スカジのお師匠様   作:アイギス 

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ものすごくお久しぶりですね、申し訳ありません…。なかなかいい話が書けなくてですね…。色々書いてみたいキャラはたくさんいて、実際に何人か書いたのですが、途中で筆がピタッと止まってしまうんですよね…。キャラの理解が浅い自分が情けないです…。
暗い話はここまでにして、ついに来週来ますね…!僕は準備万端なので楽しみで仕方ありません!目指せ完凸!


お菓子

存外、と言うべきであろうか。オペレーター・イージスがロドスに加入したことによる影響はあまり大きくなかった。非常に価値の高い記録を得られるようになったり、訓練室の破損が無くなったことからドクターだけには泣くほど感謝されているが、せいぜいその程度でしかない。

ある意味当然とも言える。イージスが作戦任務に参加することはないし、訓練とは言っても実際は腕試しである。とどのつまり、イージスと関わりを持つのは、一部の例外を除けば、ロドスのオペレーター達の中でもかなり実力が高くかつ戦闘行為に忌避感を持たない者となる。そして本人は基本的には部屋にほぼ引きこもっている状態のため、交流の機会が少ないのも1つの理由だろう。

今回は、そんな彼女がもたらした、ほんの些細な影響について話をしていこう。

 

 

 

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「あら?」

 

その日、スカジはロドス内のある区画を訪れていた。

 

「ねぇせんせー、食べちゃダメなの〜?」

「ぼくもう待ちきれないよ〜!」

「も、もうちょっとだけ待っててね!うーん、どうしよう…。」

 

その区画とは、鉱石病の治療施設、その中でも特に鉱石病の子ども達を担当する場所である。ここでは鉱石病患者の治療、延命だけでなく簡単な教育なども行われている。

 

「あ!スカジお姉ちゃんだ!」

「え⁉︎本当だ!」

「今日はどんなにんむだったのー?」

 

先程まで医療班の1人を取り囲んでいた子ども達は打って変わってスカジの方へ集まり始めた。半ば突進してきた子供をスカジは難なく受け止める。スカジが片手を広げると何人かの子どもが競うようにその手にぶら下がり始める。ものすごい重量が加わっているはずだが、彼女の表情はいつもと変わらない。

 

「あ、スカジさん!…相変わらずすごい光景ですね。腕辛くないんですか?」

「そんな柔な鍛え方してないから平気よ。それで、何かあったのかしら?」

 

実は彼女がここへ訪れたのは初めてではない。一度、迷子になった子供をここにつれてきて以来、子ども達に非常に懐かれてしまった。彼女の圧倒的な身体能力は男子に憧憬を抱かせ、戦いの渦中にいてもなお損なわれないその美貌に女子は魅力されていた。スカジにとっても、一切自身を恐れない子とも達の様子に悪い気はせず、暇があらばたまにここを訪れて子ども達の相手をしていた。

 

「その、実は部屋に大量のお菓子が置かれていて、それも大人達も含めた全員分。」

「…はあ。別にいいじゃない、何か問題があるのかしら?」

「それが、誰が作ったのか分かんないですよ。いや、ここの設備は厳重なので、悪意があるわけではないのは分かっていますけど…。その、安全かどうかが分からなくて…。」

 

そう言って困った顔をする医療班。ロドスの人員は非常に仲間意識が強いため、善意で行った行動だということに疑いはない。ただ、悪意がないだけで害がないわけではない。

 

「ああ、マゼランだったかしら?以前にやらかしたのは。」

 

「そうです…匂いで食べることは止められましたけどしばらくの間施設内で匂いが取れずに大変でした…。」

 

ちなみにハイビスカスもやった。その時は先に食べた生贄(医療班)のおかげで子ども達が被害を受けることはなかった。

 

「以降、こういったことをするには上から許可をとる必要があるのですが、特に聞いてもいないんですよね。」

 

「でもでも、今日のはとっても美味しそうなの!クッキーなんだけどね、いろんな形があるの!」

 

「へえ、そうなの。」

 

渋い顔をする医療班とは逆に、子ども達は早く食べたくてウズウズしているようだ。ちなみに、スカジは現在10人程度を一度に持ち上げている。

 

「その、これなんですが…。」

 

「私が見てもあまり意味はないと思うのだ、けれ…ど………。」

 

「…どうかしましたか?」

 

めちゃくちゃ見覚えのあるクッキーだった。味だけでなく見た目も完璧な、よくイージスが作るクッキーであった。

 

「………。」

 

「あー…意味はあったみたいですかね?」

 

「…ええ、そうね。とりあえず安全面は心配ないわ、私が保証するから安心してちょうだい。」

 

「本当⁉︎せんせー、もう食べていい?待ちきれないよ〜。」

 

「…まあ、スカジさんがそう言うならいいかな。落ち着いて食べるんだよ。」

 

「「「やったー!!」」」

 

許可をもらうや否やすぐさま子ども達は走り去っていった。

 

「ところで、お知り合いの方ですか?」

 

「私の師匠よ。」

 

「ああ、今噂の。…それでは、お礼を伝えといてもらえますか?あの子達、とても楽しそうなので。」

 

医療班は柔らかく微笑む。その目は、美味しそうにクッキーを頬張る子ども達と、そんな彼らと共にいる大人達の姿があった。

 

「…その前に説教だわ。」

 

そう言うスカジであるが、その顔は心なしか普段よりも明るいように思えた。

 

 

「それじゃあ、私はそろそろ行くわね。」

 

「今日はありがとうございました、またいつでもいらしてくださいね。」

 

それからしばらく、おやつタイムを終えた子ども達と戯れ。彼らが疲れから眠りについてからスカジはここを去った。

 

 

 

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「おや、お帰りなさいスカジ。今日はどこへ?」

 

「師匠、正座。」

 

「へ?」

 

以降、ほぼ毎日のようにアーミヤから許可をもらうイージスなのであった。

 

 

 

 




更新止まっている間にお気に入り200行ったみたいですね、ありがとうございます!

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