炎閃の軌跡   作:rebo

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序章
第1話


「ちょっとした公園になっているのか。一休みにいいな」

 

 赤い制服を着た男、リィン・シュバルツァーは広場を見てそんな感想を抱いていた。

 

「ん…」

 

「へっ」

 

 誰かの声が聞こえて振り向くとリィンと同じ赤い制服を着た二人の男女がいた。見たところリィンよりも年下のようだ。

 

「なんで、こんなところで寝てるんだ…?」

 

(同じ制服だし、編入生でいいんだよな…?)

 

 リィンが戸惑うのも仕方ない。普通、トールズ士官学校で入学するのは16・17歳からでこの二人はハッキリ言って、それより幼く見える。

 

(取り敢えず、声を掛けてみるか)

 

 その瞬間、銀髪の少女の目が覚めた。

 

「ふぁーーー」

 

 背伸びをして完全に起きたようだ。

 

「……んむ………ツナも起きて」

 

 そのまま、一緒に寝ていた金髪の少年にも声を掛ける。どうやら、金髪の少年はツナというようだ。

 

「うーん……フィー?……おはよう」

 

「ん…。そろそろ、行かなきゃ」

 

 銀髪の少女はフィーという名前のようだ。フィーはツナの手を取ってどこかに行こうとしている。

 

「待ってよ。どうせなら、起こそうとしてくれた人と一緒に学校に行こうよ」

 

 そう言って、ツナはリィンの方へ向いて話していた。

 

「へっ」

 

「ん…。…私は別にいいよ」

 

 驚いたリィンを置いてフィーも賛成した。そして、二人で一緒に行くかどうするかを問う目でリィンを見る。

 

「…あ、あぁ。一緒に行こう」

 

(俺が二人を起こそうとしたのを何で知っているんだ……?)

 

 リィンは疑問に思いながら二人の同行を受け入れた。

 

 

 

「お嬢様、ご武運をお祈りしております」

 

「うん、ありがとう」

 

 学校に行く途中、青髪の女性が執事から何かを受け取っていた。

 

「ん…。あの人、結構強いかも」

 

「そうだね。士官学校だし、強い人が集まるのかな?」

 

「いや、彼女は特別なんじゃないか?士官学校だからと行って強い人が来るわけじゃないし、この学園に入ってから強くなる人も多いだろうしな。それに、トールズ士官学院は軍関係以外の方向に就職する人も多いと聞くからな」

 

「ん…。それもそうかも」

 

「あ…そっか」

 

 リィンの言葉に納得する二人。

 

 

 更に進み校門の前に導力車が停まっていた。

 

「無用だ。少し休憩してから、バリアハートへ戻るがいい」

 

「わかりました。お体に気を付けください」

 

(珍しい、導力車か…。かなりの貴族だろうな)

 

「金持ちで羨ましいね」

 

「たしかに」

 

「ははは」

 

 貴族ではなく、金持ちというところで思わずリィンは笑いが漏れた。そして、学院内に入ろうとすると。

 

「ご入学、おめでとーございます!」

 

 明るい声が飛んできた。声がした方を見ると、緑色の制服を着た小柄な女子と黄色い作業着を着た男性が寄って来ていた。

 

「うんうん。君たちで最後だね」

 

「リィン・シュバルツァー君、ツナ君、フィー・クラウゼルちゃんでいいよね」

 

「はい。…どうして、自分たちの名前を?」

 

 リィンが不思議そうな顔をして聞くが。

 

「やっぱり、同じクラスになるのかな」

 

「ん…。そうかも。それに新しいテストケースかも」

 

 後ろでツナとフィーが話し合っていた。

 

 もちろん、小柄な女生徒や黄色い作業着の男性にも聞こえているわけで。

 

「あはは、今は気にしないで」

 

「それよりも、武器を渡してくれないかな。もちろん、後で必ず返すよ」

 

「へっ…。はい。入学書の案内に書いてあったあれですね」

 

 誤魔化すように、武器の引き渡しを催促した。

 

「ん…。」

 

「これです」

 

 リィンたちは武器が閉まってある包みを渡した。

 

「入学式は講堂で行うからね」

 

「入学おめでとう。充実した2年間になるといいな」

 

「ん」

 

「ありがとうございます」

 

「はい」

 

 

 そこから離れて

 

「俺たちが最後ってどういうことだろうね」

 

「同じクラスが当たってるなら、そのままの意味だと思う」

 

(本当にすごいな。ここまで先程の迄に会話で予測するなんて。そういえば年はいくつなんだ?)

 

「俺は14歳で、フィーは15歳だよ」

 

「ん」

 

 ツナがそういうとフィーはツナを脛蹴りした。

 

「いたっ!」

 

「女の子の年齢は言わない」

 

「ごめんってば」

 

「はは、仲がいいんだな」

 

 リィンは二人をほほえましく見ていてそんな感想を口に出していた。

 

 そして、講堂で別れ入学式が始まるのを席に着いて待っていた。

 

 

 

 

 

 リィンは入学式で茶髪の男子に話し掛けられていた。

 

「『世の礎たれ』か。いきなりハードル上げられちゃった感じだね」

 

「ああ、確かにな」

 

「あっ。僕はエリオット。エリオット・グレイグだよ」

 

 

 

「指定されたクラスに行くように」

 

 

 

「終わったようだな」

 

「うん。でも、そんなの入学書にあったかな?」

 

「赤い制服の皆、戸惑っているみたいね~。これから君たちには特別オリエーティングに参加してもらうわ。私についてきて頂戴」

 

 そう言って紫色の髪の女性は歩いて行った。

 

「取り敢えず、ここにいても何も始まらないし行こっか」

 

 ツナがそう言ったことで、それぞれも文句や疑問の声を上げながら紫色の髪の女性に着いていった。

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