を出来なかった話
リーダー「すまん今日行けなくなった」
撮影「そんな馬鹿な」
道具「正直ホッとしました」
調査「同じくです」
撮影「【リーダー】が来れないと【道具】ちゃんと【調査】くんも来れないし」
撮影「【囮】ちゃん二人で行かない?」
リーダー「却下」
道具「【リーダー】さんとならまだしも【囮】さんと一緒は死人が出ます」
調査「やめてください……」
深夜の学校。壁や床は所々黒ずみ、残された設備は埃を被り、歪み、錆びついている。
そんな酷く廃れた学校を歩く者が二人。
「今回は大物撮れるといいな~」
片方は荷物が入っているであろうバッグの他に、ウエストポーチを付けている女子。彼女は学校の不気味な雰囲気に怯えることなく、手に持った携帯であちらこちらを撮影している。
「私は見れれば満足ですよ」
もう片方はライオットシールドを持った女子。こちらも恐怖の色は見えず、落ち着いた様子で片割れの隣を歩いている。
彼女たちが行っているのは、簡単に言えば心霊スポットの探索である。しかし、ただ探索して満足するものではない。彼女たちは、"この手の場所"には"何か"がいる事を知っている。それを撮影するのが彼女たちの目的である。
普段は五人で行動しているが、今回はメンバーの予定が合わず二人で探索を行っているようだ。
携帯で写真を撮っているのが【撮影】、シールドを持っているのが【囮】とそれぞれ呼ばれている。
『縺ェ縺ォ縺励※繧薙?』
「お、出た!」
散策中の二人の前に、おおよそ手のひら大の"何か"が現れた。
その姿は、一言で表すなら異形。ある界隈では"呪霊"と呼ばれる存在である。残念ながら彼女達はその界隈の人間ではないため、その名前は知る由もないだろう。
【撮影】はそんな異形の存在を、待っていましたとばかりに写真に撮る。
それを見た【囮】は「囮は必要ですか?」と尋ねるが、「大丈夫!」と返して自分に飛び掛かってくる呪霊を、ひらひらと躱しながら撮影していく。
『縺昴▲縺。縺ッ』
呪霊が飛び掛かり、【撮影】が避ける。そんな状況が続いてしばらく、呪霊はこのままでは意味がないと判断したのか、ボーっと周りを見渡している【囮】にターゲットを変えて飛び掛かった。
「おっと!」
しかしそれも空しく、間に入った【撮影】によって殴り飛ばされる。彼女の拳には青いエネルギーのようなものが込められており、それに当たった呪霊は形を崩して消滅した。
青いエネルギー、ある界隈では"呪力"と呼ばれる呪霊を倒す事が出来るエネルギーである。
彼女達はその界隈の人間ではないため、やはりその名前も詳細も知らない。しかし、体から立ち上る姿から、とある漫画を参考に"念"または"オーラ"と勝手に呼んでいたりする。
「おや、終わりましたか?」
「うん!ちょっと時間使い過ぎちゃったかな。どんどん行こう!」
撮影はまだまだこれから。もっと沢山の呪霊を撮影するべく場所を移動しようとする【撮影】。
しかし、その足は直ぐに止まってしまう。
『縺ゥ縺楢。後▲縺』『縺薙%』『髱吶°縺ォ縺ュ』
「どうしました?」
「あー、いろいろ誘き寄せたみたい」
天井、床、廊下の奥、様々な場所から複数の呪霊が出現した。
「では、ここは私が。校庭でいいですね?」
「うん、頼んだ!」
【囮】の提案に答えて窓から飛び降りる、【囮】は現れた呪霊たちを引き連れて近くの階段を下りて行った。
【撮影】が飛び降りた先は校庭、スペースが広く遮蔽物は無い。
複数の呪霊を写真に収めるのに適した場所だ。特に自分が何かする必要はなく、呪霊を引き連れた【囮】を待つだけだが、少ししてそんな彼女の目の前に何かが飛んできた。
『譌ゥ縺乗綾縺」縺ヲ』
「おお、これは!」
飛んできたのはもちろん呪霊。しかし、その大きさは今日現れた中でも飛びぬけたもの。
正面にある顔だけでも人一人分のサイズの巨体だ。
直ぐに臨戦態勢に入るが、後ろから声を掛けられた。
「【撮影】さん!なにやら目の前で衝撃が起きたようですが!」
「大物だよ!撮影しながらは無理だから一旦捕まえる!【囮】ちゃんは離れて待ってて!」
「了解!」
【囮】が合流した。彼女が率いる呪霊を引き受けないといけないが、目の前の大物と同時に相手取るのは【撮影】の戦闘能力では不可能。
「まずは君から!」
【撮影】は大物に向き直して、ウエストポーチから鎖を取り出す。その長さはポーチの容量を優に超えてなお伸び続ける。
「行くよ!!!」
【撮影】
術式『呪撮』
呪いを写真や動画として撮影出来るようになる術式。
恐らく菜々子の術式の完全下位互換。
物が呪具化しやすい性質があり、呪いが見えるようになるレンズ(眼鏡)をいくつか生み出している。
「封印」
撮影の際、被写体の呪力を削り取る拡張術式。
相手の術式発動に合わせて使うと、その威力を激減させたり無効化したり、遠隔で干渉するタイプの呪いを無理やり剥がしたり、呪霊であれば体を切り取ったりできる。
動画撮影で使えば、画角に入っている間呪力を強制的に消耗させる。
削り取った呪力は、【撮影】にも被写体にも還元されることは無い。
領域内の景色をこの技で撮影すると、力量差を無視して穴を開けることができる。宿儺や羂索のような、呪術の達人+外殻の無い神業領域相手であっても、領域展開時に出現するオブジェを破壊すれば領域が崩壊する設定だった場合、それを撮影出来れば簡単に破壊できる。
「
「万里ノ鎖」
【撮影】がウエストポーチに入れている無限に伸びる鎖。
12年前に衝撃音を聞きつけて野次馬しに行った所で見つけた鎖の破片を伸ばしたもの。
伸ばして切ってまた伸ばすを続けて無限増殖ができるが、流石にぶっ壊れ過ぎるので原作にそんな設定は無いはず。
【撮影】自身も増やそうとは思っていない。
名前未定。好奇心が止められねえ女子。
昔から呪霊の見た目を面白いと思っている。
カメラを貰ってから呪霊の撮影に成功し、以来自分の術式を自覚した。
その後、呪霊撮影の為のグループを結成した。メンバーは【撮影】含めて五人。
SNSで呪霊の写真を投稿しているため、呪術界に気づかれるのも時間の問題。
目の前で宿儺の鏖殺が起きているとき、写真を撮ってから逃げようとして死ぬタイプ。
【囮】
術式『干渉不可』
呪いの影響を受けなくなる代わりに、呪いの知覚と操作が不可能になる術式。
呪力強化、結界、縛り、反転術式、領域、呪霊、受肉、術式解除、六眼、魔虚羅、
所持品も術式対象だが、誰かに触って「お前俺の所有物な!はい呪い無効!」みたいなことは出来ない。
傀儡操術、構築術式、真人の改造人間のような、物体を操るまたは作り出す術式、音速で体当たりしてくる投射呪法等、呪いが関与しない物理攻撃が生じる術式とは相性が悪い。
また、呪力強化を自分に行えないので、そもそも呪力で身体能力を上げる呪術師と相性が悪い。
漏瑚の術式発動による温度上昇、
「ライオットシールド」
【囮】が持っているシールド。ほぼ全身を隠せる長方形のでかいやつ。
呪霊の攻撃で生じる砂埃や瓦礫を防いでくれる。『干渉不可』の術式対象なので呪いはすり抜ける。
そのうち呪具化するかもしれない。
この妄想の主人公。名前未定。好奇心が止められねえ女子。
ある日呪霊が体をすり抜けるのを【撮影】に見つかり、興味を持たれた。「君の体をこんなのが通り抜けたよ」と呪霊の写真を見せられ、「なにこれおもしろ」となってグループに参加。
グループでの役割は囮。呪霊を引き付け、緊急時に準備を整えたり撮影するための時間を稼いでいる。
どんな危険な場所からも何故か無傷または軽症で生存する。
目の前で宿儺の鏖殺が起きているとき、最後まで見ようとして自分の番が来るタイプ。
【リーダー】
術式『強制発動』
触れている相手の術式を強制的に発動させて操る術式。
触れた相手が術式を持っているかどうか分かる副次効果がある。術式の詳細は分からない。
呪力消費は自分と相手で折半。基本使う対象が非術師なので、先に相手の呪力が切れて一人で賄うことになる。
力量差によっては相手の身の丈に合わない呪力出力を強制して、術式を焼き切ることが出来るかもしれない。
名前未定。寡黙めな男子。多分身長高い。
【撮影】とは幼馴染。呪霊を撮りに行く彼女を見て、「放っておくと死ぬ」と思って放っておけない。
グループ内での役割は、迷い無く前進する【撮影】と【囮】を止めるブレーキ役。また、【道具】の術式を発動する役。
目の前で宿儺の鏖殺が起きているとき、音を出さずにその場を離れる事に成功するが、いる事がバレているので殺されるタイプ。
【道具】
術式『造形』
呪力に固さと形を与えて操作する術式。【道具】は非術師のため、発動には【リーダー】の術式が必要。
捉え方によっては構築術式の下位互換。
「眼鏡」
【撮影】から貰った呪いが見えるようになる眼鏡。
体に呪力を流し込まれる機会が多い為か、最近はこれ無しで見えるようになりつつある。
名前未定。生活に刺激が欲しい女子。【撮影】【囮】【リーダー】の後輩。
なんやかんやあって術式の内容を知られ、勧誘された。
グループ内での役割は、術式によるあらゆる道具の作成。壁を作って攻撃を防いだり、鍵を開けるマスターキーになったり、空中に足場を設置して疑似空中歩行したりできる。
目の前で宿儺の鏖殺が起きているとき、悲鳴を上げて逃げて殺されるタイプ。
【調査】
「眼鏡」
【撮影】から貰った呪いが見えるようになる眼鏡。
名前未定。生活に刺激が欲しい男子。【撮影】【囮】【リーダー】の後輩。
非術師、術式も持っていない、呪霊も見えない一般人。
グループ内での役割は【撮影】が見つけた心霊スポットで、何が起きるのか詳細を調べる役。というのは建前でグループ内の男女比を調整したかったため作られたモブキャラ。
目の前で宿儺の鏖殺が起きているとき、腰を抜かして逃げられなくなるタイプ。