ロケット。自らの質量の一部を後方に射出し、その反作用で進む力を得る装置、もしくはその推力を利用して移動する装置……では無いだろう。間違いなく、俺が首から提げているロケットペンダントの事だろう。
「さすが売れっ子モデルのゴールドシチーだ。首から提げているこれがロケットペンダントだとわかるなんてな。」
「それは……まぁアンタの担当ウマ娘になってだいぶ経つし……その……アンタのことを知りたいって思うこともあったし」
少なくとも彼女の前でロケットを開いたことも、ロケットだとわかるようなことをした覚えはない。彼女は俺も知らないどこかでそれを見たか、推測できるぐらいに俺が分かりやすかったということだろう。
「その返事ではどうしてわかったのかは全く分からないが。まぁいい。」
胸元からロケットを取り出す。真鍮と鉛を銀でメッキされた二枚貝のロケット。しかしその口は固く閉ざされ、中は見えない、見せられない。
「へ、へぇ。アンタにそんなオシャレをする趣味があるとは知らなかった。」
「そういった趣味はない。そもそも趣味でつけているものでもない。」
「へぇ、そう。じゃあさ、そのロケットの中を
「すまない。それは出来ない。」
ゴールドシチーはどこか傷着いたように顔を歪ませた。彼女からすれば、そこそこ信頼関係を結べていると思っていた相手にこう即答されたことがショックだったのかもしれない。しかし、これは誰に言われようが見せるつもりは無い。そもそも大抵の相手にはこのロケットを見せることすらしない。
「なんの写真が入ってるかもダメ?」
「すまない」
「……アタシさ、ロケットペンダントって何に使うのか知ってるんだ。ロケットペンダントって元々葬式で個人の面影を残すための形見だったって。知ってるって言うか、調べたんだけど。」
「……もしかして、昔好きだった人……とか」
そう呟いた彼女は今にも泣き出しそうだった。俺もそれと同じくらい動揺していた。彼女が泣き出しそうなことにも、ほとんど核心を突かれてしまったことも。
「……今はまだそれは言えない。だがもしかしたら……いや、なんでもない」
俺は逃げるようにその場を離れた。これまで担当ウマ娘がこんなふうに踏み込んできたことは無かった。だから心のどこかで、過去とはもう決別したものだと思っていたのだろう。誰にも知られることは無い、振り返ることもない。そう思っていながらもまだ自分自身がそれを捨てられてなどいなかった。それに彼女は気付いたのだ。……彼女を置いてきてしまったが、戻った時には既にいなかった。踏み込んで来られると逃げてしまう。俺は自分からチャンスを振ったのかもしれない。
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UA10000を記念して、簡単なssを書きたいと思います。どの子の話がいいか選んで欲しいです。締切は10月10日までです
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