炎閃の軌跡   作:rebo

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三章
第25話


 うーん。今日のご飯はどうしよう。そろそろ中間試験が始まるから今日から糖分多めのご飯にしようかな。でも、女性陣にはあらかじめ言わないといけないて怒られそうなんだよな。よしっ!明日からにしよう。今日は朝食と一緒に伝えとけばいいや。

 

「どうしたの?ツナ」

 

 あっ。考え事をしていて手が止まってたや。素直にさっき考えてたことを言おうっと。フィーの意見も聞きたいし。

 

「ん。その方がいいかも」

 

 フィーの賛成のようだし早速言うか。

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「「いただきます」」」」」」」」」」」

 

 皆の声と共に俺とフィーで作った料理を食べ始める皆。マキアスさんも先月の特別実習から朝食に加わるようになった。感想も必ず毎日言ってくれるから作り甲斐がある。それはそうとして、フィーと話したことを食べながら聞いてもらおう。

 

「皆、ちょっといいかな」

 

「どうしたんだ?ツナ」

 

 兄さんが皆を代表として質問を聞いてくる。流石、頼れるⅦ組のリーダーだね。

 

「うん。明日からご飯、糖分多めにするから。勉強するにしても甘いものが良いって聞くし」

 

「成程。確かに頭脳労働を含めた疲労の回復には甘いものが良いらしいからな」

 

「わかったわ。私は文句ないし、そこまで気を遣ってくれて成績が悪かったりしたら嫌だから勉強を頑張らないと」

 

「そうですね。たしか組別と個人別に順位が発表されるらしいので明確な目標は後に決めて、それぞれの目標を決めましょう」

 

「ふん。なら組の順位は一位を目指すぞ。俺、リィン、マキアス、エマ、アリサ。少なくとも十位以内に入れる者が半分居るのだ。十分、一位を目指せる」

 

「そうね。あとは皆の平均点を上げるだけね。そうすれば個人の順位を上がるし一石二鳥ね」

 

「それまで、お互いに得意な教科を教え合うのはどうだ。放課後、勉強するときは最低でも二人以上で勉強するのはどうだ」

 

 うわっ!皆、やる気出し過ぎじゃない!?あっ!勉強が苦手なフィーが涙目になってる。まぁ、俺もだけど。そんな事より、涙目のフィー可愛いなぁ。

 

「はいはい。あんた達さっさと食べ終わりなさい。食器を洗う時間が減って遅刻するわよ。ツナもフィーに身惚れてないで食べなさい」

 

「ぶっ。サラ!?何言ってんのー!?」

 

 うわっ!皆、ニヤニヤした目で見てくるんだけど!フィーも顔を赤くして俯いているし。

 

 

 

 っつ。

 

 

 

 先月の特別実習からホント責めるような目で見てくるんだけど。今月の特別実習は一緒になりそうだし面倒くさい。

 

「ツナ?」

 

 フィーって本当に困った時に鋭いなぁ。こうやって、いつも支えてくれたりしてくれるから助かってるよ。

 

「後でね。さっさとご飯食べよう」

 

「ん」

 

 フィーにも視線を向けられているし、お互いに話し合うしかないよね。ラウラとの接し方。

 

 

 

「皆。朝にツナが言っていたように中間試験が来週からあるわ。まぁ、せいぜい頑張りなさい」

 

 今日の授業が終わり、サラから試験について注意された。でも、完全に他人事だな。成績が悪かったりしたら、教官に嫌味言われるんじゃ。あっ、そうか。クラスの半分は学年でも上位の成績優秀者だし、他の皆も平均点以上は取れるから大丈夫だからかな。

 

 そのまま、エマさんの掛け声で学校の授業は終わり自然と兄さんの席に皆が集まった。それぞれが苦手な教科を言い合い、教えるからこれを教えてくれと自然とペアを作り合っている。俺もエリオットさんに音楽の教科を教えてもらうつもりだ。途中でエリオットさんと一緒にどこかに混ざってもらうのもいいかもしれない。

 

「エリオットさん、途中でどこかに混ざりませんか?」

 

「うーん。確かにそれもいいかも。先にどこに混ざるか決めようか」

 

 エリオットさんと図書館に向かって歩きながら話す。正直、俺は全部の教科がヤバい。といっても、実技系は得意だけど。エリオットさんに教えるのも実技系のものだ。

 

「ねぇ、ツナ君」

 

 エリオットさんが真剣な顔をしている。聞いていいものか困った表情をしているからきっと俺の過去のことだろう。別に隠している気はないから、俺は気にしてないけど。ラウラさんは潔癖症なのか傭兵を嫌っていて、だけどこれまで一緒に過ごして俺とフィーを傭兵だからと嫌うのはおかしいと思ってるんだろうなぁ。それで、複雑な視線を向けてくるんだろうし。それに常に全力じゃないという理由も原因なんだろうな。フィーもちょこちょこ手を抜いてるし、俺も全力ではないからなぁ。

 

 ついでにエリオットさんが聞きたいことも分かるし先に言っておこう。

 

「俺とフィーは元傭兵ですよ」

 

 エリオットさんは驚いた表情をして俺を見てくる。それでも疑問はまだまだ、あるのだろう。どこかに混ざる予定だったけど、このままお互いのことについて教え合うのもいいかもしれない。

 


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