誰か書いて   作:嫌怠

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書けねーぞ、クソッ!


30.心器(2) 音と巴

逢魔が時、武神・毘沙門天に遭遇した夜ト(やと)一行。

すぐさま逃げだした夜トを、毘沙門は追いかける。

 

「初見の神器が1体、能力は不明。心音(ここね)が変化していません、連携を警戒!」

 

兆器(ちょうき)からの警告。毘沙門はこれまでも夜トと遭遇し、戦ってきた。夜トの神器を長く続けている心音を見るのも初めてではない。

変化せずとも戦える戦闘力。長年培われた夜トと心音の連携は極めて厄介だ。

 

囷巴(くらは)秋巴(あきは)!」

「はい!」

「何だいお嬢」

「奴らを分断する。心音の相手を頼む!」

 

ライオンの姿の騎獣となる囷器(きんき)もまた、高い戦闘能力を持つ神器。彼が前に出て心音を相手取り、秋巴が援護すれば心音でも簡単には突破できないだろう。

その間に夜トを叩く。

 

「行くぞ!」

 

並走する夜トと心音の間に割り込み、二人を分断した毘沙門。そのまま夜トに追撃し、心音と引き離していく。

一方の心音は、囷器と、小柄な中年男性の秋巴に合流を阻まれる。

 

「お嬢の所へは行かせませんよ」

 

睨みあう三人。

 

「まあいいだろう」 

「え……」

 

一触即発。しかし、心音は合流させないという言にあっさりと肯定を示す。

 

「神に依らずとも戦える神器は厄介だからな。私が居る限り、それをここに留められる。ついでにもう一つ神器が付いてきたなら十分だ」

 

その場に座り込む心音。本当に戦う気は無いようだ。

遠くの戦闘音を聞きながら、時間が過ぎていく。

結局、彼らが合流したのは黒器(こっき)によって風穴が開けられた後だった。


 

夜トと毘沙門天の確執が解け、夜トが高天ヶ原に土地を持ったことで、神器を含む二人の交流が増えた。

兆麻(かずま)は、雪音に"術"を教えて欲しいと頼まれ、これを引き受ける。

まずは実践あるのみと、術を防ぐ訓練を行う雪音。その最中、ある疑問が浮かぶ。

 

「そういえば、一線でしか防げないなら、心音ってめちゃくちゃ危ないんじゃ……」

 

心音が使う一線は、妖が素通りしてしまう程に効力が弱い。夜トが「全てを受け入れてしまっている」と言うそれでは、術を防ぐ事が出来ないのではないか?

兆麻はその通りだと肯定を示したが、「依然厄介な存在だよ」と続ける。

 

「彼女は変化せずとも、武神の戦いに介入できるほど戦闘能力が高い。術を使うような者は大体その姿を見ているはずだから、自分を上位に置くのは難しいだろうね」

「確かに……」

 

雪音は心音が生身で戦う姿は何度も見ている。あれと1対1で戦うのは、あまり考えたくはない。

その躊躇いは、神器同士の戦いでは大きな不利となる。

 

「それにね」

「まだある……!?」

「彼女は、術をかけられても直ぐに無理やり破って来るんだ」

「そんなことできんの!?」

「術をかけても、破って迫って来る。それに動揺すれば、心音が上位になり術も聞かなくなる。その後は殴り合いだね、武神と肩を並べる相手との」

「こわ~……」


 

「私と手合わせがしたい?」

「ああ」

 

引っ越しの挨拶に来た雪音と心音。雪音は兆麻から術を学ぶため、庭の方へ向かった。

残った心音も、毘沙門に頼みがあると話しかける。その内容は、自分と手合わせがしたいというもの。

 

「私は生身でも戦うからな。強いに越したことは無い」

「何故私なんだ……。夜トがいるだろう」

「奴とは何十年と戦っている。相手は多い方がいい」

「……わかった。だが、こちらにも頼みがある」

 

   

 

巨大な洋館の廊下を走る少女。

 

「はぁ……はぁ……」

 

息が切れてきた頃、近くの部屋に飛び込んだ。

物陰に隠れる。アレはまだ来ていない。

 

「あとどのくらい……」

 

遠くで、仲間が捕まる音がする。この状況がいつまで続くのかは、最早分からない。

息を潜めていると、足音が近づいて来る。

 

(気づかないで……!)

 

気付かれれば、逃げる事は叶わない。通り過ぎるのを祈るしかない。

しかしソレは、最初から居場所が分かっているかのように迷わず部屋に入って来た。部屋を探し回ることも無く、真っすぐに少女が隠れる物陰を覗き込む。

容易くこちらを見つけたソレと視線が重なる、対抗するための武器は落としてしまった。

残る手段は自らが持つ、境界を引き盾とする力。

 

「一線!!!」

 

叫びながら、相手との間に線を引く。

しかし、境界が現れる事は無かった。元より成功したことは無い、振り抜いた()が虚しく空を切る。

 

(やっぱり無理だ……)

 

その姿を見届けたソレはゆっくりと手を振り上げ、そのまま手に持った物を振り下ろす。

 

  ピコッ!

 

嶺巴(みねは)、確保だ」

  

隠れていた少女、嶺巴を叩いた存在。ピコピコハンマー持った心音が口を開く。

 

「恐れ過ぎだ。コレ(ピコピコハンマー)で叩かれる以外の脱落は無い。一線以外でも攻撃を凌ぐ方法を考えるべきだった」

 

心音は一連の評価をして、別の神器を探しに行く。

その姿を見送って気が抜けた嶺巴は、座り込んで声をこぼす。

 

「だって怖いもん……」

 

敵に襲われた時、逃げるなり隠れるなり、何らかの"生き延びる術"を身に着けるために定期開催される事になった鬼ごっこ。

まだ初回ではあるが、相手は以前襲われた妖よりも遥か格上。あまりにも道が長い。


 

心音

主と死霊の素質の実体化と言われた神器において、原作で登場する物は全て刃物の要素がある夜トの神器にもかかわらず、全く刃物の要素が無いなんかヤベー神器。

一線を引かれても術を掛けられても、フィジカルで無理やり突破してくる。全てを受け入れてしまっているので、格下の術にも掛かってしまうかもしれない。

武神との関わりを持てたので鍛錬に使おうとしてる。タケミカヅチと知り合った後はそっちとも手合わせしてるかもしれない。

毘沙門との手合わせを頼んだら、うちの神器を鍛えてくれと頼まれ、巴一族鬼ごっこの鬼役に任命された。

 

『術』

設定的には使うこと自体はできそう。でも学ぶ機会が無さそう。そんで殴った方が楽そう。

心音は掛けられても無理やり破れると書いたけど、原作では術が無理やり破れた描写は無いはず。縛符くらいしか破れる術も思いつかない。

 

 

毘沙門天

心音に手合わせを頼まれた。忙しい身なのでお互い予定を組まないといけないが、そんな描写は面倒なので、書かれるのは心音と巴の神器たちの交流だけである。

 

 

囷巴

毘沙門天の神器。

夜トに噛みつかなかったおかげで右目の負傷を回避した。

眼帯属性が無くなってしまうが、本人からしたら怪我は少ない方がいい。

 

 

巴一族鬼ごっこ

ルール

・開催地は毘沙門の土地内

・鬼と子に分かれる

・鬼と子の双方に武器が与えられる。

・敵に武器で叩かれたら負け

・制限時間を生き残ったら勝ち

・盾の一線を使用可

    逃げる、隠れる、戦う。敵に襲われた時の対処法は様々あるが、いずれも知識があれば成功率は高まる。それを学び、習得していない者はあわよくば一線習得の一助としてくれ。




囷巴と秋巴と3人でただ待つのが暇だったので、囷巴をモフったり、ロデオ大会を提案するみたいなのも考えた。心音がそうする理由が無くて諦めた。

毘沙門の神器が妖に襲われるのを察知して助けるみたいなのも考えた。心音がそうする理由が無くて諦めた。
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