今これを書いてすごく楽しいのですが、ちょっとリアルが忙しくなりすぎて、このまま毎日投稿を続けると睡眠時間がマッハで削れてしまいます。なので、明日からは少し投稿頻度を遅くしようと思います。
個人的にはいまめちゃくちゃいい所なので、この流れを切るのは楽しみにしてくださってる皆さんに申し訳ないです。ごめんなさい
前置きが長くなってしまいましたが、本編をどうぞ。
スカジとイージスが全話までのやりとりをしている頃、ドクターとアーミヤは膨大な書類に忙殺されていた。
「え!?何ブレイズまた訓練室壊したの!?」
「ドクター!ワルファリンさんが人間から作る薬に興味をもったらしく、外から死体を調達したいとの要望が!」
「却下!誰だ彼女にそんなこと教えたのは!また減給するぞって脅しておいて!」
「ドクター!」
「今度は誰⁉︎」
「グムさんが、食堂の調味料が少なくなってきたからそろそろ補充してほしい、あと、先日ある子がお気に入りの小皿を割ってしまったようで、新しいのを買ってあげたい、と。」
「うーんグムは天使かな?了承しといて。」
「分かりました!」
ここ最近は大きな争いもなく、多くのオペレーターが体力を持て余しているようだ。そのため訓練に気合が入りすぎて備品を壊したり、各々の趣味に身を投じた結果問題を引き起こしたりと、小さな問題が増えており、ドクターは文字通り理性を溶かしながらそれらに対処していた。ここ数日は特に忙しく、作業机の周辺には多くの紙が散らばっている。しかし、彼らの努力が実ったのか、ようやく問題の処理にも終わりが見えてきた。
「ふー…よし。残りは数件かな?どれも緊急性の高いものじゃないし、少し休憩にしようか。」
「まだ休んではいけませんよ。…と、言いたい所ですが、ドクターここ2日くらい寝てませんもんね。あまり無茶しても良くないですし、お昼くらいまで休みましょうか。」
「そうしようか。少し仮眠を取ろうかな。1時間後に起こしてくれる?」
「了解です。今何か掛けるものを持ってきますね。」
と、アーミヤが部屋の外へ出ようとした瞬間、ドアからノックの音が聞こえた。
「ドクター?いるかしら?スカジよ。」
「あ、スカジさん!戻ってきたんですか、あと1日休暇はありますが…。」
「久しぶりの長旅で少し疲れてね、明日は少しゆっくりしようかと思って、今日帰ってきたの?」
「なるほど!長旅お疲れ様でした。」
「ええ、ありがとう。ところで、ドクターはいるかしら?」
「いるよー久しぶりだね、スカジ。おかえり。」
「ええ、ただいま…って、なんだかすごく声が疲れているわね?大丈夫?」
「ああ、うん。ここ数日仕事が忙しくて、今丁度休憩に入ったところなんだ。」
「そう、アーミヤがいるから大丈夫だとは思うけれど、無理は駄目よ。」
扉越しに3人は会話を続ける。
「そうすると、少し時間を置いた方がいいかしら…。」
「おや?何か用事かい?」
「ええ、ロドスに帰ってきた報告と、」
それと、とスカジは言葉を続ける。
「師匠を連れてきたわ。」
「「ーーーーーー」」
つい思考が止まるドクターとアーミヤ。まさか本当に来たのかと、彼らは驚く。
「…あ、あの!お疲れのようなら、また後ででも大丈夫でしゅ!」
と、スカジではない声が聞こえる。おそらく、かの師匠の声だろう。彼女の声を聞くと同時に、ドクターは冷静な思考を取り戻す。
「…いえ、貴方との面会は非常に重要度が高い要件なので今会わせてもらおう。わざわざここまで来てくれたのに返すのも申し訳ないしね。…ただ、かなり部屋が汚れてるから、5分だけ準備させてくれるかな?」
「わ、分かりました!」
と、返事を聞くや否や大急ぎで床の資料を拾い始める。
「ごめんアーミヤ!もう少しだけ手伝ってくれ!」
「了解です!あ、ケルシー先生を呼んだ方がいいですか?」
「うん、一応連絡しておいて。」
「分かりました!…とりあえず、大急ぎで片付けましょう!」
バタバタと忙しそうに動き回る2人。一方その頃、扉のまでに立っているイージスは
「や、やりましたよスカジ!会話できました!」
などと小声で喜んでおり、スカジはそれに微妙そうな顔をするのであった。
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ぴったり5分後、2人は息を切らしながら、綺麗になった部屋を見て一安心した。
「ケルシーはどう?」
「連絡はしてみましたが、返事が来ません。…多分仕事中かと。」
「そう…まあ仕方ないね。今回は2人で対応しよう。」
「了解です。」
そこまで会話した後、2人は同時に深呼吸した。そうして息を整えたあと、ドクターは意を決して
「お待たせ、もう大丈夫だよ。」
と声をかけた。
ドアが開く。そこから現れた人物は2人。1人はドクターとアーミヤもよく知る我らがロドスのエース。そしてもう1人は、白を基調とした衣服を見に纏う少女であった。スカジの胸元までくらいしかない身長に、予想が外れたとアーミヤは驚く。そんな彼女は、かなり緊張しているのだろうか、顔を赤くして目線はあちらこちらへとぶれている。
「立ち話も何だし、そこにあるソファに座ってくれて構わないよ。」
「は、はい!しちゅれいしまひゅ!」
「「(あ、可愛い。)」」
噛みまくる師をみて呆れるスカジ。顔を赤くして俯くイージス。あまりに予想外な彼女の様子をみて、逆に緊張がほぐれた2人は内心でそう思うのであった。とはいえ相手の様子をアーミヤは心配して、
「あ、あの?大丈夫でしょうか?」
「…え、えと。その、あの……。……少しだけお時間もらってもいいですか?」
「うん、全然構わないよ。」
「あ、ありがとうございます。すいません、話すことに慣れていなくて、少し覚悟を決める時間が必要で。」
と言ったのち、何度も何度も深呼吸を繰り返すイージス。その様子をみてほんわかする2人、「コミュニケーション能力に難がある、ってこういうことか。てっきり相当な人嫌いかと思ってたよ。」と小さく呟くドクター。唯一その声を拾ったアーミヤもまた、小さく頷くのであった。
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10分ほど経っただろうか、初めは顔を青くして震えていた彼女も、今ではだいぶ慣れたのか、落ち着いて様子で座っていた。
「ーーすいません、お待たせしました。」
「いや、全然構わないよ。それでは改めて、ロドスへようこそ。えーと、イージスさん?で大丈夫かい?」
「スカジから話は聞いているみたいですが、一応私からも自己紹介を、スカジの師匠をしてます、イージスです。さんはつけなくて構いませんよ。」
「そう、僕はここのドクターをやってる。こっちは、」
「アーミヤです!ロドスのCEOを務めています。」
「…これなら大丈夫そうね。ドクター、私は部屋に「スカジはここにいてください。お願いします。」…何でもないわ。」
「…ごめんなさい。私、あまり会話が得意ではないようですので、早めに終わらせましょう。」
と、そう言ったと同時に、彼女の纏う気配が大きく変化した。こちらを押しつぶすかのような、凄まじいプレッシャー。まるで戦場にいるかのように錯覚する2人はその背中に汗を滲ませる。
「私がロドスに滞在するに置いて、いくつかの取り決めをしましょう。私にも、譲れないことはありますので。」
そう言葉を続けるイージス。分かっていたことだが、絶対に舐めてかかれる相手ではない。震える体を無理矢理に押さえつけて、これからの対話へ覚悟を決めるドクター。
ロドスとイージスの関係のこれからを決める重要な話し合いが今、始まろうとしていた。
珍しくイージスちゃんがあまりキョドらない回でした。相手にするのは組織のトップなので、迂闊な姿は見せられないと彼女はかなり気合をいれています。真面目な話が終わった後は、たちまちに元のポンコツに逆戻りします。
ちなみにイージスちゃんの身長は139cmです。アーミヤより小さいです。