とあるトレーナーの願い   作:屋守 竜

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12000UAありがとうございます。
SSアンケートは10日までですので、どしどし投票しちゃってください。ちなみに、これを書いてる時の1位はゴールドシチーさんです。さすがに人気ですね。
今回はトレーナーの過去回です。前回の回想シーンはあまり好評ではなかったのですが……そこも含めて楽しんでいただけると嬉しいです。


トレーナーの回想2

特務少尉として任されたウマ娘の部隊は16歳から19歳までの総員42名。小隊規模の特殊部隊だった。軍は彼女たちを金のかからない機動部隊として運用したいらしい。

確かにウマ娘は人間にはない機動力を持っている。当然個人差があるのだが、全速力で走り続けるのでなければ、人間の数倍のスピードで4マイル近くの移動が可能だ。トップスピードについてはそれこそ別格。時速70キロを超えるものもいるという。それでいて人間と同じ大きさなのだから、狙っての銃撃などできるはずがない。対してこちらはそれを大きく上回る動体視力と移動速度を活用しての機動戦闘が可能だ。

ウマ娘のためのレースがない国では、ウマ娘は配達業やアイドル業、そして軍人として活躍する場合が多い。しかし、ウマ娘を実際の作戦で運用することは表向き禁止されている。それはもちろんウマ娘という存在を守るためでもあるが、彼女たちが軍事バランスを傾けかねない存在だから、というのもある。1人のウマ娘が五千の軍を押し止めた、などという話もあったほどだ。銃器の発達した現代ではそんなことはありえないだろうが、彼女たちはそれほどの存在なのだ。

しかし、その条約にはウマ娘を軍人として採用することは禁止していない。要はバレなければ良いのだ。だからどの国も大抵こうしてウマ娘の部隊を持っている。

ただ、ウマ娘は本格化を迎える思春期前後に適切なトレーニングを積まなければその能力は大きく限定されてしまう。ウマ娘のレースが開催されていない国では彼女たちが適切なトレーニングを受ける機会など限定されており、トレーニングをつける相手もあまりいないのだからトレーナーもいない。

だからこうして都合の良い人材が登用されるのだろう。

かと言って専門の教育を受けたとは言い難い俺を拉致してまで教官にするのは如何なものかとは思うが。あいつと面識があったことがバレたのだろうな。

 

「教官」

 

「どうした?」

 

傍らに控える栃栗毛の少女は先日と同じように事務的な声音のままだ。多少のロシア語はわかってもウクライナ語が分からない俺にとって、日本語を解する彼女の存在は重要だ。出来れば良好な関係を築ければいいのだが……どちらかと言うと彼女は神経質……というか、あまり他人に気を許さないタイプなのだろう。時間がかかりそうだ。

 

「本日の午後の予定なのですが……」

 

午前中は長距離走をメインとしたトレーニングを課した。4マイルを2本。相当な距離だが、何人かは楽そうに走っていた。特にウラヌスは本当に体力がある。1人早く終えていたので別メニューを追加で課したが、それもこなしてしまった。しかも副官業務に関してもなんの差支えもなくこなす。何も言うことは無い。

ただ、相当に疲弊している娘も多かった。午後は俺の紹介も含めてのオリエンテーションにでもしよう。

 

「午後は1330、隊舎集会室に集合。服装は時装、持ち物は無し。以上。」

 

「?了解致しました。1330、時装にで集会室。では、失礼します。」

 

では、俺もかかるとしよう。

 

_____________________

 

隊舎内集会室。午前の訓練終了から2時間後、ウラヌスを中心とした42名の隊員が集合した。

彼女たちは息を飲んだ。来たばかりのアジア人教官が怒り狂っているから?違う。改めて見る教官が思ったよりも小さかったから?違う。テーブルの上に所狭しと料理が並び、それらが素晴らしい香りを放っていたからだった。彼女たちは一瞬心を奪われそうになったが、あくまでもここは軍。上官を前にして飯に飛びつくことなどあっていいはずがない。

 

「Вирівняти!(整列!)」

 

ウラヌスの鋭い声に全員が我に返り、整列する。

 

「Салют інструктору!(敬礼!)」

 

「よろしい、休め」

 

「Повертайся、Відпочинок」

 

「ええと……Я не понимаю по-украински, поэтому говорю по-русски.(俺にウクライナ語は分からないからロシア語で話させてもらう)。Меня зовут Ниси.Я приехал как ваш инструктор.(君たちの教官として着任した)Рад встрече.(よろしく頼む)Сегодня приветствие. Ешьте свободно.(今日は顔合わせだ、自由に食べてくれていい)では」

 

そう言われるや否や、隊員たちが皿へと群がった。

 

「смачно!」

隊員たちは僅かに涙しながら俺の作った料理を食べている……と言うより貪り食っている。

 

作っておいたボルシチやブイヨンスープ、ヴァレニキ、スヴィニーナ、シュニッツェルなどはあっという間になくなってしまった。どちらかというと裕福では無いこの国の軍ではあまり上等な食事は出てこない。素人が何となくレシピを見ながら作ったものでも、ふるさとを離れて従軍する彼女たちにとっては懐かしさ溢れるご馳走なのかもしれない。

日本料理の方もぼちぼち食べて貰えたらしい。サーモンの刺身や寿司は綺麗になくなっている。

個人的には、ウラヌスが日本料理を美味しそうに食べてくれていたのはかなり収穫だった。

 

「というわけで……Найкращі побажання відтепер(これからもよろしく頼む)」

 

「「「зрозумів!」」」

 

チョロい。これからも何とかやっていけそうだ。

 




コロナも収束に向かっているので、中山や東京にまた行きたいな……中山GJを見たいのです……
最後に、感想や評価、お待ちしてます

UA10000を記念して、簡単なssを書きたいと思います。どの子の話がいいか選んで欲しいです。締切は10月10日までです

  • マヤノトップガン
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  • ナリタタイシン
  • トーセンジョーダン
  • ファインモーション
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