スカジのお師匠様   作:アイギス 

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今回、少し神話要素を詰め込みすぎました。少しくどかったり、うーん…って思うところがあるかもしれません。許して


方舟vs神楯②

 

 

 

「…初めから全力で行くぞ!」

 

スルトが宣言すると同時に、辺りは炎に包まれる。炎は2人の周りを囲い、他のオペレーターは手出しができなくなっている。今、この場にはイージスとスルトの2人だけが存在していた。

 

「…何故数の利を活かさないのですか?」

「私1人で充分だ。」

「…なるほど。」

「…?何がだ?」

「いえ、何でもありません。…失礼、戦場ではあまり喋りすぎるものではありませんね。」

「全くだ。」

「では…、どこからでもどうぞ。」

「後悔するなよ!」

 

その言葉と共にスルトは攻撃を開始する。通常ではありえない熱量をもった彼女の剣が、空気を焦がしながらイージスに振り下ろされる。イージスが盾で受けた時、ぶつかった場所で激しく炎が発生し、それはまるで意思を持っているかのようにイージスに迫る。

 

「(…!まったく、よく分かららない力を使いますねロドスは!私よりも常識がないんじゃないですか?剣というよりもアーミヤ氏に似ている攻撃ですね。)」

 

内心でそうぼやくイージスだがダメージを受けている様子は一切ない。炎を槍で掻き消し、続く攻撃を防いでいく。スルトは攻撃を続けるが、イージスは平然とそれを受け流す。まるで葉の上を滑る水滴のように、攻撃の一切がイージスに届くことはない。

互いの攻防はしばらく続いたがしかし、その均衡はイージスによって終わりを迎える。イージスの槍がスルトの腹に当たる。あまりに重いその一撃に、スルトは顔を歪め、半ば吹き飛ばされるように後退する。

 

「はあっ…はあっ…。…まさかここまで通用しないとはな、あいつ(スカジ)が自信を無くすというのも頷ける。」

 

そう話すスルトにはしかし、余裕なんてものは存在しない。彼女の腹部からは血がとめどなく流れ、息も絶え絶えである。一方、イージスには疲労の様子はなく、炎によって体の一部が煤けてこそいるが、怪我や傷は見られない。

 

「…撤退をおすすめしますよ。急所は避けましたが、あまり無茶をしますと流石に死に関わります。今すぐ治療を受けるべきです。」

 

彼女なら相手を傷つけずに倒すこともできたが、相手は自分を殺しにくるほど全力を尽くしている。そこまで本気の相手に加減をするのはイージスの信念が許さなかった。しかし、あくまで彼女らがしているのは演習。死者を出すのは気が引けるという理由から、そして何よりのイージスの良心からそう声をかける。それに対するスルトの返答は、

 

「…ふふふ。あっははは!」

 

ー大笑いだった。

 

「…?何かおかしなことを言ったでしょうか?」

「…24勝13敗2引き分け、これが何の数字か分かるか?」

「?貴方とスカジの戦歴でしょうか?」

「…いや、その通りなんだが、もう少し空気をだな…。」

「?」

「あー、いや、何でもない。…くそ、調子が狂う。それで?それを聞いても何とも思わないのか?」

「実は少し。貴方には申し訳ありませんが、()()()()()()()()()()()でしょう?やはり、何か秘密があるのですか?」

「察しが良すぎだろう…。…認めるのは悔しいが、事実、実力ならあいつの方が上だろう、本っっっっっ当に癪だが。」

「すごい溜めましたね。」

 

だがな、とスルトは続ける。

 

ーーー()()()()()()は私の方が上なんだ。

 

刹那、スルトの体が炎に包まれる。それは、神すら殺す終わりの炎。周囲を焼き尽くしながら、()()()()すらも焼き尽くしながら。

彼女の背には、アーツで創られた大きな黒の巨人が。スルトの剣を持った、終末を導く死の巨人が。

相対するイージスは油断なく構えながら、しかしこうため息をついた。

 

「…最早、何でもありですね。」

「さあ!第2ラウンドの開始だ!」

 

スルト(終末)が、目を覚ました。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーラグナロク

彼女がそう呼ぶこの技は、数あるロドスの切り札の1つである。レユニオン幹部を始めとした強敵との戦闘の際に使われる大技。彼女は、この技を磨いて他のエースオペレーターと競い合ってきた。その一撃は圧倒的な破壊力と熱量を持って相手を、その周囲を滅却する。文字通り、この技を使った彼女の前には、草の1本すら残らない。

今回も同じ、これを発動したが最後、辺りには灰すら残ることはない。

 

ー筈であった。

 

スルトが攻撃を叩きつける。イージスが守る。炎がイージスに迫る。イージスが槍を振るう。

スルトが攻撃を叩きつける。イージスが守る。炎がイージスに迫る。イージスが槍を振るう。

スルトが攻撃を叩きつける。イージスが守る。炎がイージスに迫る。イージスが槍を振るう。

スルトが攻撃を叩きつける。イージスが守る。炎がイージスに迫る。イージスが槍を振るう。

スルトが攻撃を叩きつける。イージスが守る。炎がイージスに迫る。イージスが槍を振るう。

スルトが攻撃を叩きつける。イージスが守る。炎がイージスに迫る。イージスが槍を振るう。

 

黒きもの(スルト)が攻撃を叩きつける。神楯(イージス)が守る。終末がイージスに迫る。神楯(イージス)が槍を振るう。

 

終末を司る死の巨人(スルト)ですら、神楯(イージス)という海に波を立てることすら能わない。

 

ー終に、イージスの槍がスルトの心の臓を貫いた。

それから数秒、まるで断末魔のように攻撃は繰り返された。しかし、その全てはイージスには通じない。

炎はその穴を治すことなく、巨人は次第に動きを止める。

 

「ー何が足りなかったんだろうな。」

「…そうですね。強いて言えば、もう少し仲間を頼るべきでしたね。」

お前(絶対の個)がそれを言うのか。皮肉なものだな。」

 

ー…強いぞ。()()は。

 

そう言い残して、(スルト)は消えた。瞬間、周囲の炎が一気に晴れる。真っ黒に焦げた地面に佇むイージスはその時、その音を聞いた。

 

ーブゥンブゥン!

 

それは、チェーンソーの音であった。

 

次に聴いたのは歌であった。酷く冒涜的な、深海の底に呑み込まれそうになる歌。

 

ーPh'nglui mglw'nafh Cthulhu R'lyeh wgah'nagl fhtagn!Ph'nglui mglw'nafh Cthulhu R'lyeh wgah'nagl fhtagn!

 

銀の煌めきが、宿りし王の力が、今にも噴火しそうな火山が、恐ろしい化け物が。

 

ーブゥンブゥン!…グルルルル…。グルルルル。

 

チェーンソーの音は次第に、神を喰らう狼のように。

 

イージスは理解する。スルト(終末)は、自身の役割(時間稼ぎ)を成し遂げたと、これから起こるのは、先程までとは比べ物にならない激戦であると。イージスは気づかぬうちに獰猛な笑みを浮かべ言う。

 

「さあ、貴方達の力を私に見せてみろ!」

 

ー神楯は、未だ動かず。

 

 

 




イージスちゃん、察しが良すぎるせいでぐだぐだになっちゃう。戦闘中にあまり喋るなとは一体なんだったのか…?

Q.ブレイズのチェーンソーの音をフェンリルに例えるのは無理矢理すぎでは?
A.ワイトもそう思います。許して。

Q.スルトボコボコにされすぎでは?
A.僕もそう思う。いや、別にスルトが嫌いなわけではないんです、むしろ好き(突然の告白)。けど、うちの作品ではスカジさんの方が強いんやぞ、というのをはっきりしたくて今回の話を書きました。そしたらあらびっくり、スルトちゃんボッコボコ。許して。ちなみに、ここのスカジさんはイージスちゃんとの修行によってステは原作より高いです。

うちのスルトさん、多分原作よりも少しマイルドな性格をしています。イージスちゃん曰く、「傲慢7割優しさ3割」だそうです。だいぶ自身を驕ってはいますが、それなりに周りと協力はしますし、そこそこの心配もします。


イージスちゃんの部屋事情

  • 個人部屋
  • スカジと同部屋
  • 他のオペレーターと同部屋
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