「役目をやり遂げたら、もう一度見られると思ってたんだよ。彼らの、幸せそうな笑顔を.....」
「私が最後に残ったって.....仕方ないじゃないか......」
エリディブスはエーテルとなり、クリスタルタワーへと吸い込まれていった。
次の瞬間、光の戦士の体は光に包まれる。
「な、なにが.....!!」
来るであろう衝撃に目をつぶり光の戦士は身構えるが特に異変はなく、おかしいと思いつつ目を開け構えを解くと目の前に広がる光景は先ほどとは全く違った。
「こ、ここは........?見たこともない建築物がいくつも.....」
見渡すと周りには見たこともない建築物が所狭しと並んでいる。(高層ビルやマンションなど)
「ヤシュトラに連絡を取らないと....リンクパールは....繋がらないか...」
リンクパールを使いヤシュトラに連絡が取れないか試してみるものの、リンクパールは起動するが繋がらない。
そこで、ハッとなり周りを見ると不思議なものを見る目で大勢にみられていることに気づく。
「急に現れた....魔法師....??」
「自己防衛以外での魔法行使って犯罪じゃなかった??」
言葉は超える力でわかるが、取り合えずまずい状況であることを確信した光の戦士は竜騎士にジョブチェンジしジャンプして姿をくらます。
「っと.....流石にここまでくれば....」
ビルの屋上に逃げてはぁ....とため息をつき、黒魔導士へとジョブチェンジする。
その時、後ろから声を掛けられる。
「やっと追いつきましたわ。.....異世界の英雄さま。」
後ろから声をかけられたということと、追いつかれたという事実に驚愕し後ろを振り返る。
そこには、14~5歳ほどと思われる少女が立っていた。
「□□□□....?」
「失礼いたしました。私の名は黒羽亜夜子と申します。ご当主が貴方をお探しでしたのでお迎えに上がりました。」
光の戦士は自分がこちらの世界に飛ばされたことを既に把握している...元凶か?と一瞬思考し顔を顰めるが早計だと先ほどの施行を破棄する。
しかし、なぜこちらの言葉を理解しているのだろうかと首を傾げる。
「ああ、お気になさらず。一応何を言いたいかはわかっておりますわ。」
今は考えても仕方ないと考え、同行することにする。
「□□□□□□。」
「それでは、お連れ致しますわ。」
そうして、光の戦士は四葉家へと向かった。
四葉家
「ようこそお越しくださいました。異世界の英雄様。」
光の戦士は対峙した女性を見て背筋をぞわりとさせる。
「(先ほどの女の子よりも圧倒的な威圧感...ただ者じゃないな...)」
「そう、硬くならずともいいですわ。光の戦士様?」
「.....□□□□□□。」
「そうですか。とりあえずの処置になりますが、あなたの身は私たち四葉家が保護します。その際にこちらの言葉などを覚えていただきます。その代わりですが、あなたの知っている魔法についての知識をこちらにもお教えしてもらいます。構いませんね?」
『.....少し問題はあるかもしれないが、時間の流れは違うだろうから問題はないか。とりあえずこの四葉家?の当主と思われる女性のいうことを聞いておかなくてはならなそうだ。』
とりあえずさらっと情報を整理してから頷く。
「交渉成立ですね。それでは、葉山さん?この方をお部屋に案内してさしあげて。」
「承知しました、奥様。それでは、異世界の英雄様。どうぞこちらへ。」
とりあえず光の戦士は葉山と呼ばれた男性についていくことにした。