セフィロス(偽)の人理修復   作:ヘルメス・トリスメギスタス

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思いついたので投稿。不定期投稿になります。


プロローグ

 突然だが、俺はセフィロスになった。

何を言っているか自分でもわからないが、寝て起きたら身体が縮んでいて、鏡を見たら、

セフィロスを幼くした顔立ちになっていた。母親らしき人もセフィロスと呼ぶし、確定だろう。

 

 セフィロス・・・FF7における最強の敵。だが、俺はソルジャー時代のセフィロスに憧れた。

高い実力と優れた人格、そして兵士として必要な冷徹さを兼ね備えた「英雄」と呼ぶにふさわしい人物。

もしこの身体がそうならば、俺はそれにふさわしい人物になる。

こうして俺のセフィロスとしての人生は始まった。

 

 それから数年が経ち、わかったことがある。

ここはFF7ではなく、地球のブリテンという場所だということだった。

そうなるといつの年代かが問題だが、これがわからない。

時折、ピクト人なるもの(襲ってくるので、村の鍛冶師に頼んで作ってもらった正宗で斬った)が出たり、

猪みたいな魔獣、はてはワイバーンまで出る始末である。

その度に俺が出て、そいつらを殺して回った。後、FFの魔法が使えることもわかった。

おかげで飛躍的に害獣駆除が可能になったが、これではダメだ。

あのセフィロスのようになるには、より強くなる必要がある。

そう考えて俺は旅に出ることにした。より強い敵を求めて。

 

 さらに数年が経ち、ブリテンの様々な所を回った。強い魔獣がいると聞けば東へ行き、ピクト人の群れが村を襲っていると聞けば、西へ行った。

そうしているうちに、いつしか英雄と呼ばれるようになった。だが、俺自身はこれではダメだと思い、さらに強い敵を求めた。

そして、強い龍がいるという話を聞いた。その色は白で幾人もの人間が挑んだが、全て殺されたという。

面白いと思った。それがどれほどの強敵なのかをワクワクしながら、白龍退治に向かった。

 

 「ふう……」

拍子抜けだった。ただの一撃。首を落としただけで、白龍は死んでしまった。

これが弱かったのか、俺が強すぎたのか判断がつかなかった。

ここにいる意味もない。さっさと立ち去ろうと俺が判断した時だった。

向こうの方から、騎士の一団がこちらに向かって来るのが見えた。

そして、俺の前で停止し、白龍と俺を交互に見比べた。

 

 「この白龍は貴殿が殺したのか?」

騎士団の一番先頭にいる人物が声をかけてきた。恐らくこの騎士団を率いている者だろう。

「そうだ。俺がやった」

そう言うと、騎士団全員が驚いた顔を見せた。

「? 何を驚いている? 首を落としたら一撃で死んだ。それだけのことだ」

「ちょっと待て! これがどういうものか知っているのか!?」

先頭の騎士が驚いた声をだす。一体何だというのだ?

「ただ単に強い龍がいるという話を聞いてな。それで戦ってみたが、弱すぎる」

その言葉に騎士団の皆があっけにとられていた。

「……貴公の名前は?」

「セフィロス」

「! 英雄セフィロスか!?」

「英雄などよしてくれ。俺の強さの目標にはほど遠い。貴殿の名前は?」

その言葉に先頭の騎士は兜を脱いで答えた。

「アーサー・ペンドラゴンだ」

(! アルトリア! と、いうことはここはFateの世界か!?)

「これは失礼しました、アーサー王。何分田舎から出てきた身ですので」

「いや、いい。しかし、これを単独で討伐するとは……。今までに幾人もの人間が挑戦し死んだものを」

 

 「アーサー王。私にセフィロスと戦わせてもらえませんか?」

「ガウェイン卿……」

これがガウェインか……。力が強そうだ。

「いえ、私にお任せを」

「ランスロットまで……お前達、セフィロスは戦ったばかりだぞ?」

「いえ。構いません。面倒なので二人がかりでどうぞ」

かたや、湖の騎士。かたや、太陽の騎士。・・・面白い。

「なっ!? 正気かセフィロス!? 二人同時など!?」

「問題ありません。むしろ望むところです」

そう言って俺は正宗を構える。

「どうなっても知らんぞ! 開始しろ!」

こうしてセフィロス対ガウェイン、ランスロットの戦いが始まった。

 

 あれから十分程が経過した。私、アーサーから見れば信じられないものだった。

ガウェイン、ランスロットの二人がかりで挑んでいるのにセフィロスは互角以上に戦っている。

信じられないことに左手一本のみでだ。その顔には余裕の笑みがあり、まだ全力を出していない。

それに対し、ガウェイン、ランスロットは息が上がりつつある。円卓の騎士最強の二人がだ。

「そろそろ止めた方がいいね」

「マーリン……」

「これ以上は戦っても無駄さ。セフィロスが勝つよ」

マーリンもそう判断した以上、これ以上は無駄か。

「双方そこまで! 試合は終わりだ!」

アーサーの声が響く。それに対し、ガウェインが口を開いた。

「王よ勝負はまだ……!」

「わかっているのだろう二人とも。セフィロスが全力を出していないことを」

「「…………」」

二人ともわかっていたのだろう。ただ、騎士としての意地があったのだ。

 「セフィロス、私に仕えないか?」

「私は騎士ではありませんので、客将という形でしたら」

こうしてセフィロスは私に仕えることになった。

 

 「……??」

「どうしたセフィロス?」

アグラヴェインが尋ねてくる。

「いや、俺は客将として仕えているな」

「ああ、そうだな」

「ならばなぜ俺が事務仕事をしている? 他に人はいないのか?」

「ケイなら胃に穴が空いて、療養中だ」

「他の騎士達は?」

「お前はガウェインに事務仕事ができると思うのか?」

「……ゴリラに任せた方がましだな。マーリンは?」

「逃げた」

「…………見つけ次第切り捨てて構わないな?」

 そんな会話をしていると王が部屋に入ってきた。

「セフィロス、そろそろお昼を頼む」

「了解した。アグラヴェインも簡単なもので構わないか?」

「ああ。頼む」

俺は厨房に向かった。

この城で何が一番問題だったかといえば、飯だった。

特にガウェイン。何でもマッシュすれば食べられるわけじゃないぞ。

あまりにひどいので、俺が調理したら、いつの間にか調理係に任命されてしまった。

さて、サンドイッチでも作るか。俺は厨房に向かった。

 

 それから月日が流れた。

俺は部下を率いて、ピクト人達の討伐に赴いたり、

事務仕事に勤しんでいた。そんな中、ランスロットとギネヴィア妃の不倫が発覚。

この事態に王はギネヴィア妃の処刑を命じた。

そして、処刑当日、俺は嫌な予感がして、本来武器の所持は禁止だったが、

正宗を持ち、広場近くの家の屋根から処刑の様子を眺めていた。

そして、事件は起こった。ランスロットが広場に乱入してきたのだ。

まずいと俺は判断し、すぐにランスロット目掛けて跳躍した。

ガレスにアロンダイトが振り下ろされる寸前に、俺が割って入ることができた。

「セフィロスさん!」

「ガレス! 城に行きこの事態を王に伝えろ! 急げ!」

そう言われてガレスは弾かれる様に城の方に向かって行く。

「ランスロット……お前は何をしたかわかっているのか?」

その言葉にランスロットは答えず、無言で処刑台に向かって行く。

「処刑人! ギネヴィアの首を急ぎ刎ねろ!」

俺はそう命じたが遅かった。処刑人が斬り殺され、ランスロットがギネヴィアを連れていく。

俺は追おうとしたが、混乱した群衆が邪魔で追跡を断念せざるをえなかった。

 

 翌日、円卓にて会議が開かれた。本来俺は立ったままなのだが、今回は円卓に座ることになった。

そんな中、王が口火を切る。

「皆忙しいところ良く集まってくれた。今回の議題はランスロットのことだ」

やはり……皆が同じ感想を抱いているようだ。

「セフィロスの武器の携行は本来違反だが、そのおかげで犠牲を減らすことができた。よってこれは不問にする。問題はランスロットのことだ。追っ手を出さねばなるまい」

「ならば私が参りましょう。セフィロスが割って入らなければガレスが死んでいたのですから」

王の言葉にガウェインが追っ手を希望する。

「ガウェイン。すまないが俺に行かせてもらえないか?」

「セフィロス?」

「ガウェインでは日没まで持久して、それから勝負に持っていくことだろう。確実を期すなら俺が行った方がいい」

「……そうだな。セフィロス。ランスロットの討伐を命じる」

「承知した」

こうしてランスロットの討伐が決まった。

 

 俺は各地を回った結果、ランスロットの居場所を見つけることに成功。

ランスロットと戦うことになった。

「ランスロット……なぜ、このようなことをした?」

「……ギネヴィアを愛していたからだ」

「それは王への忠義よりもか?」

「…………」

その問いに答えず、剣を構えるランスロット。

事ここに至っては戦う以外道はないか……

俺も刀を構え戦闘モードに入る。こうして俺とランスロットとの戦闘が始まった。

ランスロットは湖の聖剣アロンダイトを鋭く振ってくる。

双方の剣が火花を散らすが、地力で勝る俺の方が押していく。

ランスロットは不利とみたのか、宝具の使用の構えを見せる。

だが、それよりも先に俺の宝具が発動した。

「『八刀一閃』」

八連続の攻撃。ランスロットも流石と言うべきか三つは弾いたが、残り五つは防げず、これが致命傷となった。

倒れ伏したランスロットから、アロンダイトを回収。その後、家の中に隠れていたギネヴィアを切り捨てた。

その後城に戻った俺は、ランスロット、ギネヴィア両名を討ち取ったことと、その証としてアロンダイトを王に差し出した。

王の表情は疲れと悲しさがないまぜになった表情をしていた。

 

 「深淵のなぞ それは女神の贈り物。われらは求め飛びたった。

彷徨いつづける心の水面に、かすかなさざなみを立てて」

「LOVELESS第一章……か」

城壁の上でLOVELESS第一章を呟いた俺に、王が姿を表す。

「……よく知っているな」

「セフィロスがいつも呟いていればな……」

そう言って俺の隣までやってくる。

「・・・・・・モードレッドのことか?」

「・・・・・・ああ。・・・セフィロスは私が女だと知ってどう思った?」

「別に何も。王が男だろうが女だろうが王は王だ」

「…………セフィロスは変わらないな」

「変わらないというのも問題なのだがな」

「……これから国内は荒れるだろうな」

「…………女だからか。実にくだらない。これからどうするつもりだ?」

「予定通りローマ帝国と戦う。そうすれば恐らくモードレッドが反乱を起こすだろう」

「それを取って返して叩く……か。だがそれは……」

「わかっている。危険な賭けだとな」

「わかっているならいい。後悔だけはするな。それがどんな結末だとしても」

 

 そして、やはりと言うべきかカムランの丘で王とモードレッドの軍が激突。

王もモードレッドも死亡した。生き残ったのは、俺の近くで戦っていた俺を含む、ガレス、ベディヴィエールの三名のみ。

死体の山の中で三人で今後のことを話し合う、

「ガレス、ベディヴィエール、今後どうする?」

「私は一度母の元に帰ります」とガレス。

「私は王の遺言を実行したら故郷へ帰ります」とベディヴィエール。

「俺は旅に出ようと思う。……その後のことは考えていない。生きていたらまた会おう」

 

 そうして俺は旅に出た。ブリテンの各地、フランス、ローマ等、ヨーロッパ各地を回り、

困っている人達の為に、正宗を振り続けた。

そして、年老いた俺は故郷に戻り、最後の時を迎えようとしていた。

「ふふ。正宗ももはや杖の代わりか」

己の生涯に悔いはない。俺はベッドに横になり静かに息を引き取ったはずなのだが…………

 

 「…………ここはどこだ?」

ベッドで寝ていたはずの自分が、草原の椅子に座っていた。

同時に情報が頭に流れ込む。ここは英雄の座。英雄に召し上げられたものが来る場所だと。

それと同時に何かが引っ張るのを感じた。これは誰かに呼ばれているな。

「聖杯戦争……。これもまた一興か」

かくして、セフィロスは聖杯戦争に参加することになった。

 

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