「修羅場ってもしかしたら、アリサさんとラウラさんでしょうか?」
「有り得るな。先程の会話からラウラもツナのことは無意識に諦めているのだろうしな」
「私たちのこと忘れていますし声をかけますね」
「そうだな。ツナもだが、リィンの力も気にかかる」
「えぇ。リィンさん私たちのことを忘れていません?」
うわっ!?とそういえばエマやユーシスもいたんだったな。忘れてた。
「あぁ、済まない。忘れていたみたいだ。この通りだ許してくれ」
そう言って俺は頭を下げる。一緒にいた仲間を忘れてしまっていたんだ。頭を下げるのは当然だろう。
「頭を上げろ。だいたい、さっきまで気絶していたんだ。それにツナとフィーの二人からの兄呼びの衝撃で忘れてしまってもいたしかたあるまい」
「それもそうですね」
「そう言ってくれると助かる」
ユーシスは気にしていないみたいだ。それにエマもユーシスの言葉を聞いて許したみたいだが、最初から許していた表情をしている。このまま、四人で何をしていたか話しながら帰るのもいいかもしれないな。そのことを話すとエマが最初に教えてきた。
「私はユーシスさんと一緒にフィーちゃんとツナ君に勉強を教えていましたよ。二人ともやっぱり年齢から勉強がついていけないだけで、同じ年頃の子と比べると頭は良いほうですね」
「全くだ。このままいくとⅦ組でもトップクラスの成績を狙えるだろうな」
俺たちⅦ組では、放課後たまに勉強会をしている。だいたい週に1~2回くらいだ。始まりはツナが”勉強についていけないから教えてください”と言ったのが始まりだ。
フィーも最初は”メンドクサイ”と言ってサボっていたが、期末テストで赤点をとったりしたら補修でツナと一緒にいられる時間が少なくなると知って参加するようになった。
「へぇ。それなら俺たちも頑張らないといけないな」
「全くだな。年下に戦闘でも勉学でも負けると年上として立つ瀬がない。むしろ頼るようになってしまったら恥になる」
あれ?生活面ではかなり頼ってないか俺たち?いや、皿洗いとかやってるけど料理作る方が大変だよな?そのことを皆に聞いてみると。
「好きでやっているみたいですし。いいのではないでしょうか」
目が泳いでるぞ委員長。
「そういう事だ。気にする必要は無いはずだ」
語尾がよわくなってるじゃないかユーシス。
「料理を覚えなくてはな……」
落ち込むなラウラ!俺まで心が折れそうだ…。生活スキルでは劣っているし、戦闘力でも明らかに負けてるし。
「とういうより、リィンは良いではないか!?」
なんだ!?どうして怒るんだ?
「全くだな。よくツナやフィーに相談してもらったり、今しがた兄呼びされたりとⅦ組で一番頼りにされているだろう」
「えぇ。まったくです」
そんなこと言われてもな。
「ユーシスだって割とツナと会話しているだろう。委員長だってフィーとよく一緒にいるし。Ⅶ組で一番二人と仲が良いのはお前たちだと思うぞ」
実際、Ⅶ組よく見かける組み合わせだ。Ⅶ組で仲が最も良い組み合わせでもある気がする。
「ラウラだって、フィーとよく手合せしているだろう?」
朝、自己鍛錬の途中フィーとラウラの仕合を見ていたり審判をしてたじゃないか。頼られて怒られる理由がわからない。あれ、なんでユーシスと委員長の二人が呆れた顔をしているんだ?
「たまにラウラがツナと会話してない日があったが、これが理由か…」
「フィーちゃん独占心、強いですからねぇ。多分、一日ツナ君と会話しないとか賭けたんでしょうね」
二人とも何を話しているんだ?ラウラも顔を赤くして伏せているし。
「ふん。それよりも、今日は何を食べるのだろうな」
ユーシス本当にツナの料理が楽しみなんだな。前なんて興味津々にツナの料理を手伝っていたし。フィーを除いてⅦ組で一番ツナの料理を手伝っているんじゃないか?そのことを言うとユーシスは顔を真っ赤にして、俺たちはその反応を笑ってしまった。
「ところで、リィン。ラウラもだ」
もう少しで、第三学生寮に着くところでユーシスに声をかけられた。真剣な声だったので振り返って向くと声と変わらね真剣な表情だ。
「ツナはやはり皇族らしい」