普段は飛行機や戦車をしまっておく為の倉庫が現在は、銃の銃痕と手榴弾やグレネードランシャーによる爆風によりガラクタの物置小屋のようになってしまった倉庫の中で、少年が一人横倒しになった装甲車の上に腰を下ろしていた。
その周辺にはヘルメットからミリタリーベスト、破壊された銃火器や使われて手榴弾の破片、空薬莢が散乱していた。
「最後の任務が映画みたいな展開なんて、笑い者だ」
テロリストのある人体実験を生き延び。
未成年の子供のみを集めた特殊部隊の
国の立場が危うくなった事で解体を命じられ最後の任務を受けた少年を待っていたのは、知り過ぎてしまった兵士を消すという映画のストーリーにもよくある展開だった。
だが、映画ならばその待ち伏せされて現場から命からがら逃げ飲み、平和に暮らすというのが良くあるパターンだろうが。少年は、兵士全員を返り討ちにして最終的に投入された装甲車すら腕一本で破壊した。
「いや、素晴らしいね。此処まで体術に優れて人物も珍しい」
少年以外にまともに動くことの出来ない倉庫に中に丸腰どころか、戦場という場所にスーツという場違いな服装で現れた青年。
外見は、二十代後半といったところだろうか。
落ち着いた雰囲気は軍人とは程遠いはずなのに、肌で感じる存在感というものは軍人すら凌いでいた。
「アンタ、国が送ってきた軍人?」
「いいや、僕はただ探偵さ。教科書に載る位には有名だけどね」
「探偵ね、あまり興味ないや」
青年は残念だよ、と口にするがそれの問いかけが面白いの少し笑っていた。
「此処に来たのは君に興味があったからさ」
「俺に?」
「そう。君は施設の生き残りだからね。興味があったのさ」
「あぁ、そういう事か。で、それで用事は済んだのか」
「肉弾戦での装甲車の破壊に襲ってきいた兵士たち簡単に無力化、推理していた以上だよ」
興奮気味に話すが少年は自分が出来る事を特別な事だとは思ってはおらず、特に嬉しいと感じる事はなかった。
「そろそろ追加の兵士たいが来る頃だろうから本題を話そう。君を僕の組織にスカウトしたいのさ」
組織?と少年が首を傾げる。
青年は頷き返す。
「そうさ。『イ・ウー』という組織でね。君のように特殊な技術を持った子や超能力、知識を持った子もいる。どうだい、国に狙われている以上のこのままというわけにいかないだろう?」
少年は、三分ほど悩み答えを出した。
「やる事もないし、取り合えずは寝床が確保できるなら」
「そんな理由で世界屈指の犯罪者の所属する組織に入る事を選ぶのは君くらいなものさ。まあ、いいか。答えが出てならば善は急げだ。と、その前に君の名を聞いてもいいかい?」
「施設で九六一〇号って呼ばれていから日本人の兵士がクロトと名乗れって言われた」