スカジのお師匠様   作:アイギス 

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投稿が一時間遅れてしまいました。ごめんなさい。今日は少し忙しかったので、あまり確認もできていません、読みにくいところや誤字脱字もあると思いますので、随時修正していこうと思います。


決意

 

それはスカジがロドスを出発する前日、スカジがアーミヤ達にイージスの話をした次の日の早朝であった。スカジはドクターに呼ばれ、管制室まで足を運んでいた。

 

ートントン

「入るわよ。」

「やあ、おはようスカジ。」

「おはようドクター。それで、用事って何かしら?明日の朝には出発するから、、早めに終わる仕事だと嬉しいのだけれど。」

 

挨拶を済ませ、単刀直入に要件を聞くスカジ。荷物の準備は既に終えているが、流石の彼女も、明日のために体力を温存しておきたいようだ。

 

「それは私から説明しよう。構わないか?」

「…ええ、大丈夫よ、ケルシー。」

「分かった。ドクターから聞かせてもらった、貴方の師についての話だ。」

「師匠がどうかしたの?」

「彼女をロドスに招待したい。説得を頼まれて欲しい。」

「…目的を知りたいわ。」

 

ケルシーに対して思う所がない訳ではない彼女だが、それでも、誠実な対応をしている相手を無碍にするほど心の狭い人間ではない。だが流石に相手の意図を完璧に理解できず、疑問を口にした。

 

 

「昨日君が部屋に戻った後、アーミヤも交えて3人で話し合ったんだ。君の師匠の能力、ぜひロドスに欲しい。」

「はっきり言うけれど、無理よ。絶対に説得は成功しないわ。」

「…可能性は低いと思っていたが、それほどまでにか。」

「あの人は自身の力の恐ろしさを理解してるわ。彼女が争いに介入すればそれはすぐさま蹂躙に変わる。だから彼女は中立の立場を決して崩さないでしょう。」

 

と、はっきりと答えるスカジ。一切の迷いのない様子から、彼女の言葉は嘘ではないことを理解するドクターとケルシー。

 

「まあ僕たちもそれはダメで元々の目的だ。僕たちは単純に、君の師と直接話をしてみたいんだ。」

「ああ、衣食住は全てこちらが保証するし、そちらの要望にも可能な限り応えよう。なんなら、ロドスの一部の権限を譲渡することもやぶさかではない。」

「…そこまでするの?随分と羽振りがいいじゃない。」

 

あまりにも破格な条件に思わず彼女は驚いてしまう。しかし、続く言葉から、彼らが師との会話を望む理由を理解した。

 

「彼女は我々にない技術を持っている、聞けば貴方のその剣も、師が作ったものらしいじゃないか。私の本業は医者であるが、技術者としてもかなりの実力があると自負している。そんな私ですらあの武器の素材の検討が全く立たない、その創造主と話がしたいと思うのはなんら不思議ではないだろう。」

「もちろん医療の方面でも期待しているよ。どんな大怪我でも瞬時に治す水とか、切断された腕を生やす薬とか、正直まだ信じ切れないけど、もしそれが真実であるならば、その薬やその技術のほんの一欠片の情報が値千金だ。鉱石病に関する情報も持っているかもしれない。あ、さらに言えば理性を回復する薬とか知らないかな?」

「正直なところ、何でもいいんだ。彼女が何気なく話す一言ですら、我々に大きな恩恵を与えるだろう。ロドスにとって大きなリターンこそあれ、リスクは全くないこの絶好の機会、是が非でも掴み取りたい。」

 

そう、スカジやイージスが思っている以上に、スカジの話には多くの希望があった。到底信じられないような話も、彼女の持つ、その見た目からは想像もつかないほどの超重量を誇る佩剣が1つの証拠となり、彼らに「もしかしたら」という希望を与える。それを平然とで振り回しているスカジにも驚きではあるが。

 

「…はあ、分かったわ。説得はしてみるわ。」

「!!、それは助かる!」

 

と少し興奮した様子で返事をするケルシー。

 

「でも、あまり期待はしないでちょうだい。あの人、少し…いえ、かなりコミュニケーションに問題を抱えているから。」

「??ああ、分かった。」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「ーってことがあったのよ。」

「無理です。絶対に無理です!」

「あら?貴方に限って無理なんてことはないでしょう?貴方のそれは『無理』ではなく『怖いから嫌だ』でしょうに。」

「そこまで分かってるなら聞かないでくださいよ!」

 

そう涙目で叫ぶイージス。これではどちらが師匠か分からない。

一転、スカジが一層真面目な顔をして師に問いかけた。

 

「…ねえ師匠。」

「え?ど、どうしたんですかスカジ?急に真面目な顔をして。」

「…貴方って、私を除いて今まで何人の人と会話をしたことがあるかしら?」

「…」

「…」

「…」

「…」

「…1人です。」

「ダウト。」

「嘘じゃないです!分身して『自分』という1人と会話してます!」

「色々と突っ込みたいことはあるのだけれど、それを1人とカウントするのは虚しくないかしら?」

「…」

「師匠?」

「あーもう、分かっていますよ!私が他人と全く関わりがないことくらい!けど別に不自由は感じていません!やりたいことはやれていますし、毎日は充実しています、それを兎に角言われる筋合いはありません!」

「…」

「…あっ、その、ごめんなさい。少し熱くなりすぎました。」

「…」

「…」

「…師匠のその言葉が嘘じゃないことはよく分かっているの。」

「…はい。」

「これは私のエゴなのだけれど、弟子としてはすごく心配になるの。怖いの、もしも私がいなくなったら、貴方のことを知っている人はこの世界に誰1人といなくなることが。」

「貴方は強いです。そんな心配はありません。」

「けれど0ではないわ、近頃は相手も強くなっている。そうそう遅れをとるつもりはないけれど、万が一ってこともあるわ。」

「…」

「私は、貴方が、私以外の誰かと嬉しそうに笑っている姿が見たいの。貴方は孤独じゃないって、そう思わせてくれる証明が見たいの。」

 

それからしばらくの間、2人の間には静寂が訪れた。お互い中身が既に空になっているカップをしきりに口につけ、飲むようなふりをしている。

ーそうしてどれくらい時が経っただろうか。少なくとも、2人にとっては何時間とも感じられた沈黙は、イージスのため息と共に終わりを迎えた。

 

「…はぁ。…ずるいです、そんなこと言われたら断れません。」

「その、ごめんなさい、私のワガママだから、気にしないで。」

「いえ、そういう訳にはいきません。そもそも、これは今まで弟子の不安に気づかなかった私の落ち度です。貴方が謝ることは何1つありませんので、私に謝らせてください。…ごめんなさい、不甲斐ない師匠で。」

「…うん。許すわ。」

「…ありがとうございます。」

「それに、滅多にワガママを言わない可愛い弟子のお願いですもの!元々私に出来ることなら何でもするとも言いましたし、ここは師匠として一肌脱ぎます!」

「!もしかして…!。」

「ええ!…私イージスは、ロドスに行きましょう!…大丈夫ですよね…?」

 

と、頼りない様子で、しかし確固たる決意を持ってイージスは宣言するのであった。

 

 

 




という訳で、次回から師匠のロドス生活が始まります。絡ませたいキャラは多いのですが、作者がその子達のキャラを上手く表現できるか、プレッシャーでいっぱいです。頑張ります()

ここまで長いようで短かった…!正直ここまで続けられるとは思っていませんでした。思っていたよりもはるかに多くの人に見てもらっていて、感想やお気に入り登録もしてくださる方もいらして、スカジ好きの人が多いようで嬉しいです。モチベーションをここまで保つことができているのは他でもない皆さんのおかげです。こんな駄作をここまで読んでくださってる方々に、僕が持てる最大の感謝を送りたいと思います。ありがとうございます。
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