アダムス操縦士学院   作:藤咲晃

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14話 奮闘

 爆発に呑まれたオルディスは機能停止に陥り、グラウンドに膝を着く。

 

『やべぇやべぇ! 操縦士の意識危険域に急低下、生命維持術式展開!』

 

 オルディスの声がCクラスの生徒の耳に届く。

 機体が消えていない以上、ガイは生きている。

 しかしオルディスが聴きなれない用語を連発していることから、ガイが危険な状況にあることには変わりない。

 戦場化したグラウンドからガイを助けなければならない。

 クラスメイトが決意を固めると。

 街から学院に侵攻する単眼の騎士人形の姿が映り込む。

 最悪オルディスが破壊されるか、連れて行かれるの何方か。

 Cクラスの生徒達はガイを助けるべく行動に移す。

 

「ディアスさんを急ぎ回収します! マリア、トリア、ミリムは私と一緒に魔術で迎撃! ハーバーさん、ブルークスさん、フォンゲイルさんは単眼の騎士人形の牽制をお願いします」

 

 エレンに名を呼ばれた生徒は頷く。

 彼女は指揮官だ。故に彼女の指示は教官の次に効力を発揮する。

 特に緊急事態ならなおさら。

 そして名を呼ばれなかった生徒は、エレン達の防衛に入る。

 同時にエレンはレナとリンに視線を向けた。

【防御結界】を発動できるネメシスと速度に優れた琥珀の騎士人形イルソンが正に適任だとエレンは考えた。

 

「ディアスさんの回収をお2人にお任せします」

 

 エレンの采配に2人は強く頷き、窓の縁に足を掛けた。

 いつでも飛び出せるように。

 

 そしてエレンはマリア、トリア、ミリムと同時に騎士人形を召喚し、オルディスに近付く単眼の騎士人形に魔術を放つ。

 牽制目的でオルディスを巻き込まないように、細心の注意を払いながら。

 次にデュラン達が動く。

 なおも進軍する騎士人形に対して、それぞれの武器を振り牽制に入る。

 そんな時だった、ザナルは敵機から強い違和感を覚えたのは。

 

「……こいつらの動き、何処か固いな」

 

 自爆した操縦士は恐らく即死。

 死を恐れない集団自爆。

 加えて騎士人形特有の人体レベルの動きが無い。

 

「まさか無人なのか?」

 

「ザナル。それは幾らなんでも有り得ないじゃないか? だって騎士人形を製造できたのは、3人の偉人だろう」

 

「貴様はバカか? 4000年だ。騎士人形が誕生して4000年の時が経ったんだ。なら何処かの国が騎士人形を形だけでも模倣できたとしても可笑しくはない」

 

「そうなるかぁ。なら、動力源は蒸気機関か?」

 

 単眼の騎士人形の自爆時に見せた蒸気の熱気から、デュランは動力源に当たりを付けていた。

 

「……何にせよ推測は後にするとしよう」

 

 ヴォルグは近付く単眼の騎士に槍を向け、突っ込む。

 牽制を目的に決して敵機を傷付け無いように。

 デュランとジンは、応戦しながらオルディスの方に視線を向けた。

 オルディスに駆け付けるネメシスとイルソン。

 近付く単眼の騎士人形をネビル達の魔術が寄せ付けない。

 これならオルディスを回収して、あとは撤退すれば何とかなる。

 デュランは少なくともそう考えていた。

 

 リンはイルソン越しから停止したオルディスを見詰める。

 自分は忍びなのに、2度も彼に助けられた。

 本来ならそこで倒れているか、連れて行かれていたのは自分とレナだ。

 あの時ガイが庇わなければそうなっていた。

 リンは自身の不甲斐無さから唇を噛み締める。

 

『リン、今は回収優先。オルディスが生命維持にマナを使用している間がタイムリミットよ』

 

 つまりマナ切れになればガイの生命維持は止まる。

 それは彼の死を意味する。

 救出後、彼を保険室の生命維持用の魔法陣で寝かせなければならない。

 

『分かってるよ」

 

 言われなくとも分かっている。 

 頭でイルソンにそんな愚痴を零しながら、リンはイルソンを動かす。

 オルディスを背後から持ち上げ、校舎まで運ぶ。

 それで事は終わる。

 あとはオルディスがガイを離脱させ、保健室に運べば生命を繋げる事ができる。

 イルソンがオルディスを持ち上げると、騒々しい警告音が鳴り響く。

 

『上から来るよ!』

 

 イルソンの声にリンは、イルソンのブースターを噴射させ、オルディスごとその場を離れた。

 瞬間、遂にさっきまでオルディスが居た位置に風の刃が降る。

 地面に刻む斬撃痕にリンは悟った。

 遺跡内部で奇襲した何者かが来たのだと。

 リンが上空に視線を向けると、そこには真緑の騎士人形が滞空し、大剣を構えていた。

 

「リンは回収を急いで!」

 

 レナの叫びに、イルソンがオルディスと校舎に向けて飛ぶ。

 

「悪いけど、ソイツはこちらが貰う!」

 

 真緑の騎士人形──フォレスがブースターを噴射させリンに迫る。

 振り抜かれる大剣にリンの舌打ちが響く。

 このままではオルディスが斬られる。

 今のガイに致命傷を与えるには十分すぎる衝撃だ。

 イルソンはオルディスを庇うように背を向ける。

 

 フォレスは魔術が飛来する中、決して速度を緩めずイルソンのガラ空きの背中に大剣を振り下ろす。

 しかしいつまでもリンに斬られた痛みはやって来ず、彼女が訝しむと。

 

「させないわよ」

 

 加速速度を上乗せした大剣を、騎士剣で真正面から受け止めたネメシスの姿がそこに在った。

 

「学生にしてはやるじゃないか」

 

 軋む騎士剣の刃に、レナは大きく息を吐き出す。

 後方には既に動き出したイルソンとオルディスの姿。

 これで彼女が離脱する時間を稼げる。

 

「学生を舐めないで」

 

 ネメシスが翼を広げ1歩踏み込み、騎士剣で大剣を押し返す。

 同時に背後からネメシスを超え、魔術がフォレスに飛ぶ。

 押し返され機体のバランスが崩れる中。

 敵の操縦士はそれを各部のスラスターをごく僅かに噴射させることで、機体バランスを立て直すと同時に飛来する魔術を避けて見せた。

 絶妙な加減と瞬時の判断力にレナは眉を歪める。

 

『気を付けて、間違いなく格上よ』

 

『うん。だけど負けられないわ』

 

『負けず嫌いなのも良いけど、貴女まで停止に追い込まれたら危険よ』

 

 自分が停止に追い込まれれば、今度は誰かが助けるために向かう。

 仲間の回収、停止、回収。悪循環が生まれ、Cクラスは全滅してしまう。

 

『敵機の情報は無いの?』

 

『有るわ。能力【時間停止】に気を付けなさい』

 

 名前通り時間を停止させる能力。

 そんな能力を一体どうやって防げば良いのか、レナは頭を抱え込む。

 こっちの能力やヴォルグの能力も大概だが、世界の時間に干渉する程の能力を保持した機体。

 なぜそんな能力を魔術師シキが組み込めたのか。

 視界で揺れ動くフォレスにレナは頭を振った。

 疑問よりも先ずは敵を止めることが先決だ。

 ネメシスは騎士剣を弓矢を引き絞るように構える。

 

「一丁前に宮廷剣術を扱えるのか……となると貴族、声からして娘。貴族のご息女を確保したとなれば、少しは交渉のカードになるか?」

 

「残念だけど、私の家族はテロに屈しないわよ」

 

 嘘だ。祖父も両親も操縦士の現状に心を痛めている。

 だから操縦士の立場を少しでも改善できるように、お姫様と政治的に動いている。

 優しい両親と祖父のことだ、自分や学友がテロに身柄を確保されたとなれば屈してしまう。

 それこそ全ての立場を捨ててでも。

 

「そうか。なら悪いけど眠ってもらう」

 

 フォレスの大剣に風が纒わり、次第に暴風へと変わりゆく。

 刃を軋ませ、渦巻く暴風。機体が吸い寄せられそうな吸引力にネメシスが引っ張られまいと堪える。

 引き寄せられた残骸と砂塵が暴風に囚われ、

 

「うおっ!? 何つう風だよ!」

 

 単眼の騎士人形と交戦中だったデュランの声。

 

「今は耐えることに集中しろ! レナ、君もその場から離脱を!」

 

 ザナルの心配するような声に、レナは首を横に振る。

 背後にエレン達と校舎が有る。

 騎士人形に搭乗したCクラスの生徒は無事になるが、他クラスの生徒と避難した市民が巻き込まれかねない。

 

「何とかして見せるわ」

 

「無茶を……いや、君は負けず嫌いだったな」

 

「そうよ、私は負けず嫌い。だから避ける訳にはいかないのよ」

 

 自分は貴族の娘だ。

 だからこそ貴族の責務に従い、あの魔術を受け止める。

 強い決意を固めたレナはタイミングを測る。

 こちらが敵機の能力を情報として知っているように、向こうも同じだ。

 なら勝負は能力を使うタイミングで決まる。

 

 ネメシスは騎士剣を突き出す形で突進を仕掛ける。

 それに対してフォレスは容赦なく、暴風を振り下ろした。

 暴風の刃と巻き込まれた残骸がネメシスに迫る。

 

『ネメシス!』

 

『《陣は硬く円は強固に、我が身、友の身を守護せよ》」

 

 レナの代わりにネメシスが呪文を詠唱する。

 ネメシスの頭部に暴風の刃が迫る直前。

 障壁が暴風の刃を弾き、残骸が弾かれた。

 

「【防御結界】! 展開中は内外のあらゆる攻撃を跳ね除ける絶対防御! だが展開中は攻撃できない!」

 

 フォレスは加速を掛け、接近と同時に機体の右側のスラスターを噴射させ、ターンを掛ける。

 そして背後を取ったフォレスは乱雑に結界を斬り付けた。

 弾かれた端から、何度も何度も刃を結界に叩き込む。

 

『マナ残量87パーセントまで低下よ』

 

『まだよ、あと10秒は維持して!』

 

 レナは全意識を集中させる。

 絶対に来る好機を掴むために。

 何度もフォレスが結界を叩き斬る中、時間が訪れた。

 フォレスが振り下ろした大剣は、結界が突如消えることで空振り。 

 刃がネメシスの背中に振り下ろされた。

 しかしネメシスは機体の左側に晒し、騎士剣を振り抜く。

 空振りに終わった大剣、ガラ空きのフォレスの頭部に騎士剣の刃が迫る。

 そんな光景に誰しもが決まったと確信を抱いた。

 

「甘いな!」

 

 フォレスの操縦士のそんな一言を境に、ネメシスは動きを止める。

 正確にはフォレスを中心にした時間が停止した。

 そんな光景にジンは訝しむ。

 

「おい、何でレナは止まって?」

 

「不味い! あれは奴の能力だ!」

 

 ヴォルグは単眼の騎士人形から背を向け、ネメシス向けて飛ぶ。

 しかしそれより早くフォレスは大剣を振り上げた。

 停止した時の中でフォレスの操縦士は残念に思う。

 

「操縦センスは有った。ただ駆け引きが経験不足だったな」

 

 惜しいがネメシスはここで破壊する。

 でなければ組織の脅威に成長し得る存在だからだ。

 操縦士は学生の命を奪うことにわずかに躊躇う。

 自分はこんな事のために組織に入った筈じゃなかった。

 それでもフォレスは意を決して大剣を振り下ろす。

 ネメシスを頭部から真っ二つにする勢いで放った一撃。

 しかし刃が頭部に到達するよりも速く、突然、風を斬る音が操縦士の耳に入る。

 そして何かがフォレスの両肩の関節部に突き刺さった。

 

「ぐっ!? 何だ?」

 

 両肩に伝わる鋭い痛みにフォレスの操縦士は苦痛に顔を歪め、その動きを止めた。

 

「危ないところでしたね」

 

 停止した時間の中で声が遅れて響く。

 操縦士は横合いに眼を向けた。

 そこには能力の範囲外から何かを投擲したイルソンの姿が在った。

 フォレスはネメシスから距離を取り、時間停止を解除する。

 空を斬り裂くネメシスの騎士剣にレナは眉を歪める。

 

「居ない? そっか、能力で」

 

「レナ……あの能力は効果範囲が限られている様ですよ。つまり遠距離から仕掛ければ大丈夫かと」

 

 駆け付けたリンの声にレナはほっと胸を撫でおろす。

 

「そうなるわよね。でも私は攻撃魔術は不得意よ」

 

「実はあたしも何ですよね。でも今からあたしは本業に戻ります」

 

 冷え切ったリンの声にレナは息を呑む。

 本業、つまり忍びとしての暗殺術を繰り出すだと本能が理解する。

 イルソンから滲み出る静かな殺気。

 そして空間からクナイを取り出した。

 空間魔術。術者の任意の位置に固有空間を開き、内部から必要な道具を取り出す魔術。

 人が扱える中で高度な魔術の1つだ。

 

「リン、凄いわね空間魔術を扱えるなんて」

 

「忍びにとって空間魔術は暗器を隠すための便利な魔術ですから、習得は必須事項なんです」

 

 ヤマト連合国の影の護衛者。

 部隊規模で空間魔術を扱える忍びに、レナは末恐ろしさを感じながらイルソンの隣に立つ。

 

「殺害はダメ。捕縛して情報を聞き出す方が先決よ」

 

「……そうですね。すみません、少々頭に血が登っていたようです」

 

 そう言いながらイルソンはクナイを投擲する。

 両肩の関節部に突き刺さったクナイの影響で、大剣が振れないフォレスは、クナイの軌道を見切る。

 機体を横に跳躍させ、クナイを避けると。

 フォレスの頭上を影が覆う。

 強引に機体を後方に跳躍させると、地面に鉄球がめり込む。

 

「手品か?」

 

「忍びの技術です」

 

 いつの間にか背後に周りこんでいたイルソンに、フォレスの操縦士は眉を歪める。

 小太刀の斬撃をフォレスは、強引に機体を振り回すことで大剣で弾かせた。

 イルソンのの手元から離れる小太刀、同時に背後から迫るネメシスに操縦士は舌打ちする。

 

「チッ! 肩のクナイを抜くことが最優先か」

 

 フォレスは再度能力を発動させる。

 時間停止に巻き込まれたネメシスとイルソン。

 しかしフォレスの背後から衝撃が襲った。

 

「くっ?!」

 

 何事かと背後に視線を向けると、そこにはもう1機のイルソンと多数の騎士人形が立っていた。

 

「同型がもう1機? そうか、イルソンの能力か!」

 

 過去の騎士人形の能力を書き記した書物に、分身を作り出す能力を有する騎士人形が存在すると記載されていた。

 【分身】それがイルソンの能力だ。

 

「皆さん、やっちゃってください」

 

 リンの声にエレン達は同時に魔術を放つ。

 決してネメシスに当てないよう、繊細な制御を加えながら。

 フォレスは時間停止内で飛翔する。

 迫る幻想の刃、火球、雷鳴、岩石。

 フォレスはブースターを噴射させ、魔術の隙間を縫うように動き、魔術を避けて見せた。

 しかし避けた筈の幻想の刃がフォレスの脚部を斬り付ける。

 

「っ!?」

 

 厄介な魔術を扱う生徒が居る。

 大剣を封じられた以上、操縦士が幻想の刃に対抗する手段は決して無い訳では無い。

 生徒に使うまでも無い切札がフォレスの操縦士には有った。

 フォレスは能力を解除し、機体をCクラスに向ける。

 やがてフォレスはブースターを噴射させ、加速をかけようとした時だった。

 

「時間切れだ」

 

 ヴァンの声に訝しむ。

 

「なに?」

 

 瞬間、フォレスとゲオルグの間に一閃が走った。

 太刀を居合に構えた白の騎士人形に、フォレスの操縦士は戦慄を浮かべる。

 

「クォールの操縦士、鬼神か!」

 

 北部戦線で帝国の騎士人形部隊を少数の部下と撤退に追い込んだ英雄。

 王都方面に引っ張り出したクオン・シキサキが2人に濃密な殺意をぶつける。

 

「どうやらわたしの生徒を重症に追い込んだようだな」

 

 静かに怒りが滲んだ声。

 クォールの指先がわずかに動く。

 甲高い金属音が鳴り響いた。

 同時にフォレスの右腕部が地上に落ちる。

 

「……は?」 

 

 機体が刻まれたダメージを認識するよりも早く、右腕部が斬り落とされた。

 そう理解した頃には、フォレスの操縦士に斬り落とされるのと同じ激痛が右腕を襲う。

 幻覚的な痛み、それでも意識が飛びかけ視界が点滅する中、フォレスはゲオルグに引っ張られる形で撤退を開始した。

 

「逃すとでも?」

 

「置き土産だ、受け取れ」

 

 地上に居た単眼の騎士人形が一斉にクォールに向けて飛翔する。

 蒸気を発しながら迫る様子に、デュランが叫ぶ。

 

「教官! そいつは自爆するんだ!」

 

 デュランの声にクオンは笑みを浮かべる。

 なら対応は簡単だと。

 クォールは居合の構えを取る。

 そして殺到する単眼の騎士人形の群れを、一閃が薙ぎ払う。

 一瞬で腹部にかけて両断された機体。

 クォールはブースターを最大出力でグラウンドに急降下した。

 すると一斉に単眼の騎士人形は爆発を起こし、残骸がグラウンドに降り注いだったのだ。

 

「諸君、テロリストは離脱を開始した。我々教官陣は軍部と協力し掃討戦に移る。やって本日の学業は中止、寮内待機を命じる」

 

「あの、ディアスさんが保険室で昏睡状態なのですが」

 

 リンの声にクオン教官は驚きを隠せなかった。

 少なくともガイならフォレスの操縦士を相手に遅れを取ることは無い。

 

「彼の身に何が有った?」

 

 そこでガイに何が起きたのか、生徒達の証言で理解する。

 単眼の騎士人形が自爆することをいち早く見抜いたガイは、その情報を防衛に動いていた先輩達に伝え、不意を突かれたのだと。

 クオン教官はこれから軍隊として制圧に向かわなければならない。

 昏睡状態の生徒を1人残すことは憚られる。

 だからクオン教官は軍人として教官として命令を出すことに決めた。

 忍び。それも自分の姪っ子なら何が有ってもガイを守り通せると判断して。

 

「成る程。ではシキサキにはディアスが目覚めるまで護衛を任じる」

 

「任せてください」

 

 そんな返答にデュランが口を挟む。

 

「あの! 自分も良いですかね?」

 

「ダメだ。保険室は君の得物を扱うには手狭だ、それに護衛人数が増えれば増えるほど油断が生じる」

 

「けど!」

 

「ダメだと言った。ディアスの護衛を買って出たい者はハーバーだけでは無い、彼らの意志も汲み取ってやれ」

 

 クオン教官の静かな声にデュランは生徒に振り向く。

 騎士人形が握り締める拳にデュランはハッとする。

 悔しい。ガイが目の前で自爆に巻き込まれた時、何も出来なかった自分が。

 そんな同級生の想いを感じ取ったデュランは引き下がる。

 そしてクォールはラピスの空を舞うのだった。

 

 それから昨日行われたガイ達の調査により、遺跡内部に突入した軍部は目にした。

 既に引き払われた後の拠点を。

 そして単眼の騎士人形の存在、搭載された蒸気機関が波乱を呼び起こす呼び水となる事を──軍部は理解する。

 

 

 




前話含めて主人公に主人公補正などはありません。(主人公とは一体?)
寧ろサブキャラに補正が入っているかも……
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