!!」

「ドギャス!?」

 

 すぐさまボーマンタの『大文字』にぶっ飛ばされて、リタイアとなった。すると、

 

「大丈夫か!?お前たち!!」

「(ん?もしかして、さっきは無しに出て来たホップのお兄さんかな…………って、ゲッ!?)」

 

 と、言う声と共に走って来たポケモンと人に、ヒガナは顔を真っ青にした。

 そこに居たのは、ガラルチャンピオンであり、10年のリーグ無敗記録を築き上げている伝説的レジェンド、ダンデだったからだ。

 

「(ダダダダッダッダダンデ!? 何? 文字通り最強の兄貴だったの!? 想像力じゃおいつかねぇよ!!)」

 

 と、心の中で突っ込んでいるヒガナなんてお構いなしに、ホップたちは、

 

「兄貴!!」

「ダンデさん!!」

 

 と、喜びの声を上げていた。

 

「お前たち…………無事だったのか、良かったぜ。」

 

 と、安堵のため息を付いてから、厳しい顔で、

 

「ユウリ、それにホップ、ここには入るなって言ったよな?」

「ご、ごめんなさい…………。」

「お、俺達、入ってっちゃったウールーが心配で…………。そうだ!! 兄貴!! ウールーは!?」

 

 ホップがそう問いかけると、

 

「安心しろ。ほら。」

「ザァ。」

「…………ぐめぇ。」

 

 ダンデのリザードンが、ウールーを大切に持っていた。

 

「ウールー!!」

「よかった…………!!」

「俺とリザードンが、ちゃんと保護したよ。お前達も、こんなことが起きなきゃ、俺の言いつけを破ったりするつもりはなかったんだろ?」

 

 と、優しい笑みで、

 

「兄貴…………。」

「よくウールーの為にここに飛び込んだ。流石は俺の弟だな。」

「わっ!? あ、兄貴…………止めてくれよ…………!!」

 

 と、ホップの頭をわしゃわしゃとかいて。ユウリの方にも向きなおる。

 

「ユウリもありがとうな。ホップの為に。」

「い、いやそんな…………それに、助けてくれたのはこのヒガナさんだし。」

「ん? そうなのか?」

 

 と、そそくさとこの場を去ろうとしていたヒガナに、ダンデの視線が向けられる。

 

「なぁ、君!!」

「ギクッ!?」

「「(ギク?)」」

 

 と、思いっきりビクつくヒガナに、子供たち二人は首をかしげて、

 

「彼らを助けてくれたんだって? 感謝するぜ。」

 

 と言って、近づいてくるダンデに、ヒガナは

 

「(ああもう。これはやるしかない!!)」

 

 と、覚悟を決めて、

 

「いやぁ、まさか、ここに偶然迷い込んで、成り行きで助けた子供がチャンピオンの親族だなんて、すごい偶然もあるもんだよ。驚いたなぁ。」

 

 と、内心冷や汗ダラダラで作り笑顔を浮かべ、ダンデにそう声をかける。

 

「おう。驚いたか!? 公式でもあんまり公言してないからな。」

「ハッハッハ。全く知りませんでしたよ、」

 

 笑顔のダンテと、作り笑顔のヒガナ。第三者から見ればただ笑顔で握手をしている光景なのだが、心の中では一方的にヒガナがビビりまくっている。

 

「じゃぁ、帰るぞ、お前たち。母さんがバーベキューを用意して待ってる。明日は、ジムチャレンジが始まるんだろ?」

 

 と、ホップたちに声をかけ、

 

「せっかくだ、あなたもどうだ!?たしか、ヒガナさん、だったか?」

「い、いや私はこれで…………。」

「行っちゃうのか!?」

「せっかくだから食べていきましょうよ。」

「うぐっ!?」

 

 逃げようとしたヒガナだったが純粋な子供たちの視線に逆らえず…………。

___________________________________________________

 

「それじゃぁみんな!!」

「「「「かんぱ~い!!」」」」

「か、乾杯…………。」

 

 ダンデ一家&ユウリ一家のバーベキューパーティーに参加することとなった。

 

「(ええい、こうなったらもう仕方がない!! もとから協力者は必要だったんだ!! こうなったらチャンピオンの子供たちについて行って、私の協力者にしてやる!!)」

 

 そう決意して、肉のついた串をほおばる。

 

「へぇ、マタドガスとアーマーガアを一撃で………。」

 

 食べながら、ホップたちの話を聞いていたダンデが、そういい目を輝かせる。

 

「(マズイ!!完全に獲物(強そうな奴)を見る目!!)」

「ちょうどいい!!」

「(ま、まさか、ここでバトルをするつもりなのか!?)」

 

 ずかずか近づいてくるダンデに、ヒガナは後ずさりをするが、ぐんぐん距離を詰められ、ガシッ!!と肩をつかまれてしまう。

 

「ホップたちと一緒に、ジムチャレンジに出てみないか?」

「ほえ?」

「え?」

「あ、兄貴!?」

 

 いきなり投下されたダンデの爆弾に、この話に関係している三人が声を上げる。

 

「わ、私が!?」

「ああ。」

「な、なんでだい? 大体チャンピオン、君と私は出会ったばかりで」

「ああ、だが、その出会ったばかりの君に、俺の大事な弟とその友達の命を救われたからな。それに、」

 

 と、言葉を区切って、

 

「ここのリーグ委員長から、他の地方の人間を、チャレンジャーとして出す。という企画を提案されていてね。今年は、急遽来てもらう予定だったトレーナーが病気になってしまって、来年に見送られる予定だったんだが、」

「ちょうど私が現れた、と。」

「ああ、この提案、どうだ?推薦状なら間に合わせる!!」

 

 その言葉に、ヒガナは内心細くえんだ。

 

「(いいね、リーグで勝ち上がれば、自然と名が挙がる、そうすれば、権力者に近づく機会も増える。)」

 

 そう考え、

 

「喜んで受けさせてもらうとも!!」

 

 と、ダンデに笑顔を向けて、喜ぶダンデと握手を交わした。

 

「(ブラックナイト(災厄)は起こさせない。私は、必ずあなたを止めるよ。)」

 

 と、名も知らぬ黒幕に、声をかけた。




 今回短めですみません。次回はエイプリル編です。お楽しみに!!
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