よわつよ! 作:やきごはん
すると草陰からまた違った3人組が出て来た。
「ご苦労さん!それじゃ、その端末返せ」
一番前を歩いていた男が、持っていた端末を奪う。
「お前らもう帰って良いぞー」
そう言うと、最初に来ていた3人組は怯えるように逃げ去った。
「君たちは……」
シンが驚く。
驚くのは無理もない、草陰から出てきた3人組はシンと同じ、C+クラスの4.5.9位のザナード、バーデン、ギアラだったからだ。
「いやぁ、どうもどうも。シン様。それに取り巻きのお二人さんも」
「っ……取り巻き?」
「まぁ、今回はお前らに恨みは無いんだけどさ。近くにいたから巻き込んじまった」
「おい、さっきの子から端末を奪ったのは何故だ?」
「あ?それ俺のだから。そうそう、決闘申込ありがとさん」
シンとレネ、ノエル全員が驚いた顔をする。
「ど、どういうことだ?」
「そのままの通りだが?あいつらが、俺の端末で、そこのなよなよした男に決闘申込をしてもらったわけ、そっちからな」
決闘の申し込みは、双方の端末から可能である。
勿論、その前に顔認証、指紋認証など、本人確認が必要なのだが。
レネがノエルに言う。
「おいノエル!合意じゃなかったのか!?」
そう、先程は格下が相手だった。だから、こちらから申し込む事はできない。
「わ、分からない……合意を押した……はずなんだけど……」
ノエルも混乱していた。
たしかに、合意しますかという選択だったはず。
その様子を見て、何かに気づくシン。
そして、うんうんと頷くバーデン。
「流石だなバーデン」
ギアラがバーデンを褒める。
「ははは、だろ?」
「君たち……いや、バーデン君。端末がノエル君に渡った後、認識操作をしたね?」
そう、バーデンは他人の認識を操作することが出来る。
それも、ノエルのような心が弱い人であればあるほど。催眠術のようなものだ。
そこに漬け込み、合意を押す瞬間、画面を切り替え申込にした。しかし、ノエルは合意を押していると思ってしまっていた。
と言う訳だ。
「証拠は?」
「ない」
「なら、そんな不確定な質問は辞めておきなよ。時間の無駄だ」
「おい、そんな事より決闘すんぞ」
意気揚々というより、殺意に満ちた目でこちら側を睨みつけてくるザナード。
ザナードはすでにやる気満々だった。
「どうにもならねぇのか?」
チッと嫌そうな顔をしつつも、少し考えた顔をするレネ。そして、レネがシンに言うが、シンは諦めろと言わんばかりに首を振る。
「やるしかない。勝てばそれで良いんだ」