第1話
熱い。
今にも溶けてしまいそうな高熱が自分の身体を包もうとしているのが分かる。
数メートル先に黒い人型が立っている。
ただ呆然と立ち尽くすだけ。その繰り返し。声を出そうにも不思議と出てこない。
そんな泡沫の夢の話。
「朝か。」
翼樹 勇気(つばき ゆうき)。この間まで中学生だった俺の名前。
布団だけの部屋で聞き飽きたアラーム音で目覚める。
今日から高校1年生。気持ち的な変化はピンと来ない。
きっと誰もがそうだと思う。新生活への期待。新たな学舎への不安。このような心情も貴重なものなのかもしれない。
身支度を済ませ、寝てる父ちゃんと「心配そうに」見送る母ちゃんに軽く挨拶をしたら高校へ向かう。
そう。「戦いの日々」に……
桜並木の道を歩いていると後ろから聞きなれた声が聞こえる。
???「おはよ」
素っ気ない挨拶だ。
勇気 「おう」
気の抜けた声で答える。
???「新生活だよ?もっと明るくいようよ」
勇気「朝弱いんだよ、知ってるだろ?」
???「相変わらずだね。」
こいつは水島隼人(みずしまはやと)
小学校からの付き合いの友人だ。中学では部活に明け暮れてあまり付き合いはなかったが家近く、オマケに通う高校も学科もおなじ。
人の巡り合わせというのは分からないものだ。
そうしてしるうちに学校に着くなり隼人が言う。
隼人「とんでもない広さだね」
勇気「1日かけても回れないっていうからな」
隼人「楽しみだなぁ。教室行こうか」
勇気「おぅ」
また気のない声で返事をした。
靴を履き替えて、慣れない校舎を観察しつつ教室に着く。
「1-r組」 ここが俺たちの教室だ。
中に入ると、俺と隼人を含む20人の生徒がいた。いわゆるヤンキーにふくよかな奴。いかにもガリ勉そうな奴。豪快な体のやつ。そんな見た目だけのくせが半端ない中に女子は2人だけ。
1人は高飛車で気の強そうなやつなんだがもう1人は気の弱そうなオドオドした女の子だ。
まあ少ないのも無理もない。
これから俺達のやることは決して普通ではない。まして女の子がやるようなことでもないのかもしれない。
相変わらず隼人と話してるうちに入学式の時間になった。
どうやら俺たちの学科だけは別の棟でやるらしい。
移動を終え指定の席に座る。
特段目立つところのない普通の講堂のような場所だ。ただ少しこじんまりしている。
そして起立、例とどこでもあるような挨拶を交わしたあと
スーツ姿でガタイの良い中年が登壇しこう言った。
「20%」
突拍子もないセリフに俺含むクラス全員が頭にハテナを浮かべ、え?という声をこぼす人間もいた。
??? 「20%、これはお前らが五体満足で生きてこの責務を全うできる確率だ。お前らがどこまでの人間か、俺が試させてもらう。」
??? 「そのためにお前らがこれから4年間。戦う為の技術指導を執り行う 倉田 圭一郎(くらたけいいちろう)だ!」
そう俺たちは今の一瞬から普通の人間ではない。
命を懸けて危険を顧みず戦う
仮面ライダーだ。