よわつよ!   作:やきごはん

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1章 学園一年目
物語は動く


 修行に明け暮れるある時、アーロンがノエルに説明する。

「ヴェルファイア学園には入学試験が存在するんだ。筆記試験と、魔法試験の2つ。それぞれ満点が500点で最大1000点。最大満点で合格した人は居ないけど、片方満点だった人は存在する」

 

 驚くノエル。

 

「恐らくだが、君が入学する時も定員は500人だろう。そしてその500人に入るために必要な点数は、大体だが……このくらいだ」

 

 

 総合得点 600点以上

 

 

「幸いな事に、総合された得点で判断される。ただ、片方が低すぎればダメだ、最低点100点取れていれば恐らくは大丈夫だとは思う。一応前例があるからね。今の感じを見ると、ノエル君は筆記試験で満点を取る勢いでないといけない。今の君がしっかりとコントロールできる量の魔力で挑めば、魔法試験では恐らく最低ラインの100点をギリギリ超えるかくらいだから。流石に誰かに君を怒らせてあの魔力をぶっ放せば、500点貰えるかもしれないが、危険すぎるからね……」

 

「と言うことで、これからは筆記試験の方を重視して教えようと思う。魔力の方は、僕らも専門家ではないからね、やはり学園に入ってから詳しいことを学んでいけば大丈夫さ」

 

 

 

 そうして、3年が経過した。

 ノエル15歳。

 4/1 ヴェルファイア学園の入学式だ。

 と言っても、席に座ってあーだこーだ話を聞くだけの退屈な時間だが。

 

 

 アーロン邸から、ヴェルファイア学園に直接通おうとすれば、相当な時間が掛かってしまう為、ノエルは寮を選択した。

 今日、自分の部屋が分かる。そして、その部屋で3年間共に過ごすパートナーも分かる。

 

 

 朝早くにアーロン邸を出発する。

 玄関には、アーロン夫妻と2人のメイドが見送ってくれた。

 

「行ってらっしゃい、君なら大丈夫だ」

 

「何かあれば私達に連絡をしてね。きっと助けになるはずだから」

 

「友達沢山作ってね!大事なのは思いやりの心だよ!」

 

「貴方のお母さんを助ける為にも、全力で頑張って!」

 

 エールを受けながら、ノエルはアーロン邸を出た。

 

 

 ノエルの母アリアはまだ生きている。

 相変わらずオーヴェンの元に居るが、一昨日ナスカが生存の確認を取った。

 まだ、救える。

 後2年。17歳になり、ノエルが聖都ヴェルファイアにて、完璧な戸籍を獲得して、同時に冒険者となり正式にリッテン王国へと乗り込む。その筋書きは未だ崩れそうにない。

 

 

 聖都ヴェルファイアの中心部へと入る。

 ヴェルファイア学園は、聖都の中で一番レベルの高い学園で、唯一Bランク以下の貴族たちが住む住宅域と同じ枠組みに存在している。

 

 商店などで賑わう大きな通りを真っ直ぐ進めば、学園に突き当たる。

 

 

 

 

 はずなのだが。

 

 

「……ど、どうしよう……」

 

 

 何故か迷っているノエル。

 

 

 

 大通りの人混みに気圧され、そのまま人を避けるように違う路地へと入り、違う通りへと出てしまった。

 

 そして今は公園の噴水の前で周囲を見渡しながら困っている。

 

 

 

 

 と、そこに1人の女性が話しかけてきて。

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