URAブラックリスト、幼女に手を出す   作:知らない後輩

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八月ももう終わりですね〜。
新学期を迎える学生さんもそうじゃ無い読者さんも私の事を忘れて居ると思いましたのでちょっと蔵出しします。


Lesson7 ダンスダンス!

 

夏らしくトレーナーと担当ウマ娘で水いらずで海に行って、結局海で溺れて帰ってからそう時間が経っていない時である。

 

今は台風シーズンが終盤に差し掛かり、強力なな雨がひっきりなしに降り注ぐ毎日だ。

お陰で客はより一層来ねぇし、プチ老人会もここ最近開かれ無くなった。

 

その為、俺も強制的に祭理ちゃんとのトレーニングが出来なくなっている...と言いたい所だが、実際良バ場に毎日彼女は入り浸っている。

 

台風による休校があった日、どんな強風が吹いたとしても、鋭い雨が降ったとしても彼女はこの店に来てくれた。

いや、生徒の命を考えて学校は休みにしているんだがなぁ。教育委員会は泣いても良いと思う。

 

そんなこんなで前、俺は不思議に思ってそんなに家にいる事が嫌いなのかと聞くと、本人は体を動かしたくなるなどと供述して来た。恐るべし、ウマ娘。

 

そんな、良バ場に帰省本能でも備わってしまったらしい彼女は今日もその例に倣って店に来てしまったのだ。

 

「なぁ、祭理ちゃん」

「なぁに、トレーナーさん?」

「毎日トレーニングに来てくれるのは嬉しいんだけど、流石に台風の日は危なく無いか?」

「えー。だって毎日家に居るなんてつまらないしー、それにウマ娘の体は頑丈何だからどうにかなるよ」

「いや、そういう事じゃないんだよなぁ」

 

子供は風の子と聞くが強風に飛ばされるし、風邪にだってかかる。

伝承や童話にはそう書かれているが実際はそうじゃ無い。

だから多少人間より強いウマ娘でも生き物のカテゴリにいる限り天災には負けてしまう。

もしも、ハリケーンやタイフーンに勝ちたいならイェー○ーにでも乗らないと無理だ。

 

それに、贔屓にしてる客の健康を思うのは人間として、物売りとしての信条だ。

今回の件はトレーナーとしても見て見ぬフリ出来ない事だし後で言い聞かせるとしよう。

分かってくれれば良いのだが。

 

 

 

「ねぇ、トレーナーさん。ウイニングライブの練習って出来ない?」

唐突に、祭理ちゃんがこんな事を言い出した。

 

ウイニングライブ。プロレースに参加したウマ娘がレース後に歌って踊るヤツだ。

特に、重賞上位や偉業を達成したウマ娘は中央で踊る事ができ、プロを目指す子は誰もが一位が立てるセンターを夢見ている。

 

「ウイニングライブねぇ...」

アマチュアレースにおいて、ウイニングライブというものを行うレースは数少ない。

アマチュア業界で見かけるのは優勝トロフィーの授与を模したメダル授与くらいなものだ。

その為、アマチュアカップにはウイニングライブとの縁が薄いと言っても過言では無い。

 

「それって、今で無くても良いんじゃ無いかな?」

「だけど、走る以外でウマ娘に必要なのってライブ練習くらいしか無いよ?」

「まぁ、そうなんだけどアマチュアレースにはウイニングライブは無いし、する必要も無いよ」

「むー。やろうよー練習、祭理も踊ってかがやきた〜い」

 

そこまで言うのだったらやっても良いかな。

特に強制すること無いし、外出れないし。

「へいへい、分かったよ。やろうかライブ練習」

「やったぁ!」

「やるからには、この『全国うまぴょい選手権』チャンピオンの俺がビシバシ鍛えてあげよう」

「おぉー」

 

その昔、一般ファン達でウイニングライブのダンスの上手さを競うという公式ダンス大会で上位プロダンサー集団を退け『キング・オブ・うまぴょい』の称号を手に入れた力、此処で魅せてあげよう。

 

「で、選曲は?」

「『Special Record!』やりたい!」

 

『Special Record!』確かジャパンCや大阪杯とかのレースに出ると歌える曲だったよな。

あの曲はセンターが四人とかって言う変則的な曲だし、基本的な振り付けを教えよう。

「よし、始めようか」

「うん!」

 

 

 

『ここで今輝きたい』

「じゃあ、まずは片足に重心を置くように立って」

「手の甲が自分にに見える様に腕をクロス。その時肘は空を向く」

「そしたら、ゆっくり大きな円を作りながらゆっくり腕を下ろす」

 

『叶えたい未来へ走り出そう 夢は続いてく』

「片腕を小指だけ立てた状態で腕を軽く曲げて前に出し、その後にもう片方の腕も同じ状態で出す」

「両小指同士をくっ付けたら一気に両手を親指以外をくっ付けた手にし両腕を前に突き出す」

「そして、両手を包む様に合わせたら、片手を胸にもう一方は人を指す形にして、斜め上の空を指す」

「空を指している腕の肘を半時計回り回転させてもう一度空を指して、段々ともっと上空を指す」

 

間奏

「肘を曲げた両腕を前に出し、肘を外に向ける様に90°回転させ、それと同時に右脚を曲げる」

「足を曲げ終わったら足を戻して小ジャンプ。そのまま小さく体を大の字にして、左腕を上半身を回転させた反動で前に出す」

「体を戻しながら小ジャンプ。着地と同時に両手をグーの形にして腰に当てる」

「そしたら中心に向かって四人で駆け出して、順番にポーズ」

「終わったら両腕をTの字にしてまた、グーの手を腰に当てる」

「その後、ステップを踏みながら四人で半時計回りに回る」

「回り終わったら、自分のポジションに戻って左脚を軸に一回転。また小さく大の字」

 

『ライバルがいるほど頑張れるよ』

「上半身を隣のダンサーに向け、うなづく様に体を深く沈める」

「戻したら両腕で大きな丸を作る」

「作ったら、前かがみ気味に肘を曲げた両腕を出し、体制を戻して隣のダンサーへ片手で指を指す」

「そしたら、グーの手を腰に当てる」

 

「...どうだった?」

結局一つ一つの動作を確認しながらのダンスレッスンをしてしまった。二人で実際にやりながら基本動作を教えたので結構疲れた。

 

「はぁ...はぁ...振り付けムズいし、結構疲れるね。ダンスって」

そうだろう、ダンスという物は全身を使ってキビキビと決まった動きを再現する事。一瞬で全てを出し切る陸上競技とはまるで違う。

 

「ねぇ、こんな事を毎回プロの人はやってるの?」

「まぁ、そうだね。あの子達が人間とは違う事を改めて実感したよ」

毎回、何キロも軽々と走った後に結構ハードなダンスを歌いながら踊り切るって常人は出来ないんだよなぁ、プロってすげぇや。

 

「みんなすごいなぁ、ならわたしももっと練習しなくちゃ!」

「ああ、俺も祭理ちゃんのライブ姿楽しみにしてるよ。頑張って」

再び満身創痍の彼女に火がつく。表情はなんとも楽しそうだ。

 

「よーし、トレーナーさん!もう一回、いやもっともっと踊ろう!」

「え?俺は振り付けを教えるだけであって、通して踊るのはちょっと...」

「そんなすごまないで、ほら行くよ!次は歌いながら」

「いや本当に待ってって、聞いてる?祭理ちゃん!」

『「ここで今輝きたい〜♪」』

 

嵐に呑まれた街に少女の歌声が響いた。

その声は残念なことに風切りや雨音で掻き消されてしまったが、確かに俺の心にはちゃんそのトキメキが届いていた。

 

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