ソードアート・オンライン ~剣の世界で弾を放て~ 作:レゾナ
シャルルとラウラが1組に編入してから数日が経った。
何事もなく、日常を過ごしていた蓮司。今日はアリーナを借りて神装機竜の調整を行っている。
というのも神装機竜は調整など、蓮司にしか出来ない為、紫苑や琴音に預けている物もやらなければならない。
そして神装機竜は例外なく大きいため整備室でやると場所を取ってしまう。という事でアリーナに来ているのだ。
「それじゃ。シオン、フィリア。展開してくれ。こっちでモニタリングしておく」
「オッケー」
「わかったわ」
少し離れた場所で投影モニターを見ながらそう言った蓮司に返事をする紫苑と琴音。
二人は腰に巻いているベルトに下げている剣を持ち、掲げて詠唱する。
「────降臨せよ。為政者の血を継ぎし王族の竜。百雷纏いて天を舞え、リンドヴルム!」
「────始動せよ。星砕き果て穿つ神殺しの巨竜。百頭の牙放ち全能を殺せ、テュポーン」
彼女達がそれぞれの神装機竜を呼び出す。
紫苑の後ろに現れたのは金色に輝く機竜だ。まさしく王に相応しい機体といえるだろう。
対する琴音の後ろに出てきた機体は紫色を主体とした豪腕をもった機体だ。見た目からもわかるようにこの機体は接近戦型で細々とした動きは出来ないがその分、力押しが出来る機体となっている。
「よし。呼び出しにも問題はないな。それじゃ
「「
蓮司の言葉に即座に接続させる二人。
「接続にも問題はない。それじゃ次は……?」
蓮司祭は次の指示をしようとすると、自分達とは違う方で何やら騒ぎになっている事に気づいた。
「ねえ、ちょっとあれ」
周りの生徒達がざわつきだす。
蓮司がふと見上げると、そこには黒いISを纏ったラウラの姿。
「嘘っ。ドイツの第3世代じゃない」
「まだ本国でトライアル段階だって聞いてたけど……」
周りの生徒の言葉どおり、蓮司はまだ本国ではトライアル段階で配備はされていないと記憶していたのだ。
と、ラウラは同じアリーナで訓練をしていた一夏達のいる方向へと向かい一夏を見下したような感じで
「織斑一夏」
「何だよ?」
一夏も挑発じみた感じで返す。まあ、出会いがしらに叩かれていたのだから仕方ないだろう。
「貴様も専用機持ちだそうだな。なら話が早い、私と戦え!」
そう言うラウラ。それに対し、
「嫌だ。 理由が無ぇよ」
一夏はそう断る。しかし、
「貴様には無くとも、私にはある」
「今じゃなくていいだろ? もうすぐ学年別トーナメントがあるんだから、その時で」
一夏はそう言って断ろうとした。だが。
「なら……戦わざるを得ない状況にしてやる!」
ラウラはそう言って右肩についているレールガンを放つ。
「なっ!?」
一夏自身はいきなり撃たれるとは思っていなかったのか何も構えていなかった為、反応が遅れる。
そんな一夏を助けるために一夏に教えていたシャルルが間に入ろうとするが、タッチの差で間に合わない。
(ダメ、間に合わない!!)
そう諦めた瞬間。
ガンッ!!!
レールガンが何かに斬り裂かれた。
「何っ?」
ラウラは困惑する。確かに自身が放った時、織斑一夏は反応が遅れていたし隣にいたシャルル・デュノアもタッチの差で間に合わなかった筈だ。では誰が?
その答えはすぐにわかった。
金色の機竜を纏った、紫苑だった。
「柳ヶ瀬!?」
いきなり目の前に現れた紫苑に驚く一夏。
「織斑君。相手があんな敵意丸出しにしてるんだから、きちんと反応出来るようにしておかないと」
「あ、ああ……」
だが、一夏は生返事しか出来なかった。というのも一夏の脳裏には、いやこの場にいた蓮司や紫苑、琴音以外全員が思っている事だろう。
一体、どうやって紫苑は間に合ったのだろうかと。
少なくとも蓮司達のいた場所から自分達のいた場所までは一瞬で来れるような距離じゃない。だというのに紫苑は一瞬で来てレールガンを斬ったのだ。
そう思っても仕方ないだろう。
「それで?いきなり発砲する非常識な人はこれからどうするのかな?」
紫苑は右手に持った巨大なランスの穂先をラウラに突きつける。
『そこの生徒!何をやっている!?』
と、アリーナ内に今日のアリーナ管理担当の教諭の声が響く。恐らく一部始終を見ていたのだろう。
「ふん。今日の所は退いてやろう」
ラウラはそう言うとISを解除するとアリーナを後にする。
それを一瞥すると、紫苑はランスを下ろし一息つく。
「シオン」
「あ、レン君。どうだった?神装、結構上手く使えてたでしょ?」
そう言いながら近づいてきた紫苑の頭を軽くこづく蓮司。
「いたっ!?な、何するの、レン君!?」
「お前、バカか?こんな大勢人のいる前で切り札を無闇矢鱈に使うな」
「ぶぅ、はぁい……」
そんな光景が繰り広げられていたが、先ほどの疑問が解けなかったのかそれから一分程してから彼らの思考は正常に戻ったそうな。
夜。
蓮司は部屋にてパソコンの前に座り、今日行った調整を打ち込んでいく。
「ねぇ、レンレン」
「ん?」
打ち込みながらも名前を、というかあだ名を呼ばれたので返事をする蓮司。
「今日、何かあったの?」
「?何でだ?」
「だって。何か顔が強張ってるから……」
そう言われて蓮司は顔を触ってみる。しかし、変化は見られなかった。
「別に変わった事はなかったが……気のせいじゃないか?っよし、終わり」
蓮司は打ち込みを終わらせると、すぐさまベッドに入る。
「あれ?もう寝るの?」
本音は時計を見る。時間は既に9時を回っているが本音は蓮司が毎日10時前後まで起きていたのを知っている。いつもより1時間も早く寝るため気になったのだ。
「ああ。調整が終わった後、新しい機竜の設計とかもしていたからな。頭を普段より使ったからか眠い。もう寝る」
この時、蓮司は眠気があまりにも強かったからか気づかなかった。
本音は機竜の設計を蓮司がしている事を知らないと蓮司は思っていた。だが、あまりにも眠かったからかそんな事にも気づけなく眠ってしまった。
しかし、本音は小さい頃に蓮司と遊んだりした事があったため、機竜の設計を一から全て蓮司がしている事を知っていた。
そこが救いだろう。
本音はベッドに入って数秒したらすぐに眠ってしまった蓮司の枕元に腕を置き、腕に顎を乗せる。
「レンレン……やっぱり思い出せないの……?」
本音にとって蓮司はびっくり箱のような存在だった。自分達の知らない事をたくさん知っている男の子。
それでいて、優しく。自分には厳しく接する。それが小さい頃の蓮司に抱いていた感想だった。
そして、自分達の前から蓮司がいなくなってから。自分が蓮司に抱いている気持ちに気がついた。
そう。――――――好き、だったのだ。蓮司の事が。
そして、長い年月が流れ……ここ、IS学園で蓮司と再会した。
「レンレン……私は……私達は……いつまでも、待ってるからね?お母さんもお父さんも、お姉ちゃんもお嬢様も、かんちゃんも……おじさんもおばさんも、私も……」
そう言って本音は蓮司の唇に顔を落とそうとする。が、自分のやろうとしている事に気がつき、顔を真っ赤にする。
「わ、私、一体…………//////」
自分のやろうとしていた事に気づき顔を赤くする本音。だが、意を決した表情をし、寝ている蓮司の額にキスをする。
「きょ、今日はこれだけ!」
誰に言い訳しているのかわからないが、そう大声で言うとベッドの中に入り布団を頭まで被る本音。しかし、先ほどの熱が消えない為それから1時間程寝られなかった。
「「「「むっ?」」」」
ちょうどその頃、何か危機感を感じた四人の少女がいたそうな。
何か、最後はラブコメ的な感じになった。
なぜだろう?