頑張って誤字のないように気をつけてますが全然減りませんね。申し訳ないです。
誤字報告が減るよう努力しますが感想はどしどし受け付けてますのでもしよろしければ感想、評価よろしくお願いします!
本格的に梅雨入りし、雨の降る中毎朝懲りることなく登山を続けている俺には何か褒美的なサムシングがそろそろ舞い降りてもいいのではないだろうかと思うが、舞い降りたのは周囲の友人からの未来人、宇宙人、魔法使いCOだった。どう考えても苦労に対して新たな悩みの種を投げつけられただけである。更に最近、じわじわとにじり寄る夏の暑さに怯えながら、夏本番になったら俺は学校に辿り着けるのか不安になってくる。この暑さはいい加減異常と認めてリモートで授業を受けられないものだろうか。無理だろうね。学校にそんな設備ないし。
こうやって相変わらず無駄な思考をフル回転させることで梅雨の時期の登校、及び登山から目を背け続けている毎日だったが、今日もういはから新たな悩みの種をマッハ3で投げつけられた。
◇◇◇◇◇◇
「なんかめちゃくちゃニコニコしてるけどういはいいことでもあった?」
「鋭いですねー黛さぁーん!実は私、昨日月ノさんにお願いしてU-tuberとして活躍するにはどうすればいいかっていうのを教えて頂いたんですよ!」
「相変わらずの行動力の塊だねぇ…どうせ、ボクも巻き込まれるんだろうけど。」
「私もですかねぇ…」
「やろうねぇ…」
2ヶ月以上振り回され続けてきた結果訓練された部員はういはの思いつき=自分たちもやるという構図に慣れきってしまっていた。もちろん俺も。
「で、それでですよ!やはり、今誰もが参入しつつあるU-tubeに割って入るには何かしらキャラ付けが必要なのではないかと月ノ先輩は仰っていたんです!」
「珍しくまともなこと言ってるね。」
「ですねぇ…またういはのことですから突飛なことを言い出すかと。」
「なので皆さんには一人一人、キャラクターとしての設定を付けさせてもらいます!」
「あ、ういはちゃんがつけんのぉ?」
「いやー…任せてもよかったんですけどそうしたら皆さん絶対渋るじゃないですかー?」
「それはそうだね。」
「なので私、今日授業を受けてる間に全員のキャラ設定を考えてきました!」
「授業受けてなかったんだぁ…」
「自慢じゃないですけど私、そこそこ成績いいので1日授業受けないくらいじゃダメージは少ないですからね!」
アホの子っぽいういはではあるがその実文武両道を地で行くようななんでも出来るタイプらしい。ただ、何もせずにあのフィジカルや成績を維持できるとは思えないので、そのために努力もそれなりにしているのだろう。
「はい、というわけでキャラ設定一覧ですー!これを元にロールプレイしてもらいますからちゃんと読み込んでくださいね?」
「結構書いたんやねぇ…」
「これが一番大事です!って月ノ先輩が仰ってたので頑張りました!」
「その労力の使い方間違ってませんかね…いや、いいですけど。」
リリさんの真っ当な呟きはういはの前には無力だった。
「はい、まず私ですね!私はアイドルライバーということになりました!理由はですね、私がアイドルに憧れてた時期がありまして、そのおかげで歌やダンスはかなり得意な方だから、という感じです!」
「はぇー…知らなかったぁ…」
もちろん俺も初耳だ。
「なので普段の配信の他にも歌ってみたや踊ってみたを投稿する予定です!はい次!」
結構どういう活動をするかという所まで練ってきているとは思わなかった。やっぱりういはは根が真面目なんだろうか。
「黛さんは、パソコン得意って聞いたのでハッカーになってもらいます!」
「え、俺がハッカー活動をやってる事知ってたの?」
実は高校に入る前くらいから師匠の斡旋の下、フリーランスのホワイトハッカーとしてある意味バイトをしていて、そのお金で普段自分が使うお金を賄っている。あと一部は貯金に回しており、高校卒業後も施設に居させて貰うことになったらその分のお金は自分で負担するつもりだからだ。
「あ、そうなんですか!?全然知らなかったです!黛さん案外ワルなんですね…」
「いや、ういはが想像してるのはクラッカーだね。プログラムとかに忍び込んでデータを壊したり、上手く作動しないようにしたりって、色々悪いことをする人たち。俺がやってるのはホワイトハッカーで、頼まれたプログラムに弱い所がないか、セキュリティの甘いところがないかっていうのを調べる仕事。よく間違われるんだけど全然違うから。」
よくある勘違いのひとつで、説明にも慣れてきた。
「よくわかんないですけどなんか急に早口になって黛さん面白いですね!」
「黛、お前泣いていいよ…」
「まゆゆ…」
先輩二人の暖かい言葉が余計に辛い。
「よくわかんないですけど、とりあえずパソコン関係のバイトをしてるって事ですかね?」
「うん、まあ、そういう認識でいいよ…」
「適当に決めた割には事実に即してるみたいで活動しやすくなったからいいんじゃないですかね?」
「まあ、そうだね。とは言っても詳しいことは企業の信頼に関わるからあんまり言えないんだけど。」
「まあ、あくまで設定なんでそれっぽいだけで大丈夫です!」
「まあ、そんな詳しいこと求められてないだろうしね。」
しかし適当とはいえ知らないはずのことを当てられるとびっくりした。
だが、びっくりどころで済まなかったのはこの後である。
「で、他の方々なんですけど、私が何となくそれっぽいなーっていう感じで決めさせてもらったんですけど…えぇーっと、アルスさんは魔法使い、リリ先輩は未来人、桜さんは宇宙人という設定で活動してもらいますね!ちょっと現実離れしてて難しいかもです、が皆さんなら出来ると思ってるんでよろしくお願いします!」
「あ、あぃ…」
「はーい。」
「りつきん宇宙人かぁーはぇー…」
まさかの全員正解(自己申告が正しいならば)だったのだ。偶然とは思うことが出来ず、もしやと思い小声でリリさんに尋ねた。
「ねぇ、もしかしてういはってリリさん達のこと…」
「いや、それはありません。ういはさんは私たちみたいな存在がいればいいのに、そうだったら楽しいのに、と口には出している反面、かなり現実的な思考をしていて、自信の深いところではそんな存在がいるわけない、そんなのは想像上の存在だと無意識に考えているのです。」
「じゃあなんで…」
「それに関しては私も分かりません。ただ、今回のことはあまり深刻に考える必要はないと思います。適当に回したスロットがたまたま大当たりを弾き出した、そのような感覚です。まあ、ういはさんのことですから、このスロットがかなり大当たりを弾き出しやすくなってる、というのはあるかもしれませんが。」
「なるほどね。じゃあ、今回は俺としては別に何も気にする必要は無いってことか。」
「そうですね。まあ、全員その通りなのでRPはしやすいというメリットだけ見ておきましょうか。」
「了解。結局やるしかないんだね。」
「ですねぇー…。」
◇◇◇◇◇◇
数日後、ういはがU-tu部の先輩方や顧問の先生の許可を得て我々研究部の兼部が認められ、北高U-tu部所属U-tuberとしてデビューすることになった。U-tu部の公式チャンネルから新人デビューの動画を出してもらい、人気コンテンツに新しい風が、とファンからの期待値も高いようで既に告知動画の視聴回数は5万回を超えており、一学生としてはなかなかない注目のされ方である。
初配信は昨日桜さんとリリさんのが行われ、同接4000を常時超える大盛況となった。既に2人とも登録者数が1万人を目前としており、また、初配信の割には落ち着いたトーンでの配信に多くのファンはさすが北高U-tu部だ、などと賞賛していた。
ただ、リリさんは通信状況が悪かったらしく1度目はほとんど声が届かなかった為枠を開き直し、結局復旧したのは桜さんの初配信が終わってから2時間後となりこの間を繋いでくれたのは2年生の北高U-tuberの剣持先輩だった。
そんな不憫に見舞われながらそれでも同接4000超は凄まじいことだと思う。
そして、今日は残った俺たちの初配信の日である。まずういはから始まり、アルス、俺で今日は終了の予定だ。
先輩方がしっかりとした初配信を終え、2日目の俺たちの配信を多くの人たちが楽しみにしている。というのもTwitterでかなり下の方ではあるがトレンド入りしていた上に、半分以上は感想ではあったもののかなり多くのツイートが俺たちの2日目の1年生への期待を全面に押し出したようなツイートが見受けられたからだ。
そんな様々なプレッシャーに押しつぶされないよう頑張りたいところではあるが…
「はぁぁぁ………俺さぁ……どうしたらいいかな……」
どうしてこうなった?