よわつよ!   作:やきごはん

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2年ぶり?3年ぶり?とかの投稿ですね。
色んな小説を見る中で、自分も書いてみたいと思ったので書きます。
ゆるりと書いていくので、突然終わる可能性もありますが……

読みたい方は何かの暇つぶしにでも、楽しんでくれたら嬉しいです。




0章 幼少〜少年期
始まり


 リッテン王国 オルトリンデ村 4月1日

 

 ノエル 12歳

 

 

 母、アリアからその知らせは聞いた。

 

 フェリスが帰ってきていないと。

 

 フェリスは、同じ村に住む2歳歳下の女の子。ノエルとは違い、元気いっぱいで、いつも村のあちこちで遊んでいるらしい。

 そんなフェリスが、18時を回っても家に帰ってこないので、フェリスの親は村の人達に捜索の協力を仰いだ。

 そうして、ノエルの家にも話が届いた次第だ。

 

「ロラン! うちの子を探すのを手伝ってくれないか!?」

 

 ノエルの父、ロランに頭を下げるフェリスの父。ロランは勿論! すぐ準備する、と言いながら立ち上がり部屋の中へと消える。

 少しすると、軽装備に包まれたロランが姿を現す。

 

「冒険家だったお前が力を貸してくれるとなれば、百人力だ。ありがとう!」

 

「気にするな。それより、手がかりはあるのか?」

 

 ロランは久し振りの剣の感触を確かめながら、確認する。

 

「最後に見かけたのが、森に一番近い家の人だったから、恐らく森で迷ってるとは思うんだけどな……いかんせん、暗くて」

 

 そうか。と考える表情をするロラン。

 と、ふいにこちらに目を向ける。

 

「ノエル、一緒に行こう」

 

「……ぇ……」

 

 突然のことに目を見開き、一歩後退りながら父を見る。

 

「ノエル、お前の光球が役に立つんだ。それに、たまには外の世界に触れていかないとな。もう12なんだから」

 

 こんな状況で、外の世界を体験させるなんて言うロランもロランではあるが。彼が冒険者であったことを考えれば、強ちおかしいとも言えないのである。

 ノエルはそれでも行きたくはないと言おうとした。

 光球は暗くて怖い森で人を探すために覚えたんじゃない。母アリアが、怖がりだったノエルに1人でも怖くないように。少しでも怖さが無くなるようにと。教えてくれた唯一の魔法である。

 

 ノエルの肩にぽすりと手が乗る。

 

「ノエル、フェリスちゃんはきっと。暗い森で、怖くて、心細い思いをしているはずよ。私が貴方に教えた理由も、怖がる貴方を支えたかったから。今度は貴方が、フェリスちゃんを支えてあげる光になって?」

 

 アリアがノエルに優しく語りかける。

 

「お父さんも居るし、他の村の人も居る。それに家には私が居る。貴方の居場所は何処にでもあるわ。だから、怖くなんてない。安心して」

 

 語りかけながら抱きしめる。

 恐怖に強張っていたノエルの顔が少しずつ和らいでいく。

 

「ノエル、行けるか?」

 

 差し出されたロランの手を握る。

 

「よし、ノエルの勇気。父さんは受け取った。今度は父さんがノエルを全力で守るからな」

 

 そう、夜の森には魔物が潜んでいる可能性もある。

 フェリスが魔物に襲われている可能性も。

 

 急ごう! と、ロランに手を引かれながら森へと向かう。

 

 勇気は出したけど、やっぱり寂しくて。怖くて。

 名残惜しそうに母の方を振り返る。

 

 なんだか、悲しい顔をしていた母を、その時の僕はどうする事も出来なかった。

 

 

 

 

 




設定とか文とかめちゃめちゃかも知れないです。
ご了承下さい。

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