ソードアート・オンライン ~剣の世界で弾を放て~   作:レゾナ

16 / 23
第2話 代表候補生との決闘

入学一日目の授業が全て滞りなく終わった。

 

といっても、蓮司にとっては後は帰るだけなので適当に話を聞いている。

 

琴音や紫苑は何か重要な連絡事項があればちゃんと聞くようにしている。

 

そして殆どの連絡事項を伝えた後、織斑先生は蓮司と一夏を指名する。

 

「それと。織斑、園田。お前たちには学園から専用機が用意される。現在倉持技研が急ピッチで作っているらしいから詳しい事は後で話す、いいな?」

 

「え?」

 

一夏はわけがわからないといった感じで頭の上に?マークが見える。

 

しかし、蓮司は

 

「いりません」

 

そう言って、帰宅の準備をする。

 

「ここでは私が法だ。勝手に帰る事は許さんぞ?それと専用機の事は既に決定事項だ」

 

「決定事項だとしても、俺は受け取りません。邪魔にしかなりませんので。それと政府に言っといてください。「俺はあんたらの思う通りにはならない」って」

 

「そうは言ってもお前に拒否する権利はないぞ?」

 

「でしたら、学園にある量産機である「打鉄」か「ラファール・リヴァイブ」を使いますよ。モルモットなんて、俺はごめんですからね」

 

それっきり蓮司は話を聞こうとはしなかった。

 

ちなみに、一夏は未だ話についていけないでいた。

 

 

 

その日の放課後

 

「ああ!良かった……まだ此所に居ましたか……」

 

副担任である山田先生が肩で息をしながら教室に入って、蓮司の所にやってくる。

 

「なんですか?山田先生。俺はこれから帰ろうと思うんですけど……」

 

「はい、それでなのですが……園田君には今日からIS学園の寮に入ってもらいます」

 

「?寮、ですか……?しかし、政府からは何も聞かされてはいませんが……」

 

「ああ、すいません。それに関しては今日急遽決まったのです」

 

今日急遽決まった……つまりは、政府も自分を拘束しようとしているのだろう、と蓮司は思う。

 

まあ、目の前の先生はそんなのわからないと思うが……。

 

「あれ?しかし、荷物は……」

 

「ああ、先ほどご両親から荷物が届きました。部屋に入れておいてもらったので。はい、こちらが部屋の番号になります」

 

そう言って山田先生は蓮司にカードを渡す。おそらく、カードキーなのだろう。

 

そこには1029号室と書いてある。

 

「1人部屋ですか?」

 

「いえ、同居人がいらっしゃいますけど……」

 

蓮司ははぁ…とため息をつく。これでは調整が出来ないからである。

 

「それでは、部屋にご案内しますね」

 

そうして蓮司は山田先生に連れられて自身の部屋へと向かう。

 

「ここが園田君の部屋ですので」

 

部屋の番号の所にはちゃんと1029と書いてある。

 

「それでは。きちんと休んでくださいね」

 

そう言って山田先生は立ち去る。

 

「はぁ……バハムートの調整とか、しないといけないのに……」

 

蓮司はそう呟いて、ドアをノックする。

 

『はーい!』

 

女性の声が聞こえてきた。おそらくは同居人なのだろう。

 

「同じルームメイトになった者だけど……」

 

「んー。開けてもいいよー?」

 

許可を貰って蓮司はドアを開ける。

 

「失礼する……」

 

蓮司はそう気落ちしながら部屋の中に入る。

 

蓮司が部屋に入ると、そこには袖丈が以上に長い制服を着た、どこかのほほんとした雰囲気をもつ女子生徒がいた。

 

「わー!レンレンが同居人なんだー」

 

「れ、レンレン……?」

 

どこかパンダの名前のようなあだ名で呼ばれて少し困惑する蓮司。

 

「うん、園田蓮司でしょ?レンだから、レンレン~」

 

そう説明する女子生徒。

 

「えっと、知ってるようだが改めて。同じルームメイトになった園田蓮司だ」

 

そう自己紹介をする蓮司。

 

「私は布仏本音だよ~。よろしくね~」

 

その女子生徒、本音も自分の名を名乗る。

 

「ああ、よろしくな、布仏」

 

挨拶を済ませる2人。

 

 

 

蓮司は荷物の整理をしていると

 

「ねぇ~レンレン~?」

 

布仏がのほほんとした声で蓮司のあだ名を呼ぶ。

 

「何だ?」

 

「レンレンって、何で剣を持ってるの~?」

 

至極当然な疑問をぶつける布仏。

 

「ああ、これは護身用ってのもあるんだが……まあ、それ以上に思い出深いから、かな……」

 

「そうなんだ~」

 

「……詳しく聞かないのか?」

 

「うぅ~ん?だって詳しく聞いてほしくなさそうだし~。だったら聞かないよ~」

 

そうのほほんと答える布仏。

 

蓮司はあんな事があったのに、紫苑達以外でこんな風に普通に接してくれる人がいるとは思っていなかった。

 

「ありがとうな、布仏」

 

「いいよ~」

 

あくまで本人はのほほんと答える。

 

それが布仏という人間を形作っているのだろう。

 

「すまんな。今日は精神的にも疲れていてな。悪いが、決めごとなんかは明日でもいいか?」

 

「うん、いいよ~。私はそんなに気にしないし~」

 

いや、気にしろ……と心の中でツッコミを入れる蓮司。

 

そして寝間着に着替えてベッドに潜り込む蓮司。一気にその意識は落ちていった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???SIDE

 

「ふぅん……この子がいっくんと一緒にIS学園に入学した子か~……うん?あれ……?」

 

そこはある場所にある秘密な研究所……そこでモニターに向かう女性はある男性のデータを見る。

 

「あれ?どっかでこの子……」

 

どうやら彼女はどこかでその青年を見たことがあるようだ。

 

「……えぇと……それに、どっかでこの剣の形状、見たんだよねぇ……どこだったかなぁ?」

 

彼女はそう言いながら膨大なデータの中から該当するデータを出そうとする。

 

そして……一件だけ、ヒットした。

 

「ヒットしたけど……メール?」

 

そう、ヒットしたデータはメールだった。

 

彼女はそのデータを閲覧する。

 

「……あぁ!そっか!あの子なんだ!へぇ~完成させてたんだ~ビックリだよ!」

 

彼女はどこか嬉しそうにはしゃぐ。

 

「いや~だったら謝りたいし、褒めてもあげたいな~」

 

「いつか、会いにいこうかな?」

 

そう言って彼女……篠之乃束はほくそ笑む。

 

メールの中身は……見たこともないISのようなナニカのデータ。そして最後にはこんな文面があった。

 

-これを見てどこか改良するべき点があればどうかお返事ください。園田蓮司より-

 

SIDE OUT

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからというもの、蓮司は何もしてこなかった。

 

そう、今日はクラス代表候補決定戦。蓮司はこの日まで何もすることなく過ごしてきたのだ。

 

そして今は今日届いたIS「白式」を纏った一夏とセシリアの戦いが行われていた。

 

丁度、一夏は一次移行(ファースト・シフト)した所だ。

 

「俺は世界で最高の姉さんを持ったよ」

 

一夏は感慨深く呟く。

 

「俺も、俺の家族を守る」

 

「……は? あなた、何を言って………」

 

一夏の言葉は独り言だが、セシリアは何のことかと声を漏らす。

 

「とりあえずは、千冬姉の名前を守るさ!」

 

一夏は心の中で決意を固める。

 

しかしそれを聞いて蓮司は

 

「覚悟もないような奴が何を言っているんだか……」

 

そう、彼は舞い上がっているだけ。ISという力を手に入れて。

 

力を手に入れるだけなら誰にだって出来る。赤ん坊に銃を持たせればそれだけで十分脅威となる。

 

それと一夏はまるで同じなのである。

 

「だからさっきから何の話を……ああもう、面倒ですわ!」

 

弾頭を再装填したビットが2機、セシリアの命令で一夏に向かって飛んでいく。

 

多角直線起動で、しかも射撃型よりも速い。

 

しかし、今の一夏には見えていた。

 

一閃。

 

ビットが両断され、一夏の後方で爆発する。

 

その爆発の衝撃が届くより速く、一夏はセシリアへと突撃した。

 

「おおおおっ!」

 

セシリアの懐に飛び込み、下段から上段への逆袈裟払いを放つ。

 

確実に捉えた一撃。

 

が、その刀身がセシリアの機体に当たる直前に、試合終了のブザーが鳴り響いた。

 

 

 

『試合終了。勝者―――セシリア・オルコット』

 

 

 

「………あれ?」

 

一夏は、呆然とする。

 

セシリアもぽかんと口を開けて固まっていた。

 

蓮司は呆れているが……。

 

そして次は蓮司の試合である。

 

「園田!オルコットのエネルギーの補給が終わった。すぐに準備しろ」

 

「はい」

 

そう言って専用のスーツに着替えていた蓮司はそのままアリーナに向かう。

 

「待て、お前の専用機は」

 

「だから。必要ないと言ったでしょう」

 

蓮司はそう言って無視し、赤色の剣を持ってからアリーナに降りる。

 

「…………園田さん………もうあなたを男だからと言って、侮ったりはしません………一夏さんに教えられました………最初から全力で行きますわ!」

 

どうやらセシリアは一夏にやられて男子は甘くは見てこないようになったらしい。

 

しかし、蓮司にはそんなのどうでもいい事だ。

 

蓮司はそう思い、剣を引き抜く。

 

自身の剣ーーー「装甲機竜(ドラグライド)」の中でも群を抜いて強力な「神装機竜」を……。

 

「───目覚めろ、開闢の祖。一個にて神々の軍を為す王竜『ティアマト』」

 

そう、蓮司が呟いた瞬間、蓮司の後ろに光が収束していき……それは巨大な形を成していく。

 

それは、赤だった。全体的に赤い機体だった。

 

接続(コネクト)開始(オン)

 

中央の空いている部分に乗り込み、剣──《機攻殻剣(ソード・デバイス)》を差し込む。

 

「な、なんですか、それは……それがあなたのISなのですか?」

 

「ISじゃない……装甲機竜(ドラグライド)だ」

 

赤い装甲を纏った蓮司は右手には剣《機竜牙剣(ブレード)》を。左手には銃《機竜息銃(ブレスガン)》を展開する。

 

「さあ……決闘の開始だ……!」

 

管制室SIDE

 

「あれが園田君のISですか……大きいですね……」

 

「ああ、しかし大きすぎるな……あれはさしずめ固定砲台といった所か?」

 

管制室ではそのような会話がされている。

 

山田先生と織斑先生だ。

 

「あ、開始されましたね……えっ!?」

 

そして状況を確認していた山田先生が驚愕する。

 

「どうかされましたか、山田先生?」

 

「どうしたもこうしたも……園田君の纏っているIS、シールドエネルギーがありません!」

 

「何だとっ!?」

 

シールドエネルギーがないという事は絶対防御もないという事である。

 

つまりは……欠陥機?

 

「園田!試合は中止だ!お前の纏っているISにシールドエネルギーは存在していない!」

 

SIDE OUT

 

『園田!試合は中止だ!お前の纏っているISにシールドエネルギーは存在していない!』

 

「なっ!?」

 

セシリアはそれを聞いて驚愕する。

 

つまりは……自分が彼の体に目がけてスターライトを放てばそれだけで彼の体は熱で溶けてしまうからである。

 

しかし……それでもなお、蓮司は攻撃を止めない。

 

「ふっ!」

 

「あなた!わかっていますの!?この試合は中止!あなたのISにはシールドエネルギーが存在していないのですわよ!?」

 

「それがどうした?」

 

蓮司はそう言い返して、セシリアの銃を斬る。

 

無残にも真っ二つになった銃をセシリアは捨てる。

 

「どうしたって……死ぬのが怖くないんですの!?」

 

「決闘とは本来そういうものだ。どちらかが死ぬまで終わらない。それに……心配しているのなら、その心配は不要だ。なぜなら……俺は負けない、からだ」

 

そう言って左手に持っていた銃を消して、右手に持っていた剣を左手に持ち替える。

 

そして、蓮司の右手には新たな武器が現れた。

 

それは巨大な砲台のようだった。銃口の部分には七つ穴が空いている。

 

「セシリア・オルコット。先ほどの試合で円舞曲(ワルツ)がどうのと言っていたよな?ならば……踊りは得意だろう?」

 

そして七つの砲口に光が収束していく。

 

それだけでセシリアはわかってしまう。あれを喰らったら一撃で戦闘不能になる、と……。

 

「踊ってみせろ!七つの竜頭(セブンズ・ヘッズ)!」

 

そう蓮司が叫んだ瞬間……溜め込まれていたエネルギーが一気に解き放たれ、セシリアに向かっていく。

 

(これを避けて彼を止めなければ!)

 

幸いにもこの砲撃は直線的だ。避けるのは簡単……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、誰もが思っていた。

 

「っ!!?」

 

直後、セシリアは横腹をハンマーで力強く叩かれたような衝撃に襲われる。

 

そして飛ばされたセシリアの場所には……先ほどの七つの竜頭(セブンズ・ヘッズ)から放たれた七つの銃弾が。

 

「しまっ!?」

 

気づいた時にはすべてが遅かった。

 

ドッカァァァァァァァァン!!!!!

 

『試合終了。勝者ーーーーー園田蓮司』

 

こうして、蓮司はIS戦で初勝利を飾った。

 

 

 

「園田、なぜ命令を聞かなかった?」

 

「負ける気がしなかった。ただ、それだけです」

 

「それだけで済むと思っているのか!これはIS学園だけの問題ではない!世界に関わる問題になるかもしれないんだぞ!!」

 

織斑先生は蓮司にそう言うが当の本人が聞く耳を持っていない。

 

「それと。お前のISだが少しだけ預からせてもらう。あの剣がああだったという事はお前の持っている他の剣も同じなのだろう?」

 

「確かにそうですが、俺は渡す気はありません」

 

「しかしお前もこの学園のクラスの一生徒だ。生徒である以上先生の言うことには従ってもらう」

 

「いやです。どうしてもって言うなら園田コーポレーションの社長である父と交渉してください」

 

「何……?」

 

織斑先生は一瞬驚く。

 

園田コーポレーションは日本を代表する会社であり、ISにも手を出し始めた会社である。そしてその社長である園田総司は社員の事を第一に考え、女尊男卑の中でも変わらずに社長を続けており、社員からも絶大の支持を得ている社長である。

 

「それに何か勘違いしていませんか?俺のこれはISじゃありません。装甲機竜(ドラグライド)です」

 

そう言って蓮司はピットから自身の部屋に戻っていった。

 

 

 

束SIDE

 

「あっはっは!あの金髪、あんなのであの子に勝とうとした訳~!?無理に決まってるじゃん!」

 

私は試合の映像をハッキングして手に入れており、それを見ての感想が今のである。

 

「それに蓮司君が使ったのは神装機竜《ティアマト》。並大抵のISじゃ、勝つ事はおろか、引き分けにも持ち込めないよ。それにあのデータが本当なら蓮司君にはまだ切り札があるんだし」

 

そう、あのデータが本当なら……蓮司君はまだ切り札を使っていないし、最強の機竜を使ってない。

 

「まあ、あんなかませ犬みたいな奴に使うのももったいないよね。なんせ……重力下であるならばその重力を自在に操れるんだし」

 

私の見ているデータには名前を天声(スプレッシャー)と名づけられていた。

 

その能力は……自らを含む指定した範囲及び対象の重力を操作する能力だ。

 

「ま、そんなのも序の口。蓮司君にはまだ、あれがあるもんね~」

 

そう言って私は違うデータを表示する。

 

そこには、こう書かれてあった。

 

試験第一号機・神装機竜《バハムート》……能力名:暴食(リロード・オン・ファイア)…説明・現象やエネルギーを圧縮し、その後強化して発動させる。




と、まあ。こんな感じです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。