だから俺は○○じゃねえって!   作:ガウチョ

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感想欄で出ていた皆さんがイメージするこの作品の出久君は、どれもありそうな感じでは迷いますよね。

私も感想欄見ながらわかるわ~と納得しちゃいました。


その力、受け継ぎし者

緑谷出久は戦闘訓練を受けながら代表から拳法を学んだが、実は習得できた技らしい技はなかった。

 

何せ時間は一ヶ月、更に出久は喧嘩とか暴力とかそういった経験が皆無に等しく、それを理解していた代表は、身体で()()()()()を破壊するための方法を身に付けさせる前の基礎の基礎を出久に教え込んだ。

 

拳の握り方に殴り方、蹴る為の足と体の使い方

 

防御の仕方と受け身、避け方や重心の置き方や息の入れ方等々……。

 

オールマイトとの戦闘訓練でそれを反復し続ける日々は、出久の中の身体操作能力を飛躍的に向上させる切っ掛けにはなったが、結局出久が一ヶ月で身に付けられた事は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だけだった。

 

 

「ぬんっ! はっ!」

 

 

鋭い踏み込みからの腰の入った正拳突きはロボットである仮想敵の頭を吹き飛ばし、更に背後からの攻撃を流れるように身体を回して盾でさばきながら、そのまま放った蹴りが背後にいた敵の胴体を捉えた。

 

身体に染み付いた動作は正確で、出久の手足から繰り出される一撃は次々と仮想敵を撃破していく。

 

制限時間は既に半分を切った中、出久は移動しながら破壊した仮想敵の数は十五を越えていたが、どうにもやりづらさを感じていた。

 

 

「大丈夫ですか?……キツいなら演習場の端の方に逃げるとあいつらは追ってこないみたいです」

 

「あ、ありがとう」

 

 

唖然とする受験生をそのままに走る出久。

 

仮想敵は比較的簡単に倒せるが、性分ゆえに倒れてる人を見ると助けてしまうので、思ったよりも仮想敵を倒せていない。

 

 

今ので既に三人目……他の受験生も一対一なら仮想敵を倒せても、いきなりの不意打ちや挟み撃ちでやられる人が散見される。

 

(気配を読む訓練とかしなかったのかな?……でもこのままだと僕もポイントが危ない)

 

走り続ける出久はポイントが稼げそうだが避けていた、激戦区になりそうな中央のエリアに移動を開始すると。

 

 

ボーーーーーーーン!!!

 

 

出久がその大きな音が出た方角に見たのは、演習場のビルに()()()()()超巨大ロボットの姿だった。

 

 

 

 

超巨大ロボットが出てくるちょっと前……

 

 

「あの受験生……並の鍛え方をしてないな」

 

「試験開始からずっと走って戦って、誰かを救ってまた走ってる……それなのに殆ど息も切らさず汗もかいてないなんて」

 

「しかしあの戦闘技術は驚嘆に値する」

 

「盾の使い方が玄人のそれだよ、どんな訓練をしたらああも使いこなせるようになるんだ?」

 

(私が訓練した!……言いたい……ああ、言いたい……)

 

 

モニターを見ている試験官達を他所に、顔をムズムズさせて笑うのを我慢するオールマイト。

 

だが真価が問われるのはここからだ。

 

試験官の一人が押したボタンと共に起動するお邪魔ギミックに、モニター越しには逃げ惑う受験生達。

 

そして暫くしてお邪魔ギミックが起こした亀裂に足を取られた受験生の女の子が映っていた。

 

 

 

 

 

 

緑谷出久は0ポイントと言われた超巨大ロボットのお邪魔ギミックが演習場で暴れているのを見ている。

 

その巨大さゆえに足を下ろすだけで演習場の道路をブッ壊し、周囲の建物を破壊していくそれは、正に圧倒的脅威でしかなかった。

 

暴れまわるお邪魔ギミックの周囲から逃げる受験生達の中、出久は幸か不幸か()()を見つけてしまった。

 

 

「いったぁ…」

 

 

破壊された道路に足を取られて転んでいる女の子。

 

顔には疲労が伺え、今すぐ立ち上がって走ることは難しそうな彼女に手を差し伸べる者はいなかった。

 

圧倒的脅威・倒しても0ポイント・メリットは一切無し

 

出久の判断は即断即決だった。

 

 

(限界一杯……ワン・フォー・オール・フルカウル……1()0()()!!)

 

 

試験中は()()5()()の解放状態を維持していた個性を出久は今出来る限界一杯まで解放する。

 

グンと加速する景色と、みるみる近づくお邪魔ギミック。

 

そして女の子の上にお邪魔ギミックが足を上げたのが見えた時、出久は左腕の個性の解放を強め、少しずつ身体に慣らしていく。

 

(ワン・フォー・オール・チャージインパクト……4()0()()!)

 

0から100ではなく、1から徐々に解放して力を溜めていき、ワンアクションだけ身体に負担なく出せる常時解放の限界以上の一撃……それがワン・フォー・オール・チャージインパクトである。

 

女の子の前に飛び込んだ出久は、お邪魔ギミックの足を力を溜めた盾を着けた左手で弾き返した。

 

 

 

バギャアアァァァァン!!!

 

 

「えっ?」

 

 

 

そのあまりの衝撃に足がひしゃげてふらつくお邪魔ギミック。

 

それを見て固まる彼女

 

 

「いくぞ!」

 

 

更に溜めてた両足を踏み込みに使い、お邪魔ギミックの顔面?まで出久は高速で飛び上がった。

 

左手と両足の溜めは無くなり、残るは右手だけ……

 

(僕の限界……その一歩先を)

 

限界を越える力、鍛えつづけた筋肉が限界を超えた反動を完璧に押さえつけるために急激にパンプアップし、ワイシャツが弾け飛んだ。

 

 

「50%……スマアアァァァァァァァッシュ!!!」

 

 

それは如何なる状況をも変えうる、あのヒーローの一撃のようだった……

 

 

 

 

「すげえ……何だよあの一撃」

 

「殴った音がここまで聞こえてきたぞ」

 

「増強系だろ?……それでも異常だよあの強化率は」

 

「まるでオールマイトみたいだったな……」

 

「っていうか何で上半身裸なんだ?」

 

 

プレゼントマイクの終了の掛け声を聞いた出久は十数メートルの空中から軽々と着地すると顔を青ざめた。

 

 

「ワイシャツが破けちゃった……これ結構高いんだろうけど代表は許してくれるかなぁ……」

 

 

身体に僅かに付着したワイシャツの残骸を見てため息を吐く出久。

 

 

「あの……」

 

「ん?」

 

 

そして後ろからかけられた声に気がついて振り替えると、此方を見てモジモジしているさっき助けた女の子がいた。

 

 

「あの……さっきはありがとうございました!」

 

「は、はい……」

 

 

頭を下げた彼女は額に汗をかき顔を真っ赤にしながらそれじゃあ!と、そそくさとこの場を離れていく。

 

キュン!

 

(女子と喋っちゃった……)

 

確かに形はどうあれ女子としゃべった出久。

 

だがふと気がつく。

 

弾けとんだワイシャツ。

 

見ればわかる上半身裸のマッチョ。

 

 

 

 

 

……………

 

 

 

 

(う、うわ~~~~~!!!)

 

 

 

 

 

その後の出久は上半身裸状態から上にジャケットとコートで身体を隠しながら、こそこそと帰ることになったのだった。




ワン・フォー・オール・チャージインパクト

この作品のオリジナル技、所謂溜め攻撃である。

実は50%のスマッシュだったが威力は原作位かそれ以上あったりする。

理由は出久君が身体を鍛え上げたおかげで基礎出力が大幅に上がった為で、反動を筋肉で押さえ込んだので腕が犠牲にならずにワイシャツが犠牲になった。
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