今回物語の都合上マヤノトップガンのデビュー戦が芝、それも函館になっています。マヤノトップガンは史実ではローカルは走ってないので、ここは完全に著作上の都合です。すみません。
函館芝1800メートル、未勝利戦。ここがマヤノトップガンの初陣となった。天候はやや雲が多く、時折霧も見られたが、昼を過ぎたこの第6レースではそれも見られず、芝もその青さをよく保っている。
着順予想1番人気はこれまで3着2着と未勝利戦のみではあるが堅実な成績を残してきているシーズセプティミア。好位につけてそのまま押し切るスタイルで、確実な実力を見せていた。
マヤノトップガンはトレーナーが担当したウマ娘が出世していることや、模擬レースでの持ちタイムが優秀なことから2番人気に推された。
3番人気はエクセレントケイ。デビュー戦は11着ながら、前走では後方から上がり最速で追い込み、2着に。その末脚が評価された形だ。
未勝利戦としてはレベルの高いレースであると言えるだろう。その他にも既にレースを経験し、好走も見られたウマ娘が揃っていた。14人と人数も揃っている中で、デビュー戦のマヤノトップガンには少々厳しい戦いになるだろう、という声も多い。
しかし、結局は走ってみなければ、始まってみなければ分からない。マヤノがどこで、どんな勝機を見出すかは正直分からない。彼女は模擬レースでも脚質が安定していなかった。出遅れて追い込みからの展開で先頭に追いつくこともあれば、ハナを上手く奪ってそのまま押し切る。好位からの抜け出し、中団からの差し切りなど、勝つ時も負ける時も様々だった。よくいえばどこからでも勝負できる。悪くいえば競走ウマ娘、マヤノトップガンはまだ確たる姿を確立できていないと言える。
このレースでそれを掴んでくれれば、そう思っているのも確かだ。彼女が望む菊花賞へ出走するにはここで負ける訳にはいかないが。
スタンドから僅かに見えるスタート地点のゲートへと彼女が歩みを進める。オペラグラス越しに見える彼女の瞳は意欲に燃えている。気合いが乗っていていいが、それが空回りしないといいのだが。
全員がゲートへと収まった。
涼やかな風がふいた、その時
ゲートが開かれた。
マヤノトップガンは最終直線まで殿を走っていた。やや出遅れた大外枠の彼女はそのまま第1コーナーで殿へ。先頭から13バ身ほどの距離を保って最終直線へと向かった。スタンド前、大外に出た彼女は
笑っていた。何かがわかったように笑っていた。
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「トレーナーちゃん!マヤ、どうだった?!!」
「正直驚いた。大外枠から出遅れた時は、多少無理してでもハナを取りに行く方が後々楽だ。まだ身体が完成していない状態なら最後方から差し切るのはかなり難しい。だがお前はそれを覆してみせた。文句なしだ」
内枠有利逃げ有利の函館で、外枠からの追い込みでの勝利。仕掛けのタイミング、最終直線での加速。そのどちらも秘めた才能を爆発させるかのように衝撃的だった。さらに距離を伸ばしても闘っていける。そう感じた。
「これからは更に強い相手との闘いになる。菊花賞に勝つためにも、どのレースも負けない、負けられない。頑張るぞ、マヤ」
「うん!」
「それと……ラーメン、いくんでしょ?マヤ、トレーナーちゃんに奢ってほしいなー」
2人は約束を守った。俺もそれに答えなければならない。奢るなんて一言も言った覚えはないが、それを言うのは無粋だろう。今日はとにかく、2人がスタートを切れたことを喜びたい。
今回は短めでした。レースの描写などまだまだ実力不足ではありますが、お付き合いいただけると幸いです。感想や誤字報告、書き方についてのご要望も受け付けていますので、よろしければ、そちらの方もよろしくお願いします
UA10000を記念して、簡単なssを書きたいと思います。どの子の話がいいか選んで欲しいです。締切は10月10日までです
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