スカジのお師匠様   作:アイギス 

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数日前から誤字脱字報告をいくつかもらっています、すごく助かります。他の皆さんももし誤字脱字がありましたら、遠慮せずどしどし言ってください。
今回は少し短めです。僕的にはいつもこれくらいにしたいのですが、書いてるとあれも書きたいこれも書きたいってなってどんどん文字数が増えるんですよね。


移動

 

 

 

その日、ロドスの中には不思議な光景があった。多くの人物が彼女とすれ違い、皆「えっ?」と彼女の背中、正確には彼女のマントを二度見した。もちろん、その渦中の人物である彼女とは、スカジのことである。

 

オペレーター・スカジの名を知らない者はロドス内にはいないだろう。数いるオペレーターの中でも、彼女の実力は上から片手で数えることができる。曰く、敵の重装を盾ごと両断した。曰く、巨大な化け物を単騎で討伐した。噂の真偽は定かでないが、彼女が相当強いことは誰しもが理解していた。ドクターも彼女の実力を信頼しているようで、実際、重要な作戦において彼女が呼ばれなかったことはない。

そんな彼女がここしばらくの間休暇を取っていたことは多くの者が知っていた。平和ではあるが、戦力があるに越したことはない、彼らは、スカジが無事に戻ってきたことに安堵しながら、彼女の背中を見送るのであった、否、見送ろうとした。

 

な ん か い る

 

彼女のマントが不自然に膨らんでいた。よく地面を見ると、確かに、そこには足が4本あった。ふと後ろを見ると、皆同じような顔をしながら彼女の後ろ姿を見ていた。その視線が突き刺さっているのか、マントの中の存在を気にしているのか、スカジは時折足を早めたり遅めたり、急に立ち止まったりしている。しかし、マントの中の人物もその度に加速減速し、スカジの動きを一切阻害することなく、しかし常に距離を一定に保っていた。顔を引きつらせるスカジ。「何あれすごい。」「凄まじい技術の無駄遣いだ。」と騒ぎ立てる周りのオペレーター達。いい加減痺れを切らした彼女は、自身のマントの中にいるポンコツ(師匠)に声をかけた。

 

「…ちょっと!いい加減出てきなさい!さっきまでの威勢はどこに行ったの?」

「だってだって、何でこんなに人がいるんですか?13人ですよ?…13人ですよ?」

「2回言わなくて結構よ。」

「それに!何でみんなこっちを見てるんですか…。うう…人の視線が怖い。」

「こんなことしてたら誰だって目立つわよ…。ああもう、ほら、管制室まであと100mもないんだから、出てきてちょうだい。流石にこの調子でドクターに会うのは恥ずかしいわ。」

「無理です!」

「自信満々に言う言葉じゃないわ…。」

「そもそも!私、今まで貴方以外の人を見たことがないんですよ!それなのにいきなりこんなに人がいる場所に来たら誰だってこうなりますよ…。」

 

周りには聞こえない声量でそう会話をする2人。そうなのだ、イージスは今までスカジ以外の人間と関わったことがない。こうして、周囲に人の気配がたくさんあることも、彼ら彼女らの話し声が聞こえることも彼女にとっては初めての経験なのである。十数人とはいえども、彼女にとってはそれこそ、川を知らない子供に海を見せるような、そんなオーバーキルであった。

 

「…はぁ、分かったわ。管制室まではこれで許してあげる。けど、ドクターと話す時はちゃんと出なさい。私が恥ずかしいし、相手にも失礼よ。」

「はい…ありがとうございます…。…ごめんなさい、頼りない師匠で。」

「別に気にしてないわよ、それに、気配を隠してないことは貴方なりの誠意で、努力なんでしょう?貴方のそういう所、嫌いじゃないわ。」

 

そう答えるスカジ、なんだかんだ言っても、彼女は自身の師のことはよく理解していた。イージスはイージスなりに、周りにとっては大したことではないだろうが、努力をしているようだ。

 

「…あと、頼りないとか不甲斐ないとか、あまり使わないで。私の師匠は世界で1番強くて、1番頼りになる人なんだから。」

 

そう言い終えてから顔を赤く染めるスカジ、流石に恥ずかしかったみたいだ。

 

「スカジ…。」

「…ッ。い、いいから早く行くわよ!さっさとドクターに報告して、ゆっくり休みたいの私は!」

 

そう言って彼女は速度を早めた。彼女から距離を離さないようについて行くイージス。彼女のマントに包まれているため、誰も彼女の表情は分からない。しかし、

 

「…ありがとうございます。」

 

ーとても幸せそうな声で、そう呟くのだった。

 

 

 




おかしい…。本当は今日でドクターと話をする予定だったのに…!
初めはイージスちゃんにはスカジの裾を持たせようかなって思ったんですけど、よく見るとスカジって掴めるような裾が見当たらないんですよね。さてどうしようかと思ったら、マントの中に入ればいいじゃないという謎電波を受信してしまいまった結果が、今話になります。
マントも人1人隠せるほど大きくないじゃないか!と思ったそこの貴方!僕もそう思います。書いてから気付きました、許してください。きっと今日だけ大きいものを着ていたんです…!そういうことにしてください。

…けど、スカジのマントの中、ってすごいロマンありますよね。いや、かなり気持ち悪いこと言ってる自覚はあるのですが、けどすっごいいい匂いしそう。
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