ソードアート・オンライン ~剣の世界で弾を放て~   作:レゾナ

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第4話 ある人物達との出会い

代表決定戦から数日……蓮司の姿は整備室にあった。

 

神装機竜のメンテナンスはデリケートである。

 

一歩間違えてしまえば次の戦闘に支障をきたすかもしれないからである。

 

しかし神装機竜のメンテナンスは普通の機械の数十倍精密に行わなければいけない。

 

それは装甲機竜(ドラグライド)には暴走してしまう可能性があるのである。

 

暴走を行ってしまえば使用者の命にも関わる。神装機竜に至っては並の装甲機竜(ドラグライド)より強力な半面、暴走するに至るまでの時間が短い。

 

それがメンテナンスを怠ればさらに短くなってしまう為、こうやって定期的にチェックをしなければいけないのである。

 

そして整備室に蓮司が入ると……そこには大きく場所を取っている一機のISがあった。

 

それは日本で主流となっているIS『打鉄』に似ているが打鉄よりは機動性に特化しているISだろう。

 

そのISと向かい合うように一人の女子生徒が端末を操作している。

 

「違う……このままじゃダメ……このままじゃ……」

 

生徒はそう呟きながらしきりに端末を動かす。

 

「何をしているんだ?」

 

「っ!?」

 

女子生徒は蓮司が来ていた事に気づかなかったのかぎょっとする。

 

そして蓮司の方に振り向く。

 

生徒は蓮司を見て驚いた顔をする。

 

それもそうだろう。世界に二人しかいない男性IS操縦者の一人が目の前にいるから。

 

そして蓮司も生徒の顔を見て訝しげな顔をする。

 

(あれ……?どっかで見たな、この子……)

 

蓮司はそう思いながら生徒の前を通り過ぎ、空いているスペースに向かい、漆黒の機攻殻剣(ソードデバイス)を引き抜き、詠唱を開始する。

 

「────顕現せよ、神々を喰らいし暴竜。黒雲の天を断て。《バハムート》」

 

そう蓮司が呟くと、蓮司の後ろに光が収束していき形を成していく。

 

そして現れたのは…………一言で表すならば、黒。

 

龍を模したような形のこの装甲機竜(ドラグライド)はバハムート。蓮司が持っている装甲機竜(ドラグライド)の中でも一二を争う程の強力な力を持っている装甲機竜(ドラグライド)だ。

 

「え……その、ISって……」

 

その女子生徒はバハムートを見て目を見開かせる。

 

まるで目の前にあるISをどこかで見たかのような感じだ。

 

「?君、こいつを見た事があるのか……?」

 

「あ、あの……君、名前は……?」

 

「俺か?園田蓮司だが……」

 

「蓮司……?蓮司、なの……?」

 

どうやら彼女は蓮司の事を知っているらしい。

 

しかし蓮司は彼女の事を覚えていない。

 

(どこだ……?俺は、彼女とどこで会った……?)

 

「すまない。俺は君の事を覚えていないんだが……」

 

「え……そう、だよね……少しの時間しか遊んでないし……」

 

女子生徒は落胆の表情を見せる。

 

どうやら彼女にとって蓮司と遊んだという時間は忘れられない大切な思い出らしい。

 

「……君の名前を教えてくれるか?」

 

「え……?」

 

「君の名前。俺、知らないし」

 

「あ…うん!簪!更識簪!」

 

簪と名乗った少女は顔を赤らめながらそう名乗った。

 

ここから、蓮司と簪の交流が始まっていく……。

 

 

 

「園田君、おはよう!ねぇねぇ聞いた?転校生の話!」

 

簪と出会った次の日の朝。蓮司は教室に到着してからクラスメイトの生徒にそう話しかけられる。

 

あの代表候補決定戦から数日が経ってクラスメイトの蓮司に対する目が変わった。

 

何でも「蓮司君は理屈とか関係なく優しくしてくれそうだから」らしい。

 

それを聞いた紫苑と琴音は面白くない顔をしていたが……。

 

「転校生?こんな時期に……?」

 

蓮司は顎に手を置き、考え込む。

 

(こんな時期に転校生だと……?あまりにも怪しすぎる……)

 

その転校生には注意しようと決める蓮司。

 

そんな蓮司には気づかずに話を続けるクラスメイト。

 

「その転校生って隣のクラス何だって。何でも中国代表候補生なんだって」

 

「ほぅ」

 

「あら。このわたくしの噂を聞きつけての転入かしら」

 

と、セシリアは蓮司の席に近付き、お決まりの腰に手を当てるポーズをした。

 

イギリスの人はこのポーズが決まるようになっているだろうか?

 

「別にこのクラスに入ってくるのではないのだろう。気にする必要もあるまい」

 

と、いつの間にか篠之乃が蓮司達の傍まで来ていた。篠之乃も女子……噂話には反応するんだろう。

 

「どんなやつなんだろうな」

 

「何?気になるの、園田くん?」

 

「いや、そういう意味ではないんだが……」

 

ここの学園の生徒は平和ボケしすぎているだろう、と内心で蓮司は思う。

 

こう思ってしまうのは殺伐としたSAOという場所にいたからであろう。

 

SAOでの体験が今の蓮司を作ったといっても過言ではない。

 

「何しろ、専用機持ちの人が代表なのは1組と4組だけだからね」

 

その言葉には語弊があるな、と思う蓮司。

 

正確にはまだ完成していない。

 

「その情報古いよ」

 

声が後方から聞こえ振り抜くと一人の女子が教室の入り口で仁王立ちしていた

 

「2組も専用機を持った私がいるんだから、クラス代表戦は2組がいただくわ」

 

「お前が中国の代表候補生か?」

 

蓮司はそう問う。

 

「そうよ!中国代表候補生、鳳鈴音。今日は宣戦布告に来たんだけど……一夏は?」

 

「織斑ならまだ来ていないぞ?それと……後ろ、気をつけろ」

 

「後ろ……? ひっ!?」

 

後ろを振り向いた鈴音は戦慄する。

 

そこには……鬼が、いた。否、織斑先生がいた。

 

「ち、千冬さん……」

 

「鳳、教室に戻れ」

 

「は、はい……」

 

そう言って肩を震わせながら自分の教室に戻っていく鳳。

 

「あいつは、一体何がしたかったんだろうな……」

 

蓮司はそう呟いた。

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