「うん。やっぱり屋上は広いわね。Ⅶ組の皆で余裕で食べれるわね。」
リィンたちが昼食を食べに屋上に着くと、アリサが屋上を見て感想を言った。
「あぁ。天気もいいし。昼食もおいしく食べれそうだ」
「えぇ。でも、私もだけど。購買で買ってきた人も多いわね。エマにフィー。あとツナも分けてくれない?フィーとツナもよく二人前の弁当を作ってきてるでしょ。フィーなんて今日も二人前も作ってきてるし」
アリサがエマとフィーとツナに聞く。
「はい。いいですよ。皆さんもどうぞ」
エマはアリサの言葉に同意して弁当箱を広げる。
「ヤ。ぶっちゃけ分けるとお腹が空いて足りない。もう一つはツナの分」
「今日はフィーが弁当を作る日だからお弁当持ってきてないけど。でも、フィーの分も購買でパンを買ってきたから、俺の分を皆で分けてもいいよ」
フィーは拒否し、ツナは弁当を分けてもいいと言う。
「えっ?」
「ツナ。そうなの?」
「うん。これ」
他の皆が驚いている中、ツナとフィーは自分たちの分の弁当を皆が食べてもいいように広げていた。更にツナは購買で買ってきたパンをフィーに分けていた。フィーもツナが購買で買ってきたと聞いて弁当を分けてもいいと思ったようだ。
「なぁ。もしかして、いつもお互いの弁当を作っているのか?」
「ん。たまに二人で作る場合もあるけど。いつもは、日別に作りあっているけど。今日は私の番」
「はぁ」
フィーの言葉を聞いてエリオットは溜息を吐いた。
「運動神経はいいし、こんなおいしそうな弁当を作れるし。二人とも苦手なことはないの?」
どうやら、二人と比べて劣等感を抱いてしまったようだ。
「ん。勉強」
「勉強できない」
フィーはどうでもよさそうに、ツナは落ち込んで勉強ができないと答えた。
「あはは」
対照的な答え方にエリオットは苦笑した。
「ふふ。大丈夫ですよ。二人ともちゃんと勉強を見てあげますから」
「ん」
「はぁ。ありがとうございます」
エマの言葉にツナは少し嫌そうに、フィーは面倒くさそうに頷いた。
「ふふ。そなた達もこの学院に入った以上、勉学も頑張らないといけないのだぞ。テストで悪い点数を取ったら、勉強漬けになってしまうかもしれんな」
ラウラがツナたちをからかうように言った。
「エマ、今日から教えて」
「リィンさん。エリオットさんたちも教えてください」
ツナとフィーが顔を青くして勉強を教えてくれるように頼んでいるのを見て、リィンたちは笑っていた。
「ふん。楽しそうだな」
「えっ」
声が聞こえた方向を向くとユーシスがいた。
「ユーシス!?どうして、ここに?」
「ふん。ツナを昼食に誘おうとしたら屋上に行ったのが見えたのでな」
リィンの疑問に返すユーシス。
「ツナと仲がいいもんね」
「うん。仲がいいことは良いことだ」
エリオットとラウラの言葉にユーシスは「阿呆が」と言い。
「そいつの言葉は心に残るからな。旧校舎でもそうだった」
その言葉にリィンやラウラが頷いた。
「うん。平民も貴族も変わらない。私は人それぞれだという意味に聞こえた」
「あぁ、俺もだ」
「貴様らもか」
そう言って、Ⅶ組の貴族で会話が盛り上がる。
「そいつが言うには、貴族は平民を大事にするのが当たり前だと言っていたぞ。今、自分たちの世話をしているのは平民で、平民が貴族の世話をしなくなったら貴族は生きていけるのかという疑問も提示されたぞ」
「……。難しいかもしれないな。私も家で料理を作ってくれているのも平民だ。もちろん、家の掃除もしてくれているのもだ。」
「俺の家もだ。そう考えると、平民に感謝して生活しないとな」
「ふん。そう考えると貴様らは羨ましいな。シュバルツァー家もアルゼイド家も領民に慕われていると聞く。家は公爵家だが、増税のことも考えると慕われてるとは思えない」
Ⅶ組の貴族メンバーの話を聞いていた。他のメンバーは。
「なんか、あそこだけ空気が違うよね」
「あぁ。あれが貴族か。自分たちが治める事になるだろう人たちのことも考えているのだな。領民たちも安心できるだろう」
「はい。あの人たちなら安心して暮らせますね」
「でも」
「アリサさん?」
アリサがツナを疑うような目で見ていた。
「ううん。何でもない」
(まさか、暗殺された皇子様じゃないわよね。姉であるアルフィン皇女を庇って高い崖から落ちてしまったと聞くし。あまりの高さから生きているはずがないと判断されたらしいけど)
分かりやすすぎる伏線(笑)