黒い沈黙なスズカであって、ブラックサイレンス(実馬)ではない。
一応アニメ時空のキャラ配置。
「あっ、いた!スズカさーん!」
「スペちゃん?そんなに急いで……どうしたの?」
「実はさっき
そう言って差し出されたのは真っ黒な袋。不気味ではあったけど、包み方はプレゼントの様だった。
「初めて見る袋だけど……」
「えっ……そうなんですか?」
「何で私のだと思ったの?」
「最初は気づかなかったんですけど……ほらここ、よ~く見てください」
そう言ってスペちゃんが袋を指差す。その場所をよく見ると、黒地に黒い字で見づらいけど、名前が書いてある。
「
「そうなんです、プレゼントみたいだったので、スズカさんが貰った後置き忘れていったのかと思って……」
この袋は私のじゃないから見た目的にプレゼントなんだろうけど……それにしてもこんなに黒一色でそろえるのもおかしいような……。
「イタズラかしら……どこにあったの?中身は見た?」
「三女神像の所に置いてありました。中身はプレゼントだったら開けちゃダメだと思って見てないです。」
「……開けてみましょうか?私に向けた物みたいだし」
「う~ん……持って来た自分で言うのもあれですけど、大丈夫ですかね?」
「ここに持ってくるまで相当揺らされた筈だし、外から触った感じ柔らかめの……布?皮?とりあえず危険物ではないと思うわ」
怪我をすることは無いと判断して、口を結んでいたリボンを解いて中を見る。
「……真っ黒」
見事に黒一色。でも、同化していて中身が何か判別できないけど、確かに何かは入ってる。もう取り出すしかないみたい。
「これは……手袋?」
「すごいですね……こっちも真っ黒です」
出てきたのは一対の手袋。デザイン性は無視しましたと言わんばかりの、何の飾り気もない真っ黒なもの。感触は皮の様だけど、奇妙なことに光沢が全く無い。何かで見た光を吸収する素材みたい。
何でこれを贈ろうと思ったのか気になるところだけど、なんとなくサイズは合うのかと思って試してみる。
そして、右手に手袋を嵌めると
「……?何かすごく静かになったような……。スペちゃん?」
「……?…………!?………………!!!」
世界の音が消えた。
スペちゃんが何か叫んでいるようだけど、声が全く聞こえない。自分の声はちゃんと聞こえるのに……。
そうして戸惑っていると、スペちゃんが手袋を掴む。
「……!そっか、手袋!」
手袋を嵌めた瞬間こうなったから、外せばもとに戻るかも。慌てて手袋を外すと、世界に音が戻ってくる。
「あー、あー……よかった!戻ったぁ……!怖かったんですよ!?周りの音が消えて、自分の声も聞こえなくて、スズカさんの声だけはっきり聞こえるんです……」
「手袋を付けた人以外の音が消えるって事かしら……どういう原理なの……?」
黒すぎる以外は一見普通の手袋なのに……。何か仕込まれてる感じもしないし、音が消えるなんてファンタジーの世界みたい。
「調べてもらった方が良いかしら……?」
「そうですね……何も分からないまま使うの怖いですよ……これ」
という訳です」
「そこで俺!?」
「まずはトレーナーさんに相談した方が良いと思って」
「はぁ……つっても俺にはその手袋の事なんて何も分かんねぇぞ?」
「やっぱり学校側に渡した方が良いですか……」
「だろうな。まぁせっかく来たんだ、俺の方から渡しとくよ」
「ありがとうございます」
それから手袋を預けて数週間後……。
「スズカ、例の手袋戻ってきたぞ」
「何か分かりましたか?」
「何か結構色んな場所で調べる事になったらしいな。とりあえず、発信器や盗聴器の類は見つからなかった。この手袋から個人情報が漏れたりはしないから、そのあたりは安心して良いみたいだ」
「そういえばその可能性もありましたね、何もなくて良かったです」
音が消えたインパクトが強すぎてすっかり抜けていた。
「お、おう……得体の知れないプレゼントだから一番最初に警戒してほしいところだけどな?まぁ今は置いといて……次にこの手袋の素材についてだ」
「素材……確かに真っ黒ですけど……」
「まぁそれも気になるところなんだが……この手袋、勝負服と同じ素材で作られてるみたいなんだ」
「これレース用だったんですか……」
「同じ素材で出来てるんならそうなんじゃないか?ここまで真っ黒にしたのはどうかと思うけど」
「絶対浮きますよね、これ……」
黒を基調とした勝負服は多くあるけど、光を吸収するタイプの真っ黒なものは見たことが無い。
「あぁ、変に目立ちそうだよな……。でだ、一番謎だった、周りの音が消えるって機能なんだが……」
「分かったんですか!?」
この手袋の最も分からない部分。あの後ちょっと調べたけど、手袋を嵌めただけであんな事を起こす技術は見つからなかった。
「いや……ほんとにただの手袋で、音を消せそうな何かは見つからなかったらしい。何回かつけて試したこともあったらしいけど何も無かったって、本当にそんなこと起きたのか?」
「嘘はついてませんよ、見せましょうか?」
「……じゃあ、頼む」
トレーナーさんから差し出された手袋を受け取る。前と同じように手袋を嵌めると、音が消える。
「どうですか?」
「…………!……………!?」
すごく驚いてる。
ちょっと面白いかも、と思いながら手袋を外した。
「おぉ、戻った……マジか……」
「信じて貰えました?」
「バッチリな……スズカしか使えないって事か?とにかく、これで確信した」
「何がですか?」
「似てないか?最近マチカネフクキタルが使ってる新しい勝負服に」
「フクキタルの……?」
フクキタルの新しい勝負服。今までの「縁起の良い物いっぱい集めました!」みたいな勝負服と違い、真っ白で装飾の無いシンプルなデザイン。その背面には特徴的なマークが描かれていた。本人曰く、お祈りに行った先で自分の名前が書かれた真っ白な箱を見つけ、その中に入っていた物らしい。「これが……!シラオキ様からの賜りもの!!!」と騒いでいたのをよく覚えている。
「ほら、
「フクキタルの勝負服に機能ってありましたっけ?」
「あれ、知らないか?何でも
「そんな機能あったんですね……」
「どうする?使うか?この手袋」
「音が消えるってレース妨害になりませんか?嫌ですよ、反則になるのは」
「そうか、制御出来るようになったとしても何かの弾みで誤作動しかねないしな……。レースで使う訳にはいかないか……ちょっと残念だ」
「一応捨てずに持っておきますよ」
『黒い沈黙の手袋』
ある日見つかった真っ黒な手袋。スズカがつけた時だけ能力が発動する。勝負服を着た状態でつけると勝負服が黒くなる。物の出し入れは出来ない。
左右で別々の能力を持っていて、右は自分を中心とした2バ身くらいの範囲の音を消し、使用者が発する音だけが響くようになる。制御はちゃんと出来るようになるが、やり方が分からないので難易度が高い。
左は自分の気配を操れる。操ると言っても、出来るのは気配を薄くして他人に気付かれづらくなるか、威圧感を出して他人を怯ませるかの2種類。音を消す能力が目立ってこの能力に気付くのが遅れるイメージ。制御の仕方は音を消すのと同じ理由で高難度。
本編ではレースで使う前に禁止装備になったが、これは作者がレースを書けない所為。本来はレース中、専用の固有スキルが発動した時だけ使えるイメージ。じゃないと反則になりそう。
スキル
『黒い沈黙』
3番目に発動するスキルを強化する。
レース中1回しか発動しないのか、3番目毎に発動するのかは未定。
1回しか発動しない場合、"四卦を使うマチカネフクキタル"の「眞-卦(離)」が強化するスキルが1つだけになる。そうじゃない場合は少なくとも複数のスキルが強化される。
固有スキル
名前が思いつかない。
何かしらの状況で競り合っていると発動。2バ身以内の相手の速度が下がる。
表現的にはスズカ以外の音が消えて戸惑ってる中、そのスズカから恐ろしい雰囲気を感じて近づくのをためらう感じ。スズカの前にいたら掛かるかも。
『四卦を使うマチカネフクキタル』
【1000文字以下まとめ 2】で書いたやつ。
手足の一部が黒い結晶で覆われる設定を追加。多分「四卦」発動時か、固有発動時の現象。入手経路の方は仮設定。
本編では話題作りのために同じ世界にした。
実際こんな物見つけたら問答無用で没収だよな……。
勝負服はアンジェリカモチーフにすればよかったと書いてる途中で気付いた。