ソードアート・オンライン ~剣の世界で弾を放て~   作:レゾナ

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第7話 転校生二人

あの無人機騒動から早数日が経った。

 

あの後、バハムートを調節したりリンドヴルムの調節をしたりとやらなければいけない事が多かった。

 

特にリンドヴルムはあまり調節もされていなかった為、慎重な作業を要していた。

 

というのも、紫苑は機攻鎧剣(ソードデバイス)の用いての装甲機竜(ドラグライド)召喚は二回目で碌に調節をしていなかったのだ。

 

なので

 

「それで、ここのパルプをここに繋げて……」

 

「あ、そっか。それでここの調節が出きるんだね」

 

「そう。そういう事だ」

 

必然的にこうなるだろう。

 

現在蓮司達がいるのは整備室。

 

蓮司に教えを請うている紫苑とその隣で若干しどろもどろながらも調節をする琴音。そしてそれらを眺めながらも自身のISである『打鉄弐式』を完成させていく簪。

 

もっぱらこれがいつもの風景になっている。

 

しかし、今回はその中に入っていく女子の姿があった。

 

「かんちゃ~ん。持ってきたよ~」

 

「……本音、ありがとう」

 

「いいよ~かんちゃんの専属メイドだしね~」

 

そんなのほほんな声を出しながらやってきたのは蓮司のルームメイトである布仏本音。愛称はのほほんさん。まんま雰囲気だけでつけられた愛称ではあるが本人がそれでいいと言っているので蓮司はそう呼んでいる。

 

「のほほんさん、ちょっとスパナ貸してくれ」

 

紫苑に教えながらもスパナを貸してくれと右手を出す蓮司。

 

「はいよ~」

 

そんなのほほんな声を出しながらスパナを工具箱から取り出し蓮司に手渡す。

 

「ありがとう。それでだ紫苑。このスパナを使ってな……」

 

「うんうん……」

 

スパナを貰い、尚も熱心に教える蓮司とそれに応える紫苑。

 

「レンレン、何だか教師とか向いてそうだよね~」

 

そんな本音の言葉に応える声はこの整備室には聞こえなかった。

 

皆それくらい集中しているという事だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、こんなもんだろう。何かわかんない事があったら俺に聞いてくれ」

 

「う、うん……」

 

蓮司の授業を理解したからか、それとも理解しきれなかったからか、紫苑の頭からは煙が出ている。

 

それくらい、難しいという事だろう。

 

「レンって結構スパルタよね……」

 

「うん。蓮司君、スパルタ……」

 

「レンレン、スパルタ教師だよぅ……」

 

「…………俺ってそこまで指導きついか……?」

 

自身の教えの仕方を一から考え直すか?と本気で考える蓮司なのだった。

 

 

 

 

 

 

「やっぱりハズキ社製のがいいなぁ」

 

「そう?デザインだけって感じがするけど」

 

「そのデザインが良いんじゃない!!」

 

「私はミューレイのスムーズモデルかな」

 

「物はいいけど高いよね……」

 

蓮司が通うクラスの女子達は何やら談笑している。

 

話の内容からいってISスーツのカタログを見ているらしい。

 

「おはよう」

 

「あっ、おはよう園田君。そうだっ!園田君や織斑君のISスーツって、どこのもんなの?」

 

「織斑は知らんが、俺のは園田コーポレーションの特注品だ。色々と実験もしないといけないしな」

 

「それって、園田君が社長の子供だから?」

 

「いや。俺が望んで志願した。それに、俺は父さんと母さんの本当の息子じゃないからな」

 

「え?」

 

それだけ言って蓮司は読書を始める。どうやらこの話題には触れてほしくないらしい。

 

それもそうだろう。蓮司は自身の本当の両親は既に死んでいるのだから。話を蒸し返されてほしくない。

 

女子生徒たちもそんな蓮司の雰囲気を感じ取ったのかそれ以上は何も聞かなかった。

 

「ISスーツは肌表面の微弱な電位差を検地することによって、操縦者の動きをダイレクトに各部位へと伝達、ISはそこで必要な動きを行います。また、このスーツ耐久性にも優れ、一般的な小口の拳銃の銃弾程度なら完全に受け止めることができます。あ、衝撃は消えませんのであしからず」

 

そんな女子達の前にスラスラとISスーツの説明をしながら入ってきたのは山田先生だった。

 

「山ちゃん詳しい!」

 

「一応先生ですから……って、山ちゃん?」

 

「山ぴー見直した!」

 

「今日が皆さんのスーツ申し込み開始日ですからね。ちゃんと予習してきてあるんですよえへん……って、山ぴー?」

 

どうも山田先生には八つほど愛称がついている。それほど人気があるという事だろう。

 

「あのー。教師をあだ名で呼ぶのはちょっと」

 

「えー、いいじゃんいいじゃん」

 

「まーやんは真面目っ子だなぁ」

 

「ま、まーやんって」

 

「あれ?マヤマヤの方がよかった?マヤマヤ」

 

「そ、それもちょっと」

 

「もー、じゃぁ前のヤマヤに戻す?」

 

「あ、あれだけはやめてください!」

 

と、珍しく山田先生は語尾を強く言って拒絶の意を示した。

 

なにやらトラウマがあるのかもしれない。

 

「と、とにかくですね。ちゃんと先生と付けて下さい。分かりましたか?分かりましたね?」

 

「はーい」と、生徒は返事をするが、絶対言っているだけ。これからも愛称は増えていく傾向だろう。

 

「諸君おはよう」

 

と、生徒たちはビシッと姿勢を正す。一組の担任織斑先生の登場だ。

 

「それではSHRを始めますね。まず最初に皆さんにはお知らせすることがあります」

 

「……?」

 

「実はですね、このクラスに転校生がやってみました!しかも二人!!」

 

その言葉を聴いて蓮司は違和感を覚える。

 

(こんな中途半端な時期に転校生?十中八九俺か織斑のデータ取りが目的だろう)

 

一応警戒しておくに限ることはないと読書を中断する。

 

「では、入ってきてください」

 

「失礼します」

 

「…………」

 

一人はちゃんと言ってから、もう一人は無言で教室に入ってくる。

 

そして、一人を見た瞬間教室にどよめきが起こる。

 

それはそうだろう、だって入ってきた一人が男子だったんだから。

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