--放課後。
屋上でフィーがツナに膝枕をしていた。
「フィーは部活決めた?」
「ん。ツナこそ決めたの?」
「んー。俺はいいかな」
「そう」
二人は部活について話している。
「私はどこにしようかな?」
「吹奏楽部にしたら?家族や聞かせた町の人に人気だったじゃん」
「ツナみたいに演奏は得意じゃないし。私は歌がメイン。」
「立ち寄った町で曲を聞かせるときも、いつも歌ってたもんね」
どうやら二人は音楽的な才能があるようだ。
「その声はツナにフィーか?何をしてるんだ、二人とも?」
リィンが屋上に入って来た。
「あ……」
「膝枕」
「いや。邪魔をしたな。ゆっくりしてくれ。それとできれば、そういう事は誰も見ない学生寮の部屋でやってくれ」
リィンはツナたちを見て気まずい雰囲気になった。そんなリィンのことを気にせずフィーはさらりと返す。
「…はい」
「じゃ。寮に帰ろっか。帰ったら一緒にご飯を作って、その後に私の部屋に来て」
ツナはリィンの言葉に頷き、フィーはマイペースにツナに声を掛けていた。
「フィー、マイペース過ぎー!?」
リィンはそんな二人を見て帰ろうとしていたが、ツナに声を掛けられた。
「リィンさん、ちょっと待って」
「どうしたんだ。ツナ?」
「明日から六時には皆の分の朝食を作ってるから、夕食は七時だから」
「へっ」
どうやら、ツナが部活に入らない理由はⅦ組の朝食と夕食を作るためのようだ。
「大変じゃないか?皆の分を作るなんて。それに料理が出来るのか?」
リィンはツナとフィーが交互に弁当を作っているのを聞いたが少し不安なようだ。それに、皆の分を作るという点でも大変じゃないかと心配している。
「大丈夫。ツナの料理はおいしい。それに前にいたところではいつもツナも料理を作っていた」
「そ、そうか」
(本当にどんな生活をしていたんだ?)
「今日も作るから食べてみるといいよ。そこから判断すればいいだろ」
ツナの言葉に納得してリィンは頷いた。
「あぁ。そうだな」
そして。
「うん。上手い」
「えぇ。本当ね」
「フィーちゃんも美味かったですけど、ツナ君も凄く美味いです。」
女性陣がツナの料理を食べて賞賛していた。
「これは本当にすごいな」
「うわぁ。本当に美味いや」
「あぁ。こんなに美味いものを食べれるとはな」
男性陣も思い思いに賞賛する。
「当然。私の料理の師でもあるし」
「なるほど」
フィーもツナの料理を褒められて嬉しそうだ。
(だけど……)
ただし、
(((((((((ユーシスとマキアスの二人の雰囲気がなければ、もっと美味かったんだろうなぁ)))))))))
ユーシスとマキアスの二人が料理の美味しさを半減させていた。
「ふん。ツナ、美味かったぞ。明日もご馳走になろう」
「なっ。貴族が浮浪児の料理を食べるだと!?貴様が食べるなら僕は食べないぞ!貴族共と一緒のご飯なんて耐えられない!ツナ、貴族共がいる限り僕の分はいらない!」
「それってリィンさんやラウラさんも含まれているってことー!?」
「当たり前だ!」
そう言ってマキアスは寮の部屋へ戻っていった。
「ツナ、朝食も六時には出来ているのだったな」
「はい」
「わかった。明日も頼むぞ」
そう言ってユーシスも部屋に戻っていった。
「ま…まぁ。取り敢えず、明日もよろしくね。ご飯美味しかったわ」
「アリサの言う通りだな。…食費とかはどうするんだ」
リィンが思い出したように食費のことを話題にした。
「大丈夫よ。うーん、それにしてもいい匂い。もらってもいい?」
「サラの分も作っておいたから、それを食べなよ」
「マジで!?ツナ、愛してるわー」
「………サラ」
「…冗談に決まってるじゃない。やーねー」
サラが寮に帰って来た。
「サラ教官!?いや…。それよりも、食費が大丈夫ってどういうことですか?」
「うーん。その分の食費は学園で出してくれるわよ。もともと貴族たちが暮らす学生寮でも、平民の暮らす学生寮どちらでもご飯は出ているんだし。年下のツナが作ってくれるんだから、そんな事を気にするより時間があったら料理の手伝いでもしてあげたら」
「うん。そうだな。何かあったら、料理の他にも頼ってくるがいい」
「うん。皿洗いでも何でもするよ」
「ありがとう」
--朝。
「ふぅ。そろそろいい時間だな。戻ってツナの手伝いでもするか」
リィンは朝の鍛錬を終え寮に戻るようだ。
「っと、その前にシャワーでも浴びないとな汗を掻いたまま調理室に入るのはダメだしな」
寮に入るとフィーと会った。
「フィーか。おはよう」
「ん。おはよう」
お互いに挨拶を返しあった。
「ツナの手伝いか?」
「ん。リィンは朝の鍛錬がえり?」
そのまま話し合う二人。
「あぁ。シャワーを浴びてからツナを手伝う予定だ」
「そう。人数が多いし、多分人手が多いと助かるから急いでね」
「ゆっくりしていいよー!今作っている最中だし、どちらかというと運ぶ方が大変だからー!」
「らしいよ」
聞こえてたらしい。ツナの言葉にフィーはそうしたらという視線とともにリィンに言う。
「いや。それでも出来るだけ急ぐさ」
「そう」
「へぇ。結構、種類が多いな。運ぶのも大変だ」
「それでも、皆で食べきれる量。残さないでね、洗うのも大変だし」
「あぁ。そうだな」
リィンとフィーが運びながら話しているとアリサとラウラが降りてきた。
「あら。二人ともおはよう。もう少し早く起きた方がいいかしら?」
「うむ。少しでも手伝おうと思ったのだが、もう料理も運び終えていそうだ」
そして、上からもドタドタと足音が聞こえてきた。
「これは手伝えないかも!?」
「なに、皿洗いや料理を運ぶ手伝いをすればいいだろう」
ガイウスとエリオットも起きて手伝おうとしていたようだ。
「落ち着いてくれ。これで最後だ」
リィンはエリオットに落ち着けるように話しかける。
「うわぁ。遅れちゃったよ」
エリオットが後悔したような声を出すと。
「明日からは七時にした方がいいかな?ちょっと早すぎるし。学院に行くにしても皆の分の更を洗っても結構余裕がみたいだ」
「ツナ!」
「皆。おはよう。明日からは七時にしようと思います。俺が早起きなのでご飯の時間も早くしてしまって済みません」
「阿呆が。気にするな。作ってもらって置いて、文句を言うのは筋違いだろう」
「ありがとうございます。とにかく、明日からは七時にしますね」
「はい。私も明日から手伝うようにしますね。皆さん4、ご飯を頂きましょう」
エマの言葉とともに、皆が席について料理を食べ始めた。