「なんで、あんなこと言ったの?」
フィーがツナに向かって質問する。恐らく浮浪児と告白したことに対してであろう。
「浮浪児なのは事実だし。それに、勘違いされるのは嫌だったし」
「そう」
そう言いながら、魔獣を倒していく二人。
「ねぇ、ツナが浮浪児だってもう言わないで。面倒だし」
「わかったよ」
ツナは魔獣をガントレットを装着した両腕で殴り倒し、フィーはブレードが付いた銃で撃ち倒していった。
「すごいわね」
「はい。私たちの中でも上位の実力ではないでしょうか」
「うむ。どちらも一撃で魔獣を倒している。しかも、ツナといった少年は華奢な体からは想像つかぬ力があるようだ」
「フィーって子もそうね。的確に頭を狙って、魔獣を倒しているみたい」
ツナたちを金髪の女子、眼鏡の女子、青髪の女子が見て感想を口に出していた。
「誰?」
フィーは見ていた三人に気付き声をかける。
「アリサ・Rよ。よろしく」
「えっと、エマ・ミルスティンです」
「ラウラ・S・アルゼイドだ」
三人はフィーたちに名乗った。
「ん。フィー・クラウゼル」
「ツナです」
ツナたちも名乗り返したところで、ラウラから提案がされた。
「そちらは二人だ。どうせなら、一緒に行かないか」
「そうね。実力が高いことは見ていてわかったけど、私たちより年下だろうし心配してしまうわ」
根が優しいのだろう。実力が高いことは分かっているが二人が年下とのこともあって、心配しているようだ。
「ん。取り敢えず二人でどこまでいけるか知りたいから、いらない。心配してくれてありがとう」
「えっと、そういう事でいいでしょうか」
その言葉に三人は顔を見合わせ、
「わかったわ」
納得して、アリサが返した。
「ただし、危険だと思ったら、すぐにARUCSで連絡をいれなさいよ」
「うむ。そなた達も強いのは分かるが、年下を守るのが年上の務めだ。何かあったら存分に頼るがいい」
ツナたちを心配する声をかけた。
「ありがとうございます」
「ん」
その言葉に感謝して、ツナたちは進んでいった。
「良い人たちだったね」
「ん。ツナが浮浪児だってことも気にしないで心配してくれてた」
そして、最後の扉の前に着いた。
「ここが終着地点っぽいけど戻らない?」
「どうして」
「んー。なんとなく」
「わかった」
フィーはツナの勘が人並み外れていることを知っているので賛成のようだ。
「それと、戦闘中お互いの考えが繋がっている用に分かったからことにも調べようと思うんだけど」
「ん。いいよ。じゃ、戻ろっか」
戻っている途中、
「やっぱり、繋がっている感じがするね」
「うん。多分ARUCSのせいだと思う」
ツナたちはARUCSについて調べていた。今まで、以心伝心はしてきたが、繋がっている感覚まではなかった。それの原因は、それまでになかった何か。つまりは、ARUCSだろうということになった。
「君たちは!?」
半分ほど戻ったとき、眼鏡の男子がツナたちに気付いた。
「ツナにフィーか!」
どうやら、リィンもいるらしい。他にも、褐色の長身の男子の他にエリオットまでいるようだ。
「リィンにエリオット!それに、えぇっと…」
「ガイウス・ウォーゼルだ。よろしく頼む」
「ツナです。よろしくお願いします」
「フィー・クラウゼル」
ツナと褐色の男子のガイウスはお互いに名乗っていた。フィーは名乗りながら、マキアスを睨んでいた。
「マキアス・レーグニッツだ。先程はすまない。」
「ツナ、行こう」
ツナに声を掛けて、フィーは壁を走り上に登って行った。。
「えっ?フィー!?」
ツナはそれを見て驚き、「あと半分で終着ですから頑張ってください」と言い、一回のジャンプで壁の上に登りフィーを追っていった。
「すごいね」
「ああ。かなりの身のこなしだ」
「あ…あぁ。確かにそうだが、マキアス?」
「謝れなかった……」
そう言って落ち込むマキアス。
「ツナ君は気にしてないみたいだし大丈夫だと思うよ!」
「あぁ。普通にしていたしな」
「だが、フィーといったか。彼女はマキアスを睨んでいたが」
「あはは。あの二人付き合ってるらしいし」
「ふむ。恋人を傷つけられて怒っているのか」
その言葉にさらに傷つくマキアス。ツナに自分は浮浪児だと言わせた上、ツナ自身は気にしてないのせいで罪悪感が増している。
更に、フィーは恋人であるツナを大事にしているのが分かるのでフィーにも許してもらうのに時間がかかるかも知れない。ツナ自身は気にしてないのが救いだろう。
「もぉ。どうしたのさ、フィー」
「眼鏡嫌い」
ツナは走り去ったフィーに追いついて、いきなりどうしたのか質問する。
「俺は気にしてないから、後で許しなよ」
「ツナは優しすぎ」
そう言って、フィーはツナを引っ張る。
「ん…」
そのままキスをした。
「ぷはっ。フィー!?」
キスが終わり、いきなりのことにツナは顔を真っ赤にする。
「もう何度もしているから、真っ赤にならなくていいのに」
「好きな子とキスしているからしょうがないじゃん!」
ツナの言葉にフィーも顔を赤らめ、腕を繋ぎながら進む。
「ふん!」
「ハァ!」
途中、ユーシスが魔獣の群れと戦っていた。
「一人でもどうにかできそうだけど。協力した方がいいかな?」
「…ん。好きにしていいよ」
「じゃあ、参戦しよう」
「ん」
ツナたちもユーシスに魔獣の撃退に参加した。
魔獣を撃退し、
「フン。オレ一人でも十分だったが、楽になったのは事実だ。礼を言おう」
「あはは、ありがとうございます」
「ん」
ツナはⅦ組は自分たちを含め十人であり、女子は三人で男子は四人、残りは自分たちだと気付いた。
「どうせなら、このメンバーで奥まで行きませんか。他の人たちはもう全員組んでいて丁度良いし」
「いいだろう。その年で士官学院に入っているとはいえ、自分より幼い者を守るのは貴族の義務だ」
そう言い。ツナたちの同行をユーシスは認めた。
「ところで、貴様らはいくつなんだ。俺たちよりも年下なのはわかるが、気になってな。その年で士官学院に入ったことも含めてな」
ユーシスはツナたちを気になって質問していた。
「ん。私は15でツナは14。入ったのはサラに誘われたから」
「サラだと?」
「私たちを落とした人。まさかこんなことをされるなんて」
「悪戯好きだからね。一旦、終着地点まで着いたけど、まだ仕掛けが残されているかもしれないし」」
「成程。どうりで道に迷わずにスムーズに進んでいるわけだ」
「グォォォ!!」
魔獣の声がここまで響いてきた。
「お前たちの言う通りだったな。急ぐぞ!」
「はい!」
「ん」