だから俺は○○じゃねえって!   作:ガウチョ

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ストックはないです。


原作修正力にあまり抗えない

「始めまして、我々は(ヴィラン)連合(れんごう)……僭越ながら……この度ヒーローの巣窟である雄英高校に入らせて頂いたのは」

 

 

そう言ってその黒い霧の様な異形の人物はオールマイトを見ると。

 

 

「一線を退いたとはいえ、平和の象徴であるオールマイトに息絶えて頂きたいと思ってのことでして」

 

 

その一言に1−Aの生徒は動揺する。しかし

 

 

「ほう、()()が喋るとは……随分とキナ臭い組織のようですね」

 

 

生徒達には分からなかったが、敵の()()に成功した代表の言葉に更に驚愕する生徒達。

 

 

「死体って……そんな事ができるのかい?」

 

 

オールマイトの言葉に代表は

 

 

「出来るというより、()()()()()()んでしょうね。あの黒い霧の様な彼はレアケースのようだ。なんせもう一体の死体はとても喋りそうに思えませんから」

 

 

代表は脳みそが見えている異形のヴィランを指差した。

 

 

「少なくとも二体の死体……体内の個性因子が()()()()形跡がある……バックにいる誰かの心当たりは?」

 

 

続いた代表の言葉にオールマイトの顔が歪んだ。

 

 

()か……」

 

「しかも死体の利用の仕方を見るに、医療関係でも相当の大物が協力してる可能性がありますね……ああいうのは()を熟さないと出来ない類のものだ」

 

「……死体を弄ぶなんて尋常な精神ではないな」

 

「医者とか科学者なんてそんなもんです。私だって()()()()実験は何度も立ち会った事がある……人間のデータを得るためには人間を素材として使わなければ」

 

「……あんまり子供達には聞かせたくない話だね」

 

 

オールマイトの言葉に代表は苦笑する。

 

 

「ま、こういうのは知らなくていい嫌な真実ですから……相澤先生、準備は?」

 

「終わってます」

 

 

相澤先生は首に巻いていた布をほどくと、その中に隠していたゴーグルをかけ、更にオープンフィンガーグローブを付けていた。

 

 

「13号! 生徒たちを守ってくれ! 俺は頭数を減らす!」

 

「相澤先生一人で戦うんですか!」

 

 

デクの言葉に

 

 

「勿論一人じゃないさ……それじゃあお願いします!!」

 

「ああ、任せてくれ」

 

 

代表の一言と共に生徒達の側にまるで最初からそこにいたかのようにモダンスタイルの帽子とスーツを来た男性が立っていた。

 

 

「う、うわ! だ、誰だこの人!」

 

「なに、通りすがりのサラリーマンさ」

 

 

驚く切島にそう答えた男性は一足飛びで先行した相澤先生の側まで飛んでいく。

 

 

「彼は私の護衛の一人で(ウインド)というコードーネームを持った人物です……ま、相澤先生の師匠筋の一人ですね」

 

 

目線はゴーグルで見えないが明らかにウインドを見てビクッとなった相澤先生だが、そのまま何事もなかったかのように共闘してヴィラン達を蹴散らしていく。

 

相澤先生は原作通りの徒手空拳だが明らかにその動きは原作より速く、一撃は重い。

 

 

「個性を消すだけじゃないのかよこいつ!」

 

 

喚く異形タイプのヴィランに布をムチの様にしならせながら叩きつけ、力強い踏み込みからの拳撃は大人一人を容易く吹き飛ばした。

 

 

「戦い方が上手くなったな相澤くん」

 

「……恐縮です」

 

 

気配なく相手に近づいて肩や股関節の骨を外したり顎に正確に打撃を打ち込んで意識を絶っていくウインドに相澤先生は殊更畏まった感じで返事した。

 

 

「妻や涼が寂しがっていたよ……最近顔を出してくれないから元気なのかどうか君の活躍を聞くだけだったからね」

 

「……キャンプがない時に伺います」

 

「つれないなあ」

 

 

瞬く間に蹴散らしていく二人に敵連合も浮足立つ。

 

 

「まさか個性を消す個性を使われる以前に肉弾戦で圧倒されるとは思いませんでしたよ」

 

「……嫌だなプロヒーロー……()()()()じゃ歯が立たないし、あの帽子を被ったおっさんも普通の強さじゃないし……どうする黒霧?」

 

 

黒い異形のヴィランの黒霧は体中に手?を付けた男に顔を向けると

 

 

「余裕を出している場合ではないですね、各個撃破で()()()()()()()()()()

 

 

その瞬間黒霧は瞬きのような短い時間で生徒達の側に現れ、このUSJの各アトラクションに飛ばそうとするが。

 

 

「そんな察知してくださいと云わんばかりの動き、見逃すかよ!」

 

 

化け物じみた反射神経で爆豪が空気砲を黒霧に連射して散開を阻止し、原作より半分以上の生徒の強制転移を阻んだ。

 

しかしそれでも運命力が働いたのか、デクと峰田と蛙吹……そして轟と代表が黒霧の移動に巻き込まれてしまう。

 

 

「うわ、護衛対象をまんまと拐われたな……おっさん」

 

 

体中に手を付けたヴィランの煽りにウインドは涼しい顔で。

 

 

「じゃれついてきた子供に本気になる大人はいないだろう? あの人にとってこれは日常のほんの小さなハプニングに過ぎない……それに」

 

 

手首を捻っただけで木っ端ヴィランの肘と肩の関節を外したウインドはあらかた無力化されつつある敵連合を見回しながら。

 

 

()()()()()()だと何故思うんだい?」

 

「は?」

 

「まさか更に護衛が?……確かに一人だけ送った感覚がありましたが……これは本格的にオールマイト殺害が難しいかもしれませんよ死柄木弔」

 

 

黒霧の言葉に死柄木弔と言われた男は軽く顔をかくと。

 

 

「……生徒ってわかりやすい肉壁もいるのに利用できないとかクソゲーすぎるなぁ……でもまあこちらも()()()()()()が切り札も揃えてるんだ、ゲームを続けようか」

 

 

対して黒霧のワープから逃れた生徒も13号とオールマイトの周りに集まって作戦を練っていた。

 

 

「皆はいるか!! 確認できるか!?」

 

 

飯田の叫びに障子目蔵が自身の個性を使って索敵する。

 

 

「散り散りになっているが、この施設内にいる」

 

「居ないのはデクに峰田に蛙吹と轟だけみたいだ」

 

 

障子の説明に瀬呂が補足すると爆豪が舌打ちした。

 

 

「ついでに代表も拐われたみたいだな……まあ心配するだけ無駄か」

 

「一応君はお世話になった人だろう!?」

 

 

飯田の言葉に爆豪が鼻で笑い

 

 

「ハッキリ言ってあいつは無個性だが、荒事やらしたらオールマイト位じゃないとどうにか出来ると思えねえよ……それよりあのクソ霧野郎が厄介だな」

 

「確かに物理攻撃無効にワープって最悪の個性だぜ、おい!」

 

 

瀬呂の同意を聞いていた13号はオールマイトを見ると

 

 

「どうしますかオールマイト……私としては外の応援を呼んだほうがいいと思いますが」

 

「向こうはこちらを確実に殺るために数々の妨害を行ってここに来ている、下手に動けば誰かをあのヴィランにワープさせられてしまうな……ならばやることは一つ! 協力プレイで打開する!」

 

 

オールマイトが力強く言うと生徒の皆の緊張感が上がった。

 

 

「13号はディフェンス面で指揮をして生徒を守ってくれ! そして爆豪少年は()()()()()を起動してオフェンス面で指揮を取るんだ。出来るかな?」

 

「ふん……完璧にこなしてみせるぜオールマイト」

 

「じゃあオールマイトはどうするんですか?」

 

 

お茶子の質問にオールマイトはニコリと笑うと。

 

 

「私は遊撃かな……こういう時の為の()()()()()を準備していてね……ほら来た」

 

 

そう言ってオールマイトが天井を見た時、天井を破壊しながらオールマイトの側に何かが飛来してくるのだった。




人物紹介

ウインド

通りすがりのサラリーマン……ではなくBig Dipper警備部門の一人

原作のARMSというサイボークとか超能力とかナノマシン兵器とか出て来る世界で生身なのに最強クラスの人物で、主人公の父親である。

このヒロアカ世界でも世に出ない有名な無個性の傭兵だったが、同じ傭兵で無個性の妻の産んだ息子がかなり危険な異形系の個性を持っている事が分かり、自分の伝を使って代表に接触してその息子の個性を何とかしてもらった恩義で代表の会社に働く事になった。

無個性ながら超人じみた戦闘力を誇り、妻と一緒に傭兵の世界では“ヤバい夫婦”として有名だったが、今はBig Dipperの警備部門で代表の護衛をする一人として活動している。

因みに相澤先生はこの夫婦にキャンプと評した山での訓練に参加して地獄を数回見ている。
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