ソードアート・オンライン ~剣の世界で弾を放て~   作:レゾナ

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第5話 決闘

あの後、シオンの家に戻ってきたレンとシオン。

 

その日は特に何もなく終わり翌日を迎えたのだが……

 

「ねぇ、レン君」

 

「なんだ、シオン」

 

「家の前の人だかり……あれってレン君目当ての人達じゃないかな?」

 

「…………そうかもな」

 

そう、翌日の朝にはシオンの家の前に人だかりが出来ていたのだ。

 

理由は言わずもがな、レンのエクストラスキル《銃》の事を聞くためにである。

 

おそらくはキリトの所にも行ってるんだろうなぁ、と考えるレン。

 

「ここにいると、シオンにも迷惑をかけるな……仕方ない、友人の家に向かうか」

 

「え?友人って……その人にも迷惑がかかるんじゃ……」

 

「大丈夫だ。あまりバレない所に住居構えてるし。ここよりかは安全だ。シオンも来るか?」

 

「えっ?いいの?」

 

「ここにいたらシオンにまで迷惑がかかるだろうが。それだったら少しの間そいつの所に匿ってもらえればいいだろ?」

 

「うぅん……そうだね、わかったよ」

 

「よし、それじゃ一気に走り抜けるぞ」

 

そう言って玄関の前までやってくるレンとシオン。

 

「手、繋ぐぞ」

 

「え?」

 

「俺のスピードについてこれないかもしれねぇだろ?念の為だ」

 

そう言って無理やりシオンの手を掴むレン。

 

「え……え?」

 

シオンは状況を把握できないまま

 

「じゃ…行くぞ!」

 

そう言って一気にドアを開けて、転移門まで突っ走るレン。

 

シオンも必死についていこうとするが、最後の最後で宙に浮きながら引っ張られている。

 

走り去るレン達に追いつこうと走るシオンの家に張り付いていた人達。

 

傍から見れば追いかける人達はストーカーにも見える。

 

そして転移門に飛び込み

 

「転移、『アルゲード』!」

 

アルゲードへと転移した。

 

 

 

五十層『アルゲード』

 

レンとシオンは先ほどみたいにではないにしろ走っている。

 

ここでも無用な噂などが立つのを防ぐ為だ。

 

そしてレンはある家の前で立ち止まる。

 

「ここだ、確かな」

 

「ここって……結構乱雑そうな家だね」

 

シオンの言う通り見た目的には乱雑にも見える。

 

「でも、家主は意外としっかりしてるからな」

 

コンコンッ

 

「おぉい。いるんだろ、フィリア。開けてくれ」

 

(フィリア?何だか女の人の名前みたい……)

 

シオンがそんな事を考えているとドアが開いた。

 

「はいは~いってレン?どうしたの?」

 

家の中から出てきたのは女性だった。

 

青を基調としたポンチョの様なのを着た金髪の美少女だ。おそらくはこれからフィールドに出ていくのだろう。

 

「すまん、匿ってくれ」

 

「匿うって……ああ、そういう事ね。そちらの女の人も?」

 

と、フィリアと呼ばれていた女性がシオンを指差す。

 

「ああ、そうだ」

 

「いいよ、これから狩りに行こうかなって思ってたけど。ソロで行く気だったし。予定も特にないしね。入って」

 

そう言って中に入るのを促すフィリア。

 

「シオン、急いで入るぞ。騒動になったら嫌だろ?」

 

「あ、うん……」

 

そう言ってレンとシオンはフィリアに続いて家の中に入る。

 

家の中は意外にも女性然としたインテリアになっていた。

 

「レンも災難だったよね。エクストラスキル《銃》がバレて」

 

「言うな。近々公開する予定だったんだ、予定が早まっただけだ」

 

「ちちち、ちょっと待って!フィリアさん、でしたっけ?」

 

「フィリアでいい」

 

「あ、じゃあフィリアで……それで、フィリアはレン君の《銃》スキルを知ってたの!?」

 

「?うん、というかそれ位ないとヤバい状況に何度か立たされたから」

 

どうやらそのヤバい状況とやらになった時にレンは銃を使ったらしい。

 

「最初は驚いたよ。このSAOに剣以外の武器がある事に」

 

「まあ、それは私も思ったけど……」

 

「そういえば、レンの事、記事になってたよ?それとキリトって人の事も。確か、《黒の剣士》だよね?」

 

そう言って新聞を取り出し、二人に差し出すフィリア。

 

「何々……『巨大悪魔を撃破した二刀流の五十連撃』……尾ひれがついてんな……」

 

「レン君の事も書かれてるよ……えぇと『二刀流を援護した存在しえない武器、銃を扱うサラブレッド』……レン君にぴったりじゃない?」

 

「俺がサラブレッドって……」

 

レンはありえないとでも言わんばかりだ。

 

「ま、ご愁傷様としか私は言えないしねぇ……」

 

「ご愁傷様って言うならもうちょっと労ってくれ、フィリア……」

 

「あはは、待ってて。お茶入れてくるから」

 

そう言って台所の方へと消えていくフィリア。

 

疲れていたのかソファにどさっと座るレン。

 

その隣に自然に座るシオン。

 

「ねえ、フィリアとどうやって知り合ったの?」

 

疑問に思ったのかシオンがそう聞く。

 

「そうだな……まあ、最初は森の奥地を探索してたら……」

 

「探索してたら……?」

 

レンは数秒溜めると

 

「いきなり攻撃された」

 

そう言った。

 

「…………えっ!?話が全然読めてこないんだけど……」

 

「ああ、まあゆっくりと話が出来る時にでもな。まあ、その後は紆余曲折あってこんな感じで交流があるって感じだ」

 

「へぇ、そうなんだ……」

 

シオンは面白くないのか頬を膨らませる。

 

「お待たせ……って結構寛いでるね」

 

お茶の入ったポットを持ってきたフィリアの第一声がそれだった。

 

「ああ、寛がせてもらってる」

 

「まあ、いいけど……」

 

そう言ってフィリアはオブジェクト化したカップにお茶を注いでいく。

 

と、レンにメールが届いた事を知らせる音が鳴った。

 

「メール?……って、キリトじゃん」

 

フィリアもお茶を注ぎ終わってからレンの左隣に座る。ちなみにシオンはレンの右隣に座っている。

 

「何々……あいつは……」

 

レンはキリトから送られてきたメールを見て呆れる。

 

そして隣から見ていたシオンとフィリアも呆れている。

 

「黒の剣士って……戦闘狂なの?」

 

「少なくとも戦闘狂ではないけど……でも、これ見たらそんなの信じないよね……」

 

そのメールにはこう書かれていた……『血盟騎士団団長であるヒースクリフと戦う事になった』と……。

 

事の経緯はこうだ。

 

どうやらアスナもギルドを休むと申請したらしい。

 

しかしそれをされては血盟騎士団としても戦力ダウンは間違いない。

 

そこでキリトとヒースクリフが決闘(デュエル)で決着をするらしい。

 

そこでキリトが勝てばアスナの申請を受け入れる。しかしもし負ければ……キリトが血盟騎士団に入る、というのだ。

 

それを見てレンは一言。

 

「キリトはやっぱり本当のバカだった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで決闘当日。

 

決闘が行われるのは七十五層『コリニア』

 

決闘前、レンはシオンとフィリアに一言言ってキリトの控え室に陣中見舞に来ていた。

 

「キリト」

 

「おっ、レンじゃないか。応援に来てくれたのか?」

 

「まあ、それもあるが……一つは呆れに来たんだ。お前の事だから売り言葉に買い言葉で今回の決闘、成立しちまったんだろ?」

 

「うぐっ……」

 

ほらな、とレンは予想通りだったのか再度呆れる。

 

「勝算は?」

 

「分からない。けど、KoBの幹部達の前であそこまで大口を叩いたんだ。やるからには勝つ」

 

「そうか。気合が入っているならそれで良い。お前も見たかもしれないが《神聖剣》の剣技は盾でも攻撃が飛んでくる。それには気をつけろよ」

 

「ああ。分かっている」

 

「キリトくん……」

 

頷くキリトの隣でアスナが真剣な表情でキリトの両手首を両手でしっかりと握った。

 

「たとえ、ワンヒット勝負でもクリティカルでもらうと危ないんだからね。レン君も言ったけど団長の剣技は未知数のところがあるし。危険だと思ったらすぐにリザインするのよ。こないだみたいな真似したら絶対に許さないからね!」

 

「俺よりヒースクリフの心配をしろよ」

 

キリトはにやりと笑いながら、アスナの両肩をぽんと叩いていると遠雷の如く歓声に混じって、闘技場から試合開始のアナウンスが聞こえてくる。

 

キリトは背中に吊るしている二振りの剣を少し抜いてチンと音と共に鞘に収めると闘技場へと歩み出した。

 

「じゃ、俺は帰る。観戦はしてるさ。どっちが勝つかは正直興味もあるしな」

 

そう言ってレンは答えが返ってこないのを知りながらもそう言ってその場を後にした。

 

そして予め決めていた場所に向かうと既に二人は座っている。

 

「あ、遅かったね、レン君」

 

「遅いぞ、レン」

 

「そんなに遅かったとは思えねぇんだが……」

 

そしてレンは席に座る。ちょうどキリトとヒースクリフの決闘が始まった。

 

先手を取ったのはキリトだ。

 

二刀流で確かにヒースクリフを追い詰めていく。

 

しかしヒースクリフも盾をしっかりと使いながらキリトの攻撃をいなし、反撃している。

 

そんな攻防が続くかに思えたその時、キリトが勝負に出た。

 

二刀に鮮やかな水色のエフェクトが光る。

 

そして連撃を加えていくと、とうとうヒースクリフの防御を崩した。

 

「よし、決まった!」

 

誰もがそう思った。

 

しかし……現実にそうはならなかった。

 

ヒースクリフの盾はありえない速度で自身の前に来ていたキリトの攻撃を防いだのだ。

 

そしてヒースクリフはキリトの背中に剣を突き立てて……決闘は終わりを告げた。

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