誰か書いて   作:嫌怠

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アルカナ変身おめでとう。ハンニンダーいないけど何倒すの?

ああシャドウは独立して動けるのね。

…………吸収すると強化されて鎌を使う敵?


39.運命の妖精(3) シャドウ

「まだだ!まだ……生み出されたシャドウがいる!!!」

 

シャドウの力を得て戦っていたアルカナ・シャドウ。更なる力を求めて、エクリプス・シャドウとなった彼女の影を、エクレールがついに晴らした。

でも、デッチ・アゲインは残ったシャドウの力をけしかけてくる。

 

るるかさんが真の姿、キュアアルカナに変身して、戦闘が始まるその瞬間。

 

「あの、その力……ボ、ボクが使ってもいいですか?」

 

ソラがそんな提案をした。

 

「……"指令"とやらかい?」

「は、はい!【影を宿して力を示せ】とのことです!」

「いいだろう……君と一緒に、この舞台を仕切り直そうじゃないか」

 

デッチ・アゲインの指示で、自律したシャドウの力が、再びエネルギーとしてソラに宿った。

黒い繭のような形でソラを包んだシャドウは、直ぐに罅割れて、中からソラが出て来る。

 

「姿が変わってない?」

 

シャドウの力で、キュアアルカナとは違う姿になったアルカナシャドウ。更にシャドウを取り込んで、武器が変わったり、黒い翼が生えたエクリプス・シャドウ。

あの力は、取り込めば姿が変わるものだと思っていたけど、ソラにはその様子が見られない。

 

「よく見て!ソラの周りに、黒い液体が浮かんでる!」

 

ミスティックの言葉を聞いて、もう一度ソラを見る。

確かに、ひと塊の黒い液体が浮かんでる。多分、いつもソラの腕を覆っていた物と同じ。

でも、その量がやけに少ない。腕を覆うには足りないような……。

 

「【戦闘が始まるときは……】」

 

その言葉で、ソラの手に液体が集まる。腕を覆うんじゃない、手の中に納まる形。やがて、斧の形で固まった。

いつもとは違う武器、何をするか分からない。そう思って、様子を見たのが良くなかった。

ソラは斧で私達を攻撃するんじゃなくて、立っている橋を叩く。

 

「足場を!?」

「【手斧を振り下ろせ、まとめて落とし】」

 

一瞬で広がる罅は、私達の方にだけ伸びて、橋を壊していく。足場失くした私達は、湖に向かって落下する。

 

「きらめきタイム!!!」

「エクレール!?」

 

いち早く動いたのはエクレール。空を飛んで橋の上のソラに攻撃しに行く。

でも、相手は私達と互角に戦って来たソラ。しかも、シャドウの力で強化されてる。

 

「一人じゃ……」

「落ち着いて。追撃されないように先行しただけ。私達も早く戻りましょう」

 

エクレールを心配する私を、アルカナが宥める。

そっか、落下中に攻撃されたら避けられない。それを防ぐために、無理をしてでも上に戻ったんだ。

私達も早く戻らないと!

 

「オープン!プリキットライト!」

 

湖に落ちる前に、プリキットライトで足場を作って橋の上に戻る。

そこでは、素早く飛び回るエクレールの攻撃を凌ぐソラの姿。

その手には、また新しい武器。短剣みたいだけど、刃の部分がやけに細い。剣というより針みたい。

 

「【雷が自信を追うときは、スティレットで迎え撃て、掴めるほど引き付けて】」

 

突進を正面から捉えて、ダガーを突き出すソラ。それを紙一重で躱すエクレール。

明らかにエクレールの動きに対応している。おまけに、カウンター狙いの戦い方相手に、攻め切れていない。

 

「エクレール!」

 

エクレールを呼ぶアルカナ。その周りに、白い光が現れる。

それを見て意味を理解したのか、エクレールは攻撃を止めてソラから離れた。

見覚えがある。アルカナ・シャドウの時にも使っていた技だ。

 

「アルカナスターシャイン」

 

白い光線が放たれた。同時にソラの武器が変わる。

現れたのは西洋剣。最低限柄と刃だけ用意されたような、単純な形のもの。

 

「【秘密の星が光るときは、バスタードソードで落とせ、続く道を見続けて】」

 

その剣で、光線を斬り裂いた。

撃たれたもの全部じゃなくて、自分に当たる分だけを斬る効率的な対処。同時に起きる爆発も、ソラには届いてないみたい。

そして、攻撃を凌いだソラの剣が液体に戻り、その液体が少しだけ膨らんだ。

 

「指令達成、解禁」

「そういえばまだ……!」

 

"解禁"、ソラが強化される合図。

シャドウの力と、いつもと違う武器で忘れていたけど、今回の戦闘ではこれが初めて。

 

「液体の量が増えたって事?」

「なら、作れる武器の種類も増えるかしら」

 

私の言葉に、アルカナが続く。

そういえば、今までは武器の中ではサイズの小さいものばかり。

西洋剣が最低限な形をしていたのも、液体が少なかったから?

 

「来るわよ!」

 

ソラが走って来る。武器は西洋剣。

散開して回避……しようとする直前、背後からエクレールの声。

 

「世界が回ってます~」

 

しまった!今日のエクレールは、るるかさんとの戦闘からさっきのソラとの打ち合いで、きらめきタイムを連続で使ってる。限界はいつ来てもおかしくなかった。

こうなると、私達だけ退避する訳にはいかない!

 

「私達に任せて!ミスティック!」

「うん!」

 

私が大剣を、ミスティックがレイピアを構える。

武器が変わっても、攻め方は変わらないはず……。今まで戦って来た私達ならなんとかなる!

 

「っ!重い……!」

 

ソラの剣を受けると、いつも以上の威力が襲ってくる。まだ一回しか強化されてないはずなのにこの威力。

防御を選んで良かった。打ち合ったら押し負けちゃう……!

 

「ミスティックストライク!」

 

私が攻撃を防いで動きを止めて、ミスティックが突く。ソラと戦うときの基本的な連携。

 

「無駄です」

「そんな……!」

 

いつもなら距離を取って仕切り直すソラが、全く動かずミスティックの攻撃を受ける。

でも、攻撃が通っていない。一度目の強化で増えた液体は、西洋剣に使われる分を引いても半分ほど余っていた。その余っていた液体が盾になって、ミスティック攻撃を受け止めている。

 

一瞬の迷い、それを見逃さずに、ソラはミスティックへ斧を振るう。

 

「わっ!?」

 

ミスティックはその攻撃を何とか回避した。

慌てて間に入る。続く攻撃をはなまるソードで防ぐけど、斧、西洋剣、短剣……リーチや速度、攻撃の重さまで違う攻撃でペースが崩される。

 

「そこです」

「しまっ……!」

 

私が防御に手こずる隙をついて、ソラがはなまるソードを弾き上げた。剣を掴む手は自然と頭の上へ。

隙だらけになった胴体へ、ソラの短剣が迫る。

 

「ミスティックリフレクション!」

 

ギリギリで、ミスティックのバリア現れる。

 

「ミスティック!ありがとう!」

「危ない……間に合って良かった!」

 

そう安心するのも束の間。

ミスティックリフレクションで弾かれた短剣が液体に戻り、ソラの手元で新たな武器を作り出す。

現れたのはハンマー。さっき余っていた分の液体も使われた、今までより大きい武器。

 

「【神秘が道を塞ぐときは、ハンマーで砕け、透ける景色も打ち付けて】」

「きゃあ!」

 

ハンマーは、一発でミスティックリフレクションを砕く。さらに、後ろにいたミスティックまで届いた。

攻撃を受けたミスティックが後ろへ飛んでいく。

でも、それに気をとられて隙を作るわけにはいかない。ハンマーを振り抜いたこの瞬間を突く。

 

「アンサーはなまるソード!」

 

剣を振る。今なら防御に使う液体も無い!

 

「【神秘の裏で、答えが刃を研いだときは、レイピアで突け、刃を這って潜り込み】」

 

ソラの言葉が聞こえる。彼女は、この攻撃すら避けた。

自分の真横にある剣の側面を辿るように、ソラはレイピアを突き出す。

 

「っ!」

 

態勢を崩したわけじゃない。必死に後ろへ飛んで、なんとか当たらずにやり過ごす。

 

「このままじゃ……」

 

でも、状況は劣勢。攻撃を凌ぐだけでも精一杯なのに、ソラにはまだ余裕がある。

 

「大丈夫」

 

後ろから聞こえる、るるかさんの声。

 

「あなた達が時間を稼いでくれたから、エクレールも復帰できた。ここからは4対1」

 

振り向けば、力強く立つアルカナ、少し申し訳なさそうな顔を浮かべているけどしっかり反動から立ち直ったエクレール、ミスティックは……まだダメージは抜けきってなさそうだけど、ちゃんと動けるみたい。

私は、1人じゃない。

 

「無駄だ。シャドウの力に指令の加護……お前たち4人でも止められまい!」

 

デッチ・アゲインが叫ぶ。

 

「あら、4人だけじゃないわよ?」

「おとも妖精の出番でシュ!」

「でばんでばん!」

 

対抗するように、妖精の皆が前へ出る。

 

「必ず上手くいく。占うまでもないわ」

 

マシュタンがアルカナを見つめる。同時に、シャインアルカナロッドの先端が少しだけ光った。

 

「アンサー、ミスティック。2人の技で、ソラの隙を作って」

 

アルカナからの指示。何か考えがあるみたい。

 

「分かった。いくよ、ミスティック!ポチタン!」

「うん!」

「ポチー!!!」

 

ポチタンからマコトジュエルを受け取って、ミラールーペにセット。

ミスティックと一緒に、光を放つ!

 

「プリキュア!フライング・スペクトル!」

 

2つの光は1つになって、鳥の形になって飛んでいく。

 

「【奇跡が飛び立つときは、大剣で裂け、最後まで押さえつけて】!」

 

ソラは、その光を斬ろうとする。でも、大剣とぶつかる私達の鳥は、なかなか切れない。

少しだけ、ソラに余裕が無くなる。

 

「くっ……はあっ!」

 

それでも、フライング・スペクトルは斬り裂かれた。

その場で爆発が起こり、煙が上がる。

 

「そんな!」

「これでも……」

 

まだ、ソラに届かない……。

 

「十分!行きましょう!」

 

「「「マコトジュエル!」」」

 

アルカナが呼びかける。ポチタン、マシュタン、シュシュタンがそれに答えて、マコトジュエルが現れた。ロッドにセットして、順番に私達の名前を呼んでいく。

3つカードのような物が現れる。「オープン!」と言えば、それぞれがシャインアルカナロッドになった。

 

そのタイミングで、ソラが煙の中から顔を出す。

フライング・スペクトルを完全に防げなかったらしい、少しボロボロになっている。

 

「指令達成……解禁!」

 

2回目の強化。再び黒い液体が膨らむ。

でも、何かされる前に倒す!

 

全員で、ロッドを構える。

 

「プリキュア!スターディテクティブ!」

 

紫、ピンク、青、白。4色の光が放たれた。やがて光がより合わさって、ソラに向かって飛んでいく。

 

「【一条に飛ぶ4つの星と対峙するときは……】」

 

ソラはまだ諦めてない。

新たに現れたのは、ソラの身長以上の長さを持つ大鎌。

 

「【鎌で斬り裂け、蛮勇を恐れず向き合って】……」

 

私達の光が、ソラの鎌と衝突する。

けれど、すぐにソラが押し負けて、光りに包まれた。

ソラに宿ったシャドウの力が剥がれて、消滅していく。

 

「「「「キュアット解決!」」」」

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