スカジのお師匠様   作:アイギス 

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素人に戦闘シーンなんてものは期待しないでください。これが僕の限界です。


戦闘

 

そこでは、2人の人物が戦っていた。

一方が、その身の丈以上ある佩剣を相手に叩きつけた。彼女、スカジの圧倒的な身体能力と、見た目以上の超重量をもつ佩剣からなる一撃は、並の重装オペレーターはおろか、あのホシグマやサリアであろうとも小さくない傷を負わせるだろう。しかし、目の前の相手は、右手に持つ、自身の小さな体を隠せるくらいの丸盾で彼女の一撃を受け止めた。完璧な受け流しだった、その身を崩すことなく、水が傘から滑り落ちるように、エネルギーの一切が彼女、イージスに届くことはなかった。そのまま左手で構えていた槍を、スカジが避けられるか否かの速度で繰り出す。スカジは自身の一撃が届かないことを分かっていたのだろう、全力で回避に徹した。が、やはりギリギリだったのであろう、その体には小さな傷ができている。

 

戦闘が始まってから、ずっと同じ状況が繰り返されていた。スカジは既に全身に小さな傷がある一方で、イージスは何ひとつダメージを負っていない。いつでも与えられる決定打をイージスが放つことはなかった。とんでもなくレベルの高い応酬ではあるが、それでも、もしこれ見ている人がいたのなら、彼らはまるで稽古のようだと言うだろう。

イージスはスカジを侮っているわけではない。むしろ、彼女の成長を喜んでいた。

 

「強くなりましたね。」

「…そうだけど、ここまで攻撃が通用しないと自信を無くすわ…。」

「そうでもありませんよ。先程放った一撃、避けるだろうなぁとは思っていましたが、まさかカウンターが飛んでくるとは思いませんでした。」

「完璧に対処したくせに、どの口が言うのかしらね。」

「まあそれはそうとして、あらかた実力も理解できましたし、そろそろ終わらせてもらいましょうか。」

 

と、イージス一瞬でスカジの前へ移動し、槍を突く。先程までの一撃とは違う、勝負を終わらせる為に放たれたそれはスカジの胸へ向かって行き、

 

「いいえ…これからよ。」

「!」

 

…そして、完璧に防がれた。

 

 

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その時、スカジの雰囲気が急変していた。それはどこか冒涜的で悍ましく、見るものを狂気へ誘うような、まるで、深海そのものをその身に宿したかのような。心なしか、彼女の体から青黒いオーラが出ているような錯覚を受けた。

驚いたのも束の間、イージスはスカジから放たれた一撃に意識を注いだ。右手の盾でそれを完璧に受け流したが、あまりに重くなった一撃に目を見開いた。

 

「驚きました…。先程の2倍、いえ、もう少しありますか、明らかに威力が上がっています。私の一撃を受け止めていましたし、耐久も上がってるのでしょうか?傷も回復…というよりは体力そのものが増えた感じですかね、先程まで少し息を切らしていましたが、今ではその様子もないさそうですし。」

「今更驚かないけど、分析早すぎないかしら?ロドスで身につけたの。どうかしら?私らしいでしょう?」

「…そうですね。貴方らしい、シンプルな力。しかし、シンプルであるが故に実に凶悪ですね。」

 

2倍という数字。なんともぱっとしないと思われるかもしれないが、その対象がスカジほどの実力者であれば話は変わる。1が2なんて生ぬるいものではい、1000が2000になって放たれる一撃はもはや災害そのものである。身体能力の高いスカジにこそ似合う、まさにシンプルイズベストな力である。

 

「それじゃあ、第2ラウンド開幕と行こうかしら…!」

 

そう言って、スカジはイージスに肉薄するのであった。

 

 

 

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「負けたわ…。」

 

と、どこか遠い目をして呟くスカジ。彼女は今、疲れ切った様子で風呂のお湯に体を沈めていた。

 

「けれど、凄かったですよ。結局、4発も貰っちゃいました。」

「どれもかすり傷だったじゃない。しかも1つは完全な初見殺しだから次は通用しないでしょうに。」

 

少しムスッとしてそう答えたスカジに向かい合うように足を伸ばして風呂に浸かっているイージス。4人程度なら足を伸ばしてくつろげそうな浴槽で、窮屈そうな様子はない。

 

戦闘はあの後、1時間ほど続いた。能力を増したスカジは確かにそれ以前よりも善戦していたが、それでも、師を打ち崩すことは出来ず、最終的に彼女のスタミナ切れで終わった。今は互いの傷を治療し終え、2人で一緒に風呂に入り疲れを癒していた。

 

「でも予想以上に強くなってましたよ。それに、あの不思議な力を纏った時も、増幅した力に振りまわされている様子もなかったです。師匠としては100点満点、花丸をあげちゃいます。」

 

と優しく微笑むイージス。その笑顔は心からのもので、ようやくスカジも

 

「…そう、それなら良かったわ。」

 

と、笑顔を携えて幸せそうに答えるのだった。

 

 

 

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「…この料理も久しぶりね。相変わらず美味しい。」

 

時が変わって夕ご飯、そこには日頃のクールな様子とは一変、子供のように目を輝かせながら食事を頬張るスカジの姿があった。もしここにロドスの誰かがいれば、自身の目を疑っていることだろう。

 

「ふふっ、それは良かったです。おかわりもあるので遠慮せずどうぞ。」

 

そう嬉しそうに答えるイージス。エプロンを着てフライパン片手に料理をしている。小さな体でパタパタと台所を移動している様はなんとも可愛らしく、スカジも気持ちをほっこりさせていた。

 

目の前の師は本当に万能である。戦闘だけでなく料理や家事も、歌や服作りなども、おおよそほぼ全てのことをその道のプロより上手くこなす。唯一出来ないのは他人との会話くらいである。

 

「…あ、そういえば、師匠にお願いしたいことがあるのだけれど。」

「あら♪なんでしょう?可愛い弟子のお願いなら、私の出来る範囲でなんでもしますよ。」

 

彼女の出来る範囲でとは、実質的な「何でも願いを叶えてやろう」であるが、スカジが願ったものは、ささやかなものであった。

 

「一度、ロドスに来てくれないかしら?」

「…へ?」

 

師匠(クソ雑魚コミュ障)にとっては、過去最大の難関であったが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やはり筋肉…!筋肉は全てを解決する…!
スカジの第3スキル、いいですよね。何度もあの脳筋の極みみたいなスキルに助けられてきました。エフェクトもすごい好き。
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