魔人さんと無欲少女   作:ほやしろ

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#9 無欲少女、魔界の医者になったりする

 五木(いつき)荘に来てから年末年始限定で、咲は近くの神社で毎年助勤をしている。

 メインで働いているくろねこケーキ屋同様、巫女装束に憧れのあったことが理由の一つである。何より咲にとって礼儀や言葉遣いなどの作法を学ぶ良い機会であり、自分を律して新たな一年を迎えることができるからでもあった。

 

 その日の元旦も咲は早い内から神社へ奉仕に向かっていた。特に去年の冬は頬をつねりたくなるような出来事が二重三重に起きたので、奉仕中、咲は以前にも増して立ち居振る舞いに気を配った。

 

 昼過ぎ頃、咲は五木荘へと帰って来た。

 早朝から変わらない寒さではあるが日差しのおかげで幾分ましになっていた。庭の芝に付いた朝露が太陽に照らされきらきらと反射している。咲は晴れやかな気持ちで眺めながら、しめ縄で飾られた玄関を開け五木家へと向かった。

 

「あら青柳さん、明けましておめでとうございます〜。巫女さんのお仕事お疲れさま」

「明けましておめでとうございます。神社の方から甘酒をいただいたので、よかったら皆さんで召し上がってください」

「まあ嬉しいわ〜。神社で飲む甘酒って美味しいですよね」

 

 咲はにこりとうなずき大家に甘酒を手渡した。ふいに中から笑い声が上がった。訪問者が何人かいるようだ。

 

「ところで青柳さん、お腹はへっていませんか?」

「はい。今朝いただいて以降でしたので……」

「まあ〜。今ちょうど小日向(こひなた)さんたちを呼んで一緒にご飯を食べているんですよ〜。よかったらあがってください」

「ご迷惑でなければ、お邪魔させてください」

「もちろんどうぞ〜。たくさんたべてくださいね」

 

 助勤の名残からか咲は挨拶を述べ立礼(りつれい)した。

 五木家のこたつ机の上はとても華やかだった。黒い漆器の重箱の中には、有頭海老の煮物を中心に、黒や紅白、黄色など色とりどりのおせち料理が囲んでいる。伝統的なものはもちろん、つくねといったどちらかというと子供向けのものが詰められている。

 

 咲は机に座っていた全員に声をかけた。メムメムは料理に夢中になっていたが、(あんず)とひょう太は口々に咲へ返した。

 

「咲先輩、いつもと雰囲気が違いますね」

「そうだね。巫女装束の時は髪をまとめないといけないから」と、咲は髪に留めていたピンなどを外し始めた。

「そうだったんですか! 先輩似合いそうですね」

 

 杏が想像するように上を見上げると、小ぶりの花飾りに垂れるタッセルが揺れた。新春にふさわしい、水仙柄の明るい着物を着ている。

 

「ありがとう。杏ちゃんもその格好、とっても似合っていて可愛いよ」

「ありがとうございます!」

 

 いかにも女子らしい二人の会話を、ひょう太は咲に同意するように何度も大きくうなずいた。どこに座ろうか咲が迷っていると、後ろから落ち着いた低い声に話しかけられた。

 

「こちらは咲の分です」

「魔人さん、ありがとう」

 

 奥のキッチンからやって来た魔人はお盆を持ち、その上に出来立てらしいお汁粉をのせている。中には網目状に焦がした香ばしい餅も入っていた。魔人は咲の分の取り皿なども甲斐甲斐しく机に並べたあと、またキッチンへと戻って行った。

 

 ふと正月という行事に当たり前のように参加している悪魔のメムメムと燕尾服の魔人に咲は疑問を思い浮かべたが、魔人はともかく楽しそうにはしゃぐメムメムを見るととても口には出せない。

 今はうまいうまいとお汁粉を頬張るメムメムの隣へ向かい腰を下ろそうとして、咲は立ち止まった。

 

「ん? このぬいぐるみは……?」

 

 メムメムのすぐ側に手乗りサイズの小さな一つ目の人形がちょこんと座っている。咲がそう思ったのも束の間、人形は自立して動き出し、メムメムの口からみょーんと伸びるもちを見て飛び跳ねていた。

 

「……!」

 

 咲は息をのんだものの、恐ろしさは全く感じなかった。喜んでいいのか悪いのか、これまでに起きた出来事のおかげで耐性が付いてきたらしい。

 むしろ可愛いなと咲が見とれていると、それに気付いたひょう太がこっそり教えてくれた。

 

「メムメムの先輩の使い魔すよ、オレは使っちって呼んでますけど」

「使っち……」

 

 咲がつぶやいたのに気付き、使い魔が咲をじっと見上げた。その小さな身体にしては大きくつぶらな瞳にドキドキしながら、咲は片手を差し出した。

 

「初めまして、青柳咲です。よろしくね」

「……」

 

 使い魔は無言のままとことこと咲に歩み寄ってきた。咲の差し出した手のひらをぽんぽんと触ったかと思うと、使い魔はお辞儀をしたように見えた。言葉は通じたらしい。

 可愛いらしい一連の動作に、咲はすっかり心奪われてしまった。

 

 

 全員でおせちやお汁粉をひとしきり楽しんだあと、大家は後片付けにキッチンへ向かい、魔人が咲の持って来た甘酒を机に運んで来た。

 メムメムは早々に凧やこま、羽子板で使い魔と遊んだあと、上機嫌な様子で大きな箱を持ってひょう太に見せた。

 

「ね、これしよ。ね、これしよ!」

 

 もはやただの親戚の子供にしか見えないメムメムにひょう太は呆れていた。箱にはでかでかと"魔界転生ゲーム"と書かれている。

 

「魔界で人気のスゴロクですよ」と魔人が代わりに答えると、

「面白そーやろー♪」と、杏。

 

 一見普通のボードゲームのようだが、魔界の道具に敏感になっていた咲は、大家を手伝おうとさっと立ち上がった。

 が、遅かった。

 

「ではさっそく」

 

 全員の同意を得た(と勘違いした)メムメムはパカとフタを開けた。あたりが光り輝いたかと思うと、あっと言う間にその場にいたひょう太、杏、魔人、咲と最後にメムメムが掃除機のごとく箱の中に勢いよく吸い込まれていった。

 

 5人はSTARTと書かれたマスに立っており、その先や周り、宙にまで同じようなマスが続いている。マスの間には岩場や草原が広がっていて、ファンシーな家やビルがいくつも建っている。遠くには山が連なり、家ほどの大きさの鎧が佇んでいたり怪獣が火を噴いたりもしていた。おもちゃを敷き詰めた巨大な街であった。

 

「じゃああたしから」

「さくさく進めるな‼︎」

 

 自分の頭と同じくらいの大きさのサイコロを手に、にこにこと嬉しそうなメムメムにひょう太がつっこんだ。

 慌てるひょう太、口を大きく開ける杏、青ざめる咲に、魔人が淡々と言った。

 

「ゲームの擬似空間に入ってるだけですよ。身のキケンはありませんのでご心配なく」

 

 本当に? と言いそうになったのをこらえ、咲は魔人にしか聞こえない程度の声でたずねた。

 

「あの、私片付けしようと思ってたから参加はちょっと——」

「このゲームは一度始めたら終わるまでは出られない仕様です」

「そうなんだ……」

 

 ファンタジーでにぎやかな空間から目を背けるように咲はうなだれた。

 

「昔っからこれをやってみたくって」

 

 メムメムは嬉しさのあまり泣いている。さすがに目の前でやりたくないとは言えない。魔人が言うなら大丈夫だろうと、咲は自分に言い聞かせた。

 

「ずっと……やってみたくって……」メムメムがもう一度言った。

「わかった! わかったから!」

 

 ひょう太がなだめていると、魔人がメムメムからサイコロを取り上げコロンと軽く転がした。

 

「カンタンですよ。ただサイコロを振って——」

 

 魔人は出た目の5つ分進むと、"スライムの育て屋になる[給料+五千D]"というマスで止まった。

 

「とまったマスの指示に従い、お金を貯めていき、ゴールした時資産の最も多い者が勝ちというルールです」

 

 すると、魔人の格好がポポンと音を立てて変化した。スライムの絵が描かれたキャップをかぶり、オーバーオールを着て、肩や腕にスライムをのせていた。

 

「すごーい! 変身したよ!」杏がハッとして咲に呼びかけた。

「次は先輩が振りますか?」

 

 杏はうずうずしている。本当は自分がサイコロを振りたいはずだ。けれど順番を譲ってもおそらく首を振られそうだ。早めに終わらせたい咲はありがとう、とにこやかに返した。

 

「じゃあ、次は私が振っても良いかなメムメムちゃん?」

「しょうがないですねぇ」

「お前ホント上機嫌だな」

 

 変わらずにこにこと答えるメムメムにひょう太がまたつっこんだ。

 

「それじゃ……えいっ」

 

 咲の手から転がっていったサイコロは6を示した。魔人を抜かし隣のマスへ進んでいく。そこには"魔医者になる[給料+八千D]"と書かれており、あたりに漂ってきた煙と共に服装が変化し始めた。

 

 最後にポンと弾けたような音が響いたあと、咲は白衣を羽織り聴診器を首にかけていた。人間でいう医者と同じような職業かと思って下を向いたところで、咲はとたんに顔をしかめた。

 

「魔医者ですか。中々良い職業だと思——」

「魔人さん……魔界の医者ってみんなこうなの?」

「‼︎」

 

 咲はためらいながらも後ろを振り返った。

 白いワイシャツは中の黒い下着が見える位置までボタンが開いており、下にはいたミニスカートの丈は足の付け根に近い。レースがあしらわれたオーバーニーソックスにはガーターベルトが付いていた。

 

 魔人は一瞬目を見開き、気まずそうに目をそらした。その反応が余計に恥ずかしくなり、咲は急いで白衣を閉じてボタンをかけようとした。が、横幅が妙にきつく、ワイシャツのボタンも止められずスカートも下げられない。身体に張りついたように動かないのだ。

 

「……これも仕様?」

「そのようですね」

 

 魔人が横目にうなずき咲は深いため息を吐いた。耐性が付いたというよりあきらめに近い。

 

「……魔猫の時とか、グミを食べた時よりましだよね……」

 

 咲は自分を慰めるように言ったが声はずいぶん小さい。

 ふと魔人の片腕にのるスライムと目が合った。カジュアルな格好をしていても隠せない魔人の厳かな雰囲気に怯えているのか、半透明な水色の身体をぷるぷると震わせていた。何か、いや誰かを彷彿とさせる。

 

「あ……メムメムちゃん……」

「まあ、要領は一緒ですね」

「!……ん、ふふ……」

 

 咲は堪え切れず肩を震わせた。何がおかしいのかと魔人が首をかしげる中、咲はスライムに微笑みかけた。

 

「大丈夫だよ、こわくないよ」

 

 咲はスライムに触れようとしてためらった。むしろ自分が大丈夫だろうか。()()したりないだろうか。そっと魔人を見上げると、咲の考えていることが伝わったのか、魔人は大丈夫だと言うように腕を近付けた。

 せっかくなので魔医者になりきろうと、咲は聴診器を当てスライムの心音を聞く真似をしたつもりだった。

 

「あ、あれ? もしかしておなか減ってるの?」

 

 なぜだかスライムの体調が手に取るように分かる。スライムはこくこくとうなずいた(ように見えた)。

 

「なるほど。咲は魔獣専門の医者のようですね」

 

 魔人は言いながら小さな一枚の葉を魔術で出現させスライムに与えた。飛び付いたスライムは一口でむしゃりと食べると、魔人の腕に身体全体をすり寄せた。

 どうやら職業に対応した能力がプレイヤーに付与されるところまでも仕様らしい。感心しつつ咲は聴診器と白衣の中とを見比べた。

 

「まあ、ゲームなのですから、気楽にやればいいのです」

「……うん。そうだね」咲は笑顔を取り戻して答えた。

 

 

 そうして杏が見習いサキュバス、ひょう太が悪魔学校の先生、メムメムが泥拾い(咲たちにはよく分からなかったが魔界にはそういう職業があるらしい)となってから数巡目。

 転生ゲームは順風満帆に進んでいた。ただしメムメムを除いて。

 

 魔人はサングラスをかけたくさんのスライムをのせたオープンカーを乗り回し、咲は開業した病院に魔獣の行列ができるほどの人気を得ていた(なぜか白衣の下が黒いボンデージ調の衣装にグレードアップした)。

 

 咲よりも派手なサキュバスの衣装に動揺しおばけのように付き従う人間の魂に怯えながらも、杏も着実に資産を貯めていた。

 次に止まった大きなマスで杏はさらに動揺した。

 

「けっこん……⁉︎ 他のプレイヤーとって……どどどうしよう……」

 

 そこには"STOP‼︎ 結婚ゾーン[このマスに止まった他のプレイヤーと結婚‼︎ それまで進めない]"と書かれている。気付いたひょう太がそのチャンスを狙うも、サイコロは無情にも杏へのマスにはほど遠い1を示した。

 

「ああああああ‼︎」

 

 ひょう太ががくりと膝をついて叫んだ横を颯爽と通り抜けたのは、すぐ後ろにいた魔人だった(メムメムは盗みを働いた罪で牢屋MAPにブチ込まれたため動けない)。

 魔人は杏がいるマスに立ち止まると、誠実な様子でキャップを脱いだ。

 

「私なんかで申し訳ありませんがよろしくお願いします」

「え……⁉︎ いえ、そそそんな……」

 

 恥ずかしさで上手く言葉にならない杏をよそに、二人の頭上には花で装飾された煌びやかなアーチと鐘が現れた。魔人を慕うスライムたちが牧師役や招待客などを務め、魔人と杏の結婚を盛大に祝福した。

 

「足元にお気をつけて」

「あ、ありがとうございます」

 

 魔人は尚も誠実な態度で杏を気遣っている。ひょう太はしばらく四つん這いのまま、華やかなMAPへ進んでいく新婚夫婦を呆然と見ていることしか出来なかった。

 

 

「あとどれくらいなんだろう……」

 

 サイコロを手にした咲が一人つぶやいた。低い出目が多かったため、咲はひょう太たちから遅れていた。

 咲の運営する病院はこぢんまりしているが魔獣たちは絶えずやって来るので程よく忙しい。運に左右されるゲームとはいえ、堅実に生きたいという咲の思想を反映したような道のりだった。

 

「小日向くんが行ったのはあのルートか」

 

 咲の視線の先には"ハイリスク×ハイリターンルート"と書かれた看板が立っている。ルートの周りは毒に染まったような沼で埋まり、並んだマスもそのほとんどが不吉なほど真っ黒で、資産を失うような指示が書かれているのは明らかだった。

 

 ひょう太がわざわざそんなルートを選んだ理由を咲はなんとなく知っていた。

 時空の石。ルートの最初のマスで拾えるアイテムで、プレイヤー全員を5巡前に戻すことができるものらしい。ひょう太は残念ながら拾えず、途中のマスで行き倒れてしまっている。

 

 サイコロを転がしたあと、咲はあることに気が付いた。

 別ルートへは、今いるマスからでもそのまま進められるようだ。サイコロの出目は、時空の石を拾える数字を示していた。

 

 咲はあらためて全員の様子をながめた。

 ひょう太は行き倒れた上、それまで貯めていた資産は全てなくなったどころか借金まで抱えていた。メムメムは……どこにいるのか分からない。牢屋MAPへ行ったきりなので、今もまだその辺りを彷徨(さまよ)っている可能性もある。

 

 メムメムが発端で巻き込まれた形で進めている魔界転生ゲーム。泣くほどやりたかったメムメムにばかり不幸が重なるのはとても不憫でならない。

 魔人と杏はというと、テラス席で優雅に昼食をとっていた。結婚して幸せそうな(少なくとも咲にはそう見えた)二人には悪いが、咲は時空の石を拾いに歩みを進めた。

 

「わ……‼︎」

 

 咲がマス上の台座に置かれたいかにもな石を手にすると、5人全員が光に包まれた。気付けばマスの指示通り、全員5巡前のマスに瞬間移動していた。

 杏は結婚マスに、ひょう太も魔人もその後ろに立ち、咲も彼らの少し後ろにいる。手のひらにあった時空の石はいつの間にかなくなっていた。

 

「咲の仕業ですか?」

 

 魔人が咲に話しかけた。落ち着き払った様子だが、やや意外そうな口調だ。初めはゲームの参加自体やめようとしていたのだから、不思議に思われるのも当然だろう。

 

「うん。ちょっと変えたいことがあって……。せっかく……ええと、結婚してたのにごめんね」

 

 咲はなぜか結婚という単語がスムーズに出て来なかった。さらに魔人が気にしていないと首を振ったのにもなぜだかほっとした。だがその後ろでひょう太がお礼を言いたげに頭を下げるのを見て、咲はその気持ちを追いやるように、ひょう太に向かってにこりと微笑んだ。

 

 ひょう太は勢いよくサイコロをぶん投げた。

 

「2回目ええええ‼︎」

 

 無情にもサイコロは同じ1を示し、ひょう太は再び崩れ落ちる。しかし魔人が4を出したので杏の2マス後ろで止まった。続く咲は5を出しひょう太のいたところへ進んだ。

 次の順番ではひょう太も魔人も1マスのみ。心なしか咲まで杏との結婚レースに加わったようだった。何の気なしに咲はサイコロを振り、思わず声を上げた。

 

「咲先輩どうし——あっ」

「小日向くん……ごめんね」

 

 ひょう太は目が点になった。咲のサイコロは5を示している。

 

「えっ? てことはつまり……?」

 

 咲は申し訳なさそうにひょう太と魔人を抜かし、杏と同じマスで申し訳なさそうに立ち止まった。

 

「杏ちゃん、ごめんね」

「えっっ⁉︎ 咲先輩とけ、結婚ですか……⁉︎」

 

 杏と咲の頭上に先ほどとはまた違った可愛いらしいアーチが現れる。今度は杏の従えている魂や咲の患者であった魔獣たちが二人を取り囲んで祝福した。

 

「……結婚したからには、幸せにします」

「は、はい。よろしくお願いします……」

 

 咲には妙な使命感が湧き上がっていた。杏の両手をにぎると不思議と未来設計図が浮かび上がる。咲が真剣に語るたび、杏は頬を染めながらただただ黙ってうなずいていた。

 

「まさか……咲がやり直したかったのはこのことか……?」

「……これはこれで……うん……」

 

 小悪魔可愛い杏と妖しい女医姿の咲。初々しくも仲睦まじそうに寄り添う新婚カップルを見て、複雑な表情をする魔人とどこか納得したように腕を組むひょう太だった。

 しかし新婚カップルはそれだけで終わらなかった。

 咲と杏の間に子供が誕生したのだ。

 

「杏ちゃん頑張ってくれてありがとう」

「咲先輩が側にいてくれたからです……!」

「どうやって⁉︎」

 

 感動に浸る二人をよそにひょう太と魔人が同時につっこんだ。

 子供は次々と生まれ、最終的に魔界のTVで特集を組まれるほどの大家族になっていた。

 

「まじでどうなってんの⁉︎」

 

 ひょう太のつっこみが聞こえた杏と咲の二人は、お互いを見つめ合うと無言で顔を赤らめた。ひょう太も魔人もそれ以上聞くことはできなかった。

 

 

 一方メムメムは、牢屋からの脱獄に失敗したり竜巻に飲まれたり闇の賭博船に乗せられたり時空のはざまに飲み込まれたり魔界財閥の代表取締役になったり魔犬に喰われたり大魔界戦争に参加したりと波乱万丈過ぎる人生を送っていたところ、時空の石のおかげか見事に下克上を果たし、資産十八兆Dを獲得してブッチギリの一位でゴールしていた。

 

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