撮影「渋谷ハロウィン行くぞ」
リーダー「何でだ」
撮影「独自の情報網によって何か起きてると分かりました」
調査「掲示板で話題になってますね」
撮影「というわけで行きます」
リーダー「却下」
撮影「来れる人は言って。集合場所は 」
道具「参加します」
調査「行きます」
リーダー「おい」
ハロウィン当日で賑わっていた渋谷。しかし、現在は巨大な黒いドームによって覆われている。
「これは……結界かな?」
そして、そのドームを見上げる男女5人組がいる。
「こんなデカいの張って、なんで話題にならないのって感じだけど……。【調査】くん!メガネ外して。どう見える?」
ドームは"帳"と呼ばれる、ある界隈では広く認知されている結界である。
しかし、そんなことを知る由もない彼女達は、その性質の理解からしなければならない。
幸い、この集まりは3パターンの検証を行える。
「普通の渋谷ハロウィンが見えます。でも、何というか視界に定まらないというか……すぐに他の場所に目線が行くような……」
始めに声をかけたのは【調査】と呼ばれる男子。彼は掛けている眼鏡越しに帳を視認していたが、眼鏡を外せばそれが出来なくなる。
一般人には特に異常を感じられないということだろう。
「認識阻害?人避けの効果でもあるのかな?【囮】ちゃん、そっちは?」
「大量の怪物が人を襲っていますね。それと、透明な壁に寄りかかっている死体が気になります。あそこが【撮影】さんの言う結界の縁でしょうか?」
次に声をかけられた【囮】と呼ばれるライオットシールドを持つ女子は、超常的な現象を視認できない。
今回は本来内側を見ることが出来ない帳の中を見ることを可能にしている。
「怪物……【囮】ちゃんに見えるってことは念は関係ないって事?いよいよ日常が浸食されてきた感じするね!」
「喜ぶな」
「いてっ」
自分の知らない新たな世界の側面にときめく【撮影】だが、それに水を差すように後頭部をチョップされる。
「急に何、【リーダー】」
「入ったら出られないって事だろ。人を襲う怪物もいるんだ、入らせないからな。」
そういって【撮影】の頭を叩いた犯人、【リーダー】は彼女を引き留める。
「だから生き残るために皆で協力しようって話でしょ!?ここまで来て引き返すとか無いから、そうだよね皆!」
「はい!」
「【道具】さんが能力を使えるなら」
「【リーダー】さんが来ないと無理ですね」
【囮】は乗り気に返事をしたが、自身の安全が【リーダー】に依存してしまう【道具】と【調査】は、彼の様子を伺う。
「ほら!【リーダー】が来れば【道具】ちゃんも【調査】くんも行くって!」
「俺は行かない。多数決でこっちの勝ちだ」
「そんなぁ~」
しかし、虚しくも一蹴されてしまった。
【撮影】は項垂れながら言葉を続ける。
「じゃあ、私と【囮】ちゃん2人で行こっか……」
「【リーダー】さんが来ないのであれば仕方ないですね……」
メンバー全員で大イベントに向かえない事に落ち込む2人はとぼとぼと帳へ向かって歩き始める。
「行かせないって言ってるだろ」
そして、【リーダー】はそんな2人の首根子を掴む。呪力によって身体能力を強化した本気の制止である。
もう説得は聞かないと判断した彼は、2人を後ろ手に掴みなおして引きずっていく。
「マジで?マジで行かないの?」
「目の前に大チャンスがあるというのに……」
掴んでいる2人を無視して、「帰るぞ」と【道具】と【調査】に声を掛ける。
残念そうな顔を見せて引き返す2人の背中を見ながら3m程歩くと
ゴンッ!
「っ痛ぇ!」
後ろから頭を殴られた。呪力による強化で痛みは薄いものの、【囮】と【撮影】を掴んでいた手が緩む。
「よし!脱出成功!」
「クソッ!」
捕まえていた2人が抜けだし、帳に向かって走り出す。
「お前ら……!」
「へへーん、どうして今まで大人しく引きずられてきたと思ってんの!」
「なるほど、無理を確実に通すためですか。よく今まで耐えましたね」
「もっと言って!」
【囮】と【撮影】は帳の中へ侵入した。
帳の内側へ入った2人。その内側には更に別の帳が下りていた。
【撮影】だけが入れないと分かった2人は二手に分かれ、【囮】は帳の中へ、【撮影】帳の外で撮影を続けることにした。
しばらくして帳が上がり、これ幸いと移動する【撮影】、自身の勘を頼りに渋谷を進むと、一際巨大な気配と戦闘音が響く場所にたどり着く。
「すご……、クトゥルフじゃん」
渋谷マークシティの連絡通路、その2階部分に【撮影】は潜伏している。
潜伏場所から見えるのは、「クトゥルフ」と言えば分かる人には伝わる姿をした陀艮と名乗る怪物、それと戦う3人の人間だった。
3人、と言うよりはその内の2人によって、陀艮は劣勢に追い込まれている。
仰向けに倒れた陀艮の腹部に、着物姿の老人が攻撃した直後、そこを中心に黒いナニカが球体を作り始める。
「ここで結界!中で何か起きるんだろうけど、入ったら危険……」
球体の内側に入ることは、相手の陣地に入るのと同じである。
ましてや、あちらは恐らくその道のプロ。無事で済むことは無いだろう。
「でも、絶対中で面白いこと起きるよね……」
しかし、彼女がここに来たのは面白い事を記録するためである。
「ええい、ままよ!」
彼女は完成間近の球体の中へ飛び込んだ。
「海?」
球体の内側には海が広がっていた。着地した砂浜から前方を見れば巨大な海、後方には南国風の植物で作られた森。
結界と、その内側に広がる光景から、彼女はとある作品に登場する技を想起する。
(固有結界……!これは死んだか……?)
この結界の中では敵が強くなる。創作物からの引用だけで判断しているが、実際に効果は似ている。まともな防御策を持たない彼女が生き残る確率は極めて低い。
やっぱ来なければ良かったと言う後悔と、何か出来る事は無いかと冷や汗を流しながら考え始める彼女だが。
周囲の者たちもまた、突如現れた第三者に困惑している。
「一般人!?」
「どこから来やがった!」
口を開いたのはスーツの男と眼鏡の女子。
着物の老人は一瞥して陀艮に向き直る。
残る陀艮は
(乱入者……。呪力を見るに大した相手ではない。体の動きから見て、強さも眼鏡の女以下。力を髭の男7:スーツの男3に調整……!)
「
それを見たスーツの男が、眼鏡の女子に向かって叫ぶ。
「真希さん!!アレらは真っすぐこちらに向かってくるわけではない!!次の瞬間には私達の肉を抉っている!!」
(キメラアントが使ってた奴だ!)
恐らく、これから行われる攻撃の説明。またも創作物からの引用で性質を理解した【撮影】。
スーツの男は食いついてきた巨大魚に体を覆われ見えなくなる。真希と呼ばれた女子は、先の警告に続いた助言通り、驚異的な反射神経で触れられた端から魚を叩き落とす。
一方の【撮影】は、食いつかれてからの対処しかできない。幸いにして、食いついて来る魚の量もサイズも大したことは無いため軽傷で済んでいるが、このままではジワジワと食い尽くされてしまう。
(死ぬ!!何か出来ない!?写真撮影しかできない!!)
念に対抗するには念を習得するように、斬魄刀の能力に霊圧で対抗しようとするように、目の前の攻撃にどうにか対処できないか、思考が加速する。
そんな【撮影】の頭に浮かんだ、一つの可能性。
(この風景撮影すれば削り取れるのでは……?)
恐らく、今目の前で行われている戦闘は、自身が"念"と仮称しているエネルギーと同じものが使われている。この結界もそのエネルギーから生み出されたもの。
そして、【撮影】はこのエネルギーを削り取る手段を持っている。
(写真は風景を切り取るとか表現されるような気もするし、多分いける……!能力の拡大解釈は大事!なろう主人公もそれで強くなってる!!)
もはや自棄になった突拍子の無い発想。
しかし、彼女はもはやそれに縋るしかない。
「いっけえええ!!!!」
髭の男に圧倒された戦闘。しかし、領域展開で優位を取った。それでも、相手は押し寄せる式神の攻撃全てを防いでいる。
式神で正面の視界を塞ぎ、その後ろから殴りつける。打ちあがった彼から、式神の攻撃を防いでいた呪力が消えた。
今なら当たる。式神で追撃しようとしたその瞬間
パシャリと音がした。
同時に、領域の一部に大きな四角い穴が開く。
(領域に穴……!何が起きた!?)
パシャリと音が続く。音は一回鳴るごとに容易く領域に穴を開けていく。
塞ごうとしても、それより早く新たな穴が開く。もはや、領域は半分も残っていない。
(損傷が激しい……!領域を維持できない!)
領域が解ける。
そして、陀艮が見たのは、未だ生存している3人の呪術師と、
「よっしゃあああ!!!」
絶叫する乱入者の姿だった。
この後は、伏黒到着 → 陀艮撃破 → 陀艮撃破を察知した漏瑚到着 → 直後パパ黒到着 → 漏瑚VSパパ黒VS残り5人 → 宿儺復活で漏瑚離脱 → パパ黒VS残り5人
【撮影】
術式『呪撮』
呪いを撮影出来るようになる術式。
領域特攻を持っている理由は、領域に突入させて生き残らせるにはどうしたらいいか考えた結果である。
「万里ノ鎖」
【撮影】がウエストポーチに入れていた無限に伸びる鎖。
前回投稿した後、少し調べたら切って増えるような性質は無いと分かったため今回は持っていないことになっている。
陀艮の領域から生還したが、漏瑚VSパパ黒の中で生き残れるかは分からない。
死体の写真撮って喜んでるやべー奴。
【囮】
術式『干渉不可』
呪いの影響を受けなくなる代わりに、呪いの知覚と操作が不可能になる術式。
呪力で強化された肉体は、おそらく肉体強度の強化と、纏ってる呪力で二重の防御を張ってるんじゃないかと思う。
この術式は、纏ってる呪力の防御は貫通できるが、肉体強度の強化は物理的な効果なので貫通できない。
前回
でも魂の共鳴は透かせる。
「ライオットシールド」
【囮】が持っているシールド。ほぼ全身を隠せる長方形のでかいやつ。
ブルアカのホシノが持ってるシールドみたいな、バッグみたいに折りたためるやつが理想だけど、調べてもそういうの出てこない。
創作の中だし良いかなと思わなくもない。
この妄想の主人公。
【撮影】に指示されてシールドで【リーダー】の頭を殴った。
死体見ても特に気にしてる様子を見せないやべー奴。
【リーダー】
術式『強制発動』
触れている相手の術式を強制的に発動させて操る術式。
【撮影】と【囮】のブレーキ役。
【撮影】と【囮】が帳に入る前の会話で、【撮影】に「他人の為に命懸けるのやめた方がいいんじゃない?」と言われて拘束の手が緩んだ瞬間、【囮】に殴られて逃がすというやり取りを考えてた。さっさと殴った方が確実で効率的かなと思ったので没になった。
【撮影】としては7割くらい本気。でも【リーダー】がいないと【道具】と【調査】に覚悟決めてもらわないといけなくなるので、いて欲しいとは思ってる。
【道具】
術式『造形』
呪力に硬度と形を与えて操作する術式。
「眼鏡」
【撮影】から貰った呪いが見えるようになる眼鏡。
術式で鍵作ったり足場作ったりする役。
前回撮影が中止になって安心してたのに今回乗り気なのは、単純にスタンスが決まり切ってないから。
【調査】
「眼鏡」
【撮影】から貰った呪いが見えるようになる眼鏡。
撮影組の男女比調整役。
と前回書いたけど、【道具】が作った足場を使うときに、足場をすり抜けてしまう【囮】を抱える役を担っているかもしれない(【撮影】はさっさと前に行く。【リーダー】と【道具】は術式発動中)。
前回撮影が中止になって安心してたのに今回乗り気なのは、単純にスタンスが決まり切ってないから。