トリガーライブ・スター!   作:内原戸哲夫

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ギリギリ1年経つ前に投稿!
お久しぶりです!!


11クーカー結成

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「歌えなくなったぁ!?」

 

 怪獣出現の影響で午後からの授業開始となった結ヶ丘の中庭に千砂都の声が響く。数日前に人前で歌う事が出来たのを嬉々と報告して来た幼馴染が、今度は肩を落としながらまた歌えなくなったと言って来たのだから無理もないだろう。目の前には酷く落ち込んだかのんが椅子に腰を下ろしており、その両サイドには可可とダイキが座って彼女のことを励まそうとしていた。

 

「うん……。何でか分かんないけど……」

 

「だ、大丈夫だよかのん!」

 

「そうデスよ! さっきは少し調子が悪かっただけデス!」

 

 彼らにそう声を掛けられるがかのんの表情は浮かない。

 

「前よりも酷くなってるかもぉ……」

 

 更に落ち込むかのん。フェスで1位にならなければならないというのに、これでは出場すら危うい。どうしよう……と頭を抱えていると1人の少女が近寄って来た。

 

 

 

「辞退した方がよろしいのでは?」

 

 葉月 恋である。

 

「申し訳ありませんが話は聞かせてもらいました。その様な状態でフェスに出ても醜態を晒すだけではないでしょうか?」

 

「そ、そんなこと無いデス! きっと本番では、歌える様になってマス!」

 

「現時点で無理なら本番だって危ういのでは?」

 

 淡々とした恋の返しに何も言えなくなるかのんと可可。厳しい言葉ではあるが、彼女が言うことも強ち間違いでは無いからだ。

 

「まだ時間はあるし理事長先生は許可してくれてるんだから、とにかくやれる事をやってみようと思う」

 

 助け舟を出したのは千砂都。

 

「別に問題は無い筈だよね?」

 

 そう言われては恋もこれ以上の文句は言えない。「貴女の練習の邪魔にならなければ良いのですが」とだけ言い残して去ってしまった。

 そんな恋の背中を、ダイキは見つめていた。

 

「ごめんね、みんな……」

 

「気にしないでかのんちゃん」

 

「そうですヨ! 大丈夫デス!」

 

 自分が歌えなくなったことで可可にも千砂都にも、ダイキにも迷惑を掛けてしまっている。自分が情け無く思えて胸の内が重くなっていた。溜め息が出てかのんは更に暗くなる。

 

「ごめん、僕ちょっと行ってくる!」

 

「え、行くって何処に? ダイキ君!?」

 

 千砂都がどうしようかと考えてる中、ダイキは立ち上がり恋が去っていった方向に駆け出していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 校内に入ろうとする恋の背をダイキは見つける。

 

「葉月さん!」

 

「ッ、貴方は……」

 

 呼ばれて振り返った恋。彼のことは理事長より頂いた資料で知っている。諸事情により男子でありながらこの結ヶ丘女子高等学校普通科に編入する事になった生徒。そして彼女にとっては忌々しい、スクールアイドル部の活動を支援している生徒でもある。そんな彼が自分に何の様だろうかと彼女は首を傾げた。

 

「僕は円淵 ダイキ。葉月さんに聞きたいことがあるんだ」

 

「……何でしょうか?」

 

「葉月さんは、どうしてスクールアイドルのことが嫌いなの?」

 

 ダイキの言葉に彼女は眉を顰める。

 

「僕もまだよくは知らないんだけどスクールアイドルってさ、みんなのことを笑顔に出来る凄いものだって思うんだ! だから葉月さんにも──!」

 

「必要無いからです」

 

 応援をして欲しい。そう頼もうとしたが彼女は食い入る様に声を放ってそれを言わせなかった。

 

「この学校にスクールアイドルは必要有りません。理由は澁谷さん達にも伝えている筈です」

 

「そんなこと……」

 

「貴方もあの様な事には加担せず、結ヶ丘の生徒として相応しい学生生活を送ることをお勧めします」

 

 そう伝えてから彼女は校内へと入っていく。その背をダイキは見送るしかない。

 彼女がスクールアイドルに対して強い敵意を向ける理由。それは一体何なのか、今の彼には知る由が無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 荒尾市。九州の中部、熊本県の北西端にある都市でそこには大きな遊園地があり、更にその近くには大きな建物があった。旧サイテックビルと呼ばれるその建物はかつてはサイテックコーポレーションと呼ばれる宇宙開発企業の保有する施設だったがその企業は既に解体され、現在はとある人物が居住する為だけの物となっている。

 

 そんな場所にアユは来ており、一室にあるソファーに腰を下ろしていた。目の前には壮年の男が椅子に座り、彼女が提出した資料を見つめている。ひとしきり読んだ後、男は資料を机に置いて彼女に穏やかな笑顔を見せる。

 

「相変わらず素晴らしい内容だ。そして本当に光になり、それを完全に制御するシステムを作り出すとは……。昔は僕も天才と言われたが、君はそれ以上だな」

 

「いえ、そんな事は無いです。私が開発したのはあくまでもGUTSハイパーキーに集束させたエネルギーを解放する為の機関。それに……」

 

 彼女の眉間に皺が寄る。本来なら、自分が光になる筈だったのに……。悔しそうな表情を見せるアユに、男は声を掛けた。

 

「光に成るのに、必要なのは何だと思う?」

 

「…………解りません」

 

「僕は、人の正しい心だと考えている」

 

「正しい心……?」

 

 男は優しく笑う。

 

「僕はかつて間違った心で光に成ろうとし、その結果多くの被害を齎した……。人が正しい心を持つこと。それが光に、ウルトラマンに成る為に必要なものだと僕は思っている」

 

「………」

 

「………まあ、僕が言えた事じゃないか」

 

 そう言って自嘲する男に、アユは何も返すことが出来ない。

 ポケットから、今朝完成した青いGUTSハイパーキーを取り出して握る。自分では光に成る事が出来ないのか……?

 悔しい思いが、キーを握る力を強くさせた───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから暫くし、ビルを出て立ち去っていくアユを男は窓から見つめていた。真っ直ぐと伸びている背中ではあるがそこからは怒り、悲しみ、虚しさ、そして無念さが滲み出ている。

 

 思わず出てしまう溜め息。自分では彼女の心にある痼りを除去する事は出来ないだろうと思うと虚しさを感じてしまう。

 

「彼女、大丈夫でしょうか……?」

 

 すると眼鏡を掛けた小太りの男が、部屋に入って来て彼に声を掛けた。この男は彼の事を慕っており、身の回りの世話を焼いている古くからの友人だ。

 

「………どうだろうな」

 

 彼女が抱えているものを彼も知っている。そしてそれが簡単には払拭出来ないものであるという事も。

 

「切っ掛けが有れば或いは……かな。だが、その切っ掛けを作れるのは僕らではないだろう」

 

 男は空を仰ぎ、過去を思い返す。

 

 

 

 

 

 

 

 街に響き渡るリヒャルト・ワグナー作曲の「タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戦」と仰々しい演説。そしてそれをバックにして大地に立つ巨人。黄金色に輝きながらその姿を人々に見せつける。

 

 

 

───私は進化した人類だ。愚かなる旧人類は、私に導かれる事だけが生き延びれる道だ。

 

 

 

 自分は神に近付けた。人類などという矮小な存在から進化出来たのだと信じて疑わなかった。決して間違ってなどいない。自分こそが愚かな旧人類を導く光なのだと。

 

 だが、その傲慢が次第に闇へと変わっていく。

 

 少しずつ失われていく光。理解出来なかった。理論は完璧な筈。必要な物も全て揃っていた。鍛え抜いた肉体、揺るがない精神、器となる像、自身を光に変換するシステム、そして光に成る為に必要な神器。

 何の問題も無かった筈。なのに何故……?

 

 拡がり始めた闇が、光を影へと堕とす。

 

 そこに立っていたのは人を導く存在などでは無い。間違った心により邪悪(イーヴィル)となってしまった哀しき巨人であった。

 

 

 

 

 

 過去の大きな誤ちを思い目を伏せる。

 

「正木さん……?」

 

 心配しながら丹後 祐二が、男に声を掛けた。それに対して男は、正木 慶吾は笑みを返す。

 

「信じようじゃないか。彼女ならきっと、我々の様な誤ちは起こさないと」

 

 きっと大丈夫。今はそう信じるしかない。

 彼女の中には光がある。それだけは間違いないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 歌えなくなったかのん。そんな彼女を再び歌える様にする為の作戦は混迷を極めていた。

 

 まずは千砂都が考案したバイト作戦。かのんが歌えなかった原因はプレッシャーであると千砂都は分析した。そこで彼女がバイトしているたこ焼き屋でかのんに働いてもらうことでそのプレッシャーに打ち勝つだけの強さを身につけてもらおうと考えたのだ。

 

 普段喫茶店の手伝いで接客には慣れているが、こう言った不慣れな状況に対応出来れば変われるかも知れないという魂胆もある。

 

「これならきっと、かのんちゃんも歌える様に───!」

 

 だが作る状況と歌う状況というのは別物であり、残念ながらかのんが歌えることは無かった。

 

 

 

 かのんがバイトを頑張っている間、可可とダイキは美味しそうにたこ焼きを頬張っていた。

 

 

 

 

 次に試されたのは可可発案による衣装作戦。可愛い服を着ることによって気分を上げ、歌える様にしようというものだ。とある服飾店に入り、試着室に入れられたかのんは可可から幾つもの服を渡される。

 

「こ、こんな可愛い服似合わないよ!?」

 

「そんなことないデス! かのんさんなら間違い無く似合いマス!」

 

「うんうん! 絶対可愛いよ!」

 

「僕もそう思う! かのん、着てみてよ!」

 

 3人から強く勧められ、彼女は渋々着せ替え人形になる……。

 オレンジのワンピース、ゴスロリ風、イエローの上着に水色のスカート、とにかく様々な衣装を着ていき、その度に3人は大絶賛。スマホで何枚も写真を撮る。

 

「よし、これをサクッとSNSに……」

 

「消して」

 

「大丈夫、ちょっと拡散して“いいね”をたくさん貰うだけだから」

 

「大丈夫じゃない!!」

 

 

 そんなこんなありながらも、結局この作戦も失敗に終わる事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「スマイルスマイルー!」

 

「ス、スマイルぅ……」

 

 最後に行われたのがダイキ考案、その名も「スマイル作戦第一号」。彼曰く、とにかく笑顔になれば自然と歌える様になる筈とのこと。確かにスクールアイドルに笑顔は必須。恥ずかしさを感じながら、かのんは両手の人差し指を頬に当てながらぎこちない笑顔を作っていた。

 

「ほらかのん、もっと笑顔で! スマイルスマイル!」

 

「スマイルスマイル、デスぅ〜!」

 

「スマイルスマイル、マル〜!」

 

 可可と千砂都もノリノリでダイキの真似をしている。かのんも頑張っているのだが、今これをやっているのが原宿の通りという事もあり、多くの人の目に付いて彼女的にはかなり恥ずかしい。実際、4人の行動を見た通行人はクスクスと笑っている。

 

「ぐぅぅ……こ、こんな所じゃなくてもっと人が少ない所でやろうよぉ……」

 

「何言ってるの! スクールアイドルになったらもっともーっとたくさんの人に見られるんだから、これくらい慣れないと!」

 

「ダイキさんの言う通りデス!」

 

「うんうん!」

 

「ううぅ……」

 

 頑張るがやはり恥ずかしさが先行して紅潮し、ぎこちない笑顔になってしまう。

 

「かのん、頑張って! これが出来れば、きっと歌えるよ!」

 

「かのんちゃん!」

 

「かのんさん!」

 

 笑顔で迫る3人。なかなか圧が強い。

 かのんも、それに応える為に頑張って笑顔になり歌おうとするが……。

 

「や、やっぱり無理ぃぃぃぃぃ!?」

 

「え、ちょ、かのん!?」

 

 走り出してしまうかのん。まだ彼女には、ハードルが少し高かった様だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり無理だよぉー! そう簡単に歌えるなら、今まで苦労してないよぉー!」

 

 かのんの部屋にて彼女はベッドに腰を下ろして天井を仰いだ。どれだけ頑張っても歌うことは出来ず彼女の心は少し荒んでいた。

 

「ごめんねぇ、みんなぁ……」

 

「だ、大丈夫デスヨ!」

 

「クゥクゥちゃんは、かのんが歌えたところ見たんだよね?」

 

「はい!かのんさんは歌えました! 可可はそれをこの耳で聴いてこの目で見ました!」」

 

 力を込めてそう言う可可。

 

「偶々だよぉ……」

 

 しかし彼女は偶然だったと言って更に沈む。

 また歌えなくなり、可可達に迷惑をかけてしまう自分に嫌気が差す。

 

「大丈夫デス!」

 

「でも、また歌えなくなったんだよ……」

 

「だったら、今は無理に歌おうとするのはやめまショウ! 本番では、可可が1人で歌いますカラ!」

 

 可可の発言にかのんは思わず「えっ?」と声を漏らした。歌えないのなら無理はせず、今回は一緒にステージに立ってくれるだけで大丈夫。その後でまた歌える様になれば良いと。

 

「クゥクゥちゃん……」

 

「フェスが終わってからまた歌える様になれば大丈夫デス! かのんさんが歌える様になるまで、応援すると可可は約束しましたカラ!」

 

 あの日かのんと交わした約束。それを果たす為にも今は自分が頑張らなければと可可はぐっと拳を握る。彼女の優しさに嬉しくなるが同時に罪悪感も覚えていた。自分がちゃんと歌えていれば……。

 

「そうだ! 可可、皆さんに見せたい物がありマス!」

 

「見せたいもの?」

 

「はい! だから着いて来て下サイ!」

 

「今から!?」

 

「はい!」

 

 そう言う可可に連れられ、かのんと千砂都、ダイキは部屋を出るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 店舗スペースに降りて来たかのん達は1人で店番をしているショウゴと出会う。

 

「何だ、また出掛けるのか?」

 

「うん、ちょっとね」

 

「お兄さん、かのんさんのことお借りしますネ!」

 

 それから「行って来ます」と「お邪魔しました」を言って店を出る4人を適当に手を振って見送るショウゴ。それから彼はテレビを付けた。

 どのチャンネルも、話題にしてるのはウルトラマントリガーのことばかりだ。

 

「まあ……そうなるよな……」

 

 約15年振りに現れたウルトラマン。話題になって当然であろう。唯一ウルトラマンを話題としてない、子ども向けの番組を流していたチャンネルに変えてから洗い物に手を付ける。するとドアベルが鳴り、ショウゴはそちらに目線を向けた。

 

「いらっしゃ……またお前か……」

 

「はぁーい♪アヤメちゃんでーすっ♪」

 

 南天 アヤメ。ショウゴを慕う女子大生であり、かのんやありあからは疎まれてる者。現在母は買い出し、ありあは居らず、かのんも先程出て行ってしまったので今彼女の対応が出来るのはショウゴしかいない。

 面倒な相手の登場。彼の眉間に皺を寄せながら、彼は適当にブラックコーヒーを入れて自身の目の前のカウンター席に座った彼女に出した。

 

「えー! アヤメ、ブラックは飲みませんよぉ〜?」

 

「…………チッ」

 

「わぁーい! 先輩、ありがと♪」

 

 コーヒーを下げてオレンジジュースを出す。それを受け取ったアヤメはニコニコしながら礼を言う。

 

「ごくごく♪う〜ん、美味しいです♪」

 

「それ飲んだら帰れ」

 

「えー!? せっかくだからお話しましょうよぉ〜?」

 

「今更お前と話す事なんざ何もねぇ」

 

「それってぇ、お互い話さなくても心が通じ合ってるってことでぇ、つまりアヤメと先輩はラブラブってことですかぁ? いやーん♪」

 

 彼女の勝手な言い様に溜め息を吐く。溜め息を吐く度に幸せが逃げるというらしいが、それが真実だとしたら自分の不幸は全てこの鬱陶しい後輩の所為だなと心の中で毒吐いた。

 そんな彼の胸の内など気にもせず、アヤメはいろんな事を話して来た。何でこんなにも会話のネタがあるのだろうかと少しだけ感心しながらその言葉に耳を傾ける。

 

「実はアヤメ、また告白されちゃったんですよぉ〜!」

 

「どうでもいいな」

 

「同じ学科の男の子なんですけどぉ、見た目は悪くないしぃ」

 

「なら付き合え」

 

「でもアヤメは先輩一筋ですからぁ〜♪」

 

 多くの幸せがまた逃げ出す。彼女の容姿は非常に整っているのだが、ショウゴからしたらただの鬱陶しい後輩でしかない為そんな事言われても迷惑でしかない。

 

「嬉しいでしょ、先輩?♪」

 

「全然」

 

「またまた〜♪本当はアヤメのこと大好きなクセにぃ〜♪」

 

 最早逃げる幸せも無い。ただただ天を仰ぎ、早い家族の帰りを願うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「これは……!?」

 

「す、凄い……!」

 

 可可に連れられて来た3人が見せられたのは巨大な看板。可愛らしいハートや星、そしてデフォルメされたかのんと可可が描かれたそれには「クーカー」という文字が記されていた。

 

「クーカー、って?」

 

「かのんさんと可可のグループ名デス! かのんさんの“か”と、可可の“く”を合わせてクーカーにしまシタ!」

 

 なるほど、と感心するかのん達。更に可可はダンボールに入った大量のペンライトも出して来た。

 

「ダイキさんと千砂都さんにお願いがあって、このペンライトを可可達を応援してくれる人達に配って欲しいんデス!」

 

「これで2人のことをみんなで応援出来るんだね! 分かった、僕達に任せて!」

 

「私もやるよ!」

 

 ダンボールを受け取るダイキ。そこそこの重さがあり少しだけ蹌踉ける。

 

「これ全部、練習しながら作ったの?」

 

「はい! 可可、こういうのは得意デスから!」

 

「凄いよ、可可ちゃん!」

 

 褒められて嬉しそうな可可。

 一方、かのんはその大きな看板をじっと見詰めていた。苦手な運動やダンスを全力で頑張りながらこんな凄い物まで作ってしまう彼女の情熱は凄まじい。それに比べて自分は歌う事が出来なくなり足を引っ張っている。

 

 何をやっているのだろうと自己嫌悪が加速する。その時……。

 

说谎()!?」

 

 可可の驚いた声が響く。彼女はスマホを見て何か驚いていた。

 

「どうしたの可可ちゃん?」

 

 ショウゴが聞くと、彼女はワナワナと震えながら口を開いた。

 

「………ニパ様が……」

 

「ニパ?」

 

「様?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「サニパ様があああああああああ!?」

 

 

 

 

 どうやら彼女達の受難は、まだまだ終わらなそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






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