よわつよ! 作:やきごはん
「エリス!?」
ノエルに近づくと、ガシッと手を掴む。
「くぅっ! ……」
魔力が腕を伝わり、激痛が走り苦痛に顔が歪む。
「エリス! 早く戻って!!!」
イリスが手を伸ばすも、エリスは無視してノエルを引っ張る。
「ぐぐ……どっちも……助けたいっ……!」
エリスはそのまま盾を通り過ぎ、カプセルの中にノエルを押し込む。
その際、遂に壁が壊れ、研究所内に警報が鳴り響く。
「これじゃあ、あいつらが来ちゃう……!」
押し込んだ瞬間、カリプスがエリスの思考を読む。
そして、カリプスも盾から出て、カプセルの方へと向かう。
アルファベアーのカプセルの目の前にあるレバーを作動させる。
ノエルから魔力がアルファベアーに注がれる。
注がれて、注がれて、ノエルのカプセルのヒビが完全に割れる。同時に、アルファベアーのカプセルのガラスも割れた。
「お前ら!!」
若い男が慌てながら入ってきた。
しかし目の前に君臨したアルファベアーに、恐怖で一瞬体が固まる。
「行くよ!!」
イリスがその隙を見逃さず、2人を呼ぶ。
カリプスは反応したが、エリスはまだノエルを助けようとしている。
「まだ……まだ無くならないの……?」
しかし、エリスの想定していた策は潰れた。
ノエルの魔力を全部アルファベアーに吸い取らせ、そして自分の盾でアルファベアーの攻撃を一発防いで、混乱に乗じて逃げる。
しかし、魔力が一向に尽きない。
そして、アルファベアーはノエルに異常な量の魔力を与えられたせいで、錯乱状態に陥っている。
カプセルから出てきてから、吠えるばかりで、中々攻撃をしてこない。
「くっ……!」
若い男は、博士の到着を待つしかないと感じた。
あの熊は博士しか言うことを聞かせられないからだ。
「エリス!! 早く!!!!」
アルファベアーがまだ攻撃をしてこないことと相まって、イリスは盾から出て、カプセルの前で待つエリスを引っ張った。
と、同時にノエルの魔力がまた暴発し、魔力を伝えていた管が爆発し、それがカプセルを動かしていたモーターに引火し、大きな爆発が起きた。
「きゃっ!!」
イリスとエリスは盾の方へ吹き飛ばされる。
盾のお陰で3人は無事だったが、ノエルは爆風に巻き込まれて、より部屋の奥へと吹き飛ばされてしまう。
「ノエル!!!」
エリスがノエルを見捨てまいと、また盾から出ようとするがそれと同時にアルファベアーが、爆風によって正気を取り戻し、襲いかかってきた。
パリン__
爪が盾を襲い、一発で割れる。
「行きましょう!!」