デスゲーム漫画に転生したっぽい   作:石鹸枠どこ?

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学園、探索、対モンスター、対人と欲張りでいきます
難しい話は大人の役目としてスキップしていきます
プレイヤーが500人しかいないのでそこまでバッタバッタとは死にません


夢かもしれないけど転生って考えることにした

「そこのお前!」

 

 大声に反応して意識が覚醒する。どうも、授業中は眠くなって仕方がない。小学校六年間で染み付いてしまった習慣は体がデカくなっても抜けてくれないのだ。

 何年か後には社会人だ。このままだと、上司が話してる間だったり、会議中に眠くなったりしそうで心配だ。

 

「今俺が言ったことを復唱してみろ」

「は、はい。えーっと……」

 

 どうやら、怒られたのは俺ではなかったらしい。人の

振り見て我が振り直せ。授業に集中するとしよう。

 ……今はなんの授業中だったっけ? ダメだ。寝ぼけすぎてる。教科書類は……目の前にあるのは謎のハイテク机だけだ。ウチっていつからこんな近未来的になったんだ?

 そうだ。教師を見ればなんの時間かわかる。怒鳴る教師は時代の流れと共に消え去ったと聞いていたが、どうやら怒られた奴はよっぽど授業に集中していなかったようだ。まさか現代の教師が怒鳴るとは……。一体怒られたやつは何をしていたんだ?

 

「NA-ENGを回収することで活動時間が増加するので、作戦行動中はNA-ENGの溜まり場を発見する事も重要であり、ナビゲーターに最低限求められる技能が溜まり場のNA-ENG量の見極めと、回収コストリターンの計算である……です?」

 

 えぬえーえなじー? 一体何を言ってるんだ。ゲームの話か? 思わず生徒のほうに目が向いた。

 流石に授業中にゲームをしていたら怒られるか。これは、教師も大激怒不可避だろうな。

 ……というか、あんなやつウチにいたか? 銀とピンクの中間色みたいな派手な髪をしたやつなんて見たことがないぞ。でも、どこか既視感がある。染髪をした目立たないやつという可能性? 髪の色が変われば話したことがないやつなんて見たことの無い人へ早変わりだろうしな。

 

「ふん……。良いだろう」

 

 良いだろう!? 近くの友人に小さく礼をしている知らないやつから教師に注目先を変える。……眼帯をした教師なんかいたか?

 こいつも妙な既視感がある。眼帯と付け髭で印象を変えて……いや、教師がそんなことをするわけがないか。

 誰なんだこの男は。

 

「NA-ENGを回収することで、お前らはSC-POWを生成出来る。これは、有害物質が至るところにある未開拓領域(フィールド)での活動に必須のものだ。SC-POW残量を監視するのはナビゲーターの役目とはいえ、お前らも常に自分のSC-POW残量には気を配っておけ」

 

 えすしーぱわー? フィールド? 教師が授業中にゲームの話? いや……違う。俺は知っている。これは夢か?

 

「最低限のSC-POW運用——FIT(フィット)が可能となった者から未開拓領域(フィールド)探索任務を割り振ることになる。そこでボケッとしているお前、FIT(フィット)は理解しているな? 説明してみろ」

 

 俺か!? 隣のやつに脇腹を肘で小突かれた。やはり俺のようだ。FIT(フィット)確か——

 

「……FIT(フィット)とはSC-POW運用方のひとつでありFire.Ice.Thunder三種の属性変化の事を指し、このうち一属性への変化が可能になってSC-POW運用が出来ると言える基礎技術です」

「ボケッとしてても本国で理論の勉強は済ませているようだな。だが、複数属性の運用が可能。というような説明ではダメだ。開拓拠点(フロンティアベース)を作った第一陣からSC-POWに触れて戦ってきた奴でも複数属性を扱うことはない」

 

 ふう……なんとかなったか。しかし、やはり知識通りだったか。だとすればやっぱり夢なのか?

 NA-ENGやらSC-POWやら、それらの用語は俺が読んでいたコミックの中に登場するものだ。

 断じて現実に存在するものではない。しかし、夢にしては意識がしっかりしすぎているし、現実感が強い。

 

「それから、FIT(フィット)はそのままスリーマンセル組み方としても扱われている。三属性バランスよく組むことで対応の幅が広がるからな」

 

 確か俺は……何かに衝突した? 降ってきた?

 先程目が覚める前の事を思い出そうとするが、何かにぶつかったということ以外に思い出せることはない。

 状況から考えるに、意識不明中に見ている夢か、あるいは転生ということだろう。

 夢であればどうなろうが問題はない。

 仮に、事故で俺が死んで転生したとしたら第二の人生を兵士として生きることになる。

 とても辛い。どうしてぬくぬく平和に生きていた俺が危険な未開拓領域(フィールド)に出る兵士になる必要があるのだ。しかも一兵卒であるため与えられた任務をただこなす他なく、原作知識はほとんど活かせないだろう。

 兵士として死の恐怖をどうにかする方法を学んだわけでもなく、一回死んだために(仮に転生なら死を経験しているはずである)死を恐れなくなっているわけでもない俺が兵士としてやっていけるのか不安だった。

 

 ひとつ救いがあるとすれば、同期の兵士も、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ということだ。

 というのも、この世界、デスゲームもののVRMMO漫画が原作なのだ。

 プレイヤーは500人の兵士。この惑星を開拓するために、初めて本国から大規模な訓練兵が送り込まれるが、星間航行中に本国でクーデターが発生。帰ることが出来なくなったため予定通り開拓惑星で兵士として任務を受けて生きていくというのがゲームのオープニングだ。

 そこで70越えのジジイゲームマスターが現れ、「本国に帰れなくなったようにログアウト機能も切ったよ。頑張って生きてね。あと死んだら現実でも死ぬよ」と言ってデスゲームを開始するのだ。

 

 状況から見るに、今は丁度デスゲーム宣言が終わって、NPC教官の授業を受けている場面。生活していくためには兵士として働かなければならないため、上官に逆らう事は出来ないのだ。

 

「本来はFIT(フィット)の基礎だけではなく、更に訓練をしてから任務を回す予定だったが、お前らも知っているように本国で発生したクーデターによって我らへの支援が打ちきられた。食料、電力の自給自足は出来ているが、いつ破綻するとも限らない。出来るだけ早く未開拓領域(フィールド)でマテリアルの採取を行えるエリアを開拓して資材の確保を行わなければならないのだ」

 

 本国から開拓途中のこの地では入手できない金属等を支援してもらうことで、基地を、装備を用意していたのが開拓拠点(フロンティアベース)である。

 それがなくなったため、俺たちは機械が壊れたりする前にそれらを生産、修理できる素材を入手できるようにしなければならないということだ。

 ガチガチに訓練した後の活動ではないのは、プレイヤーとキャラクターの熟練度のすり合わせのためだとかなんとか。

 本国にはNA-ENGがないため、SC-POW使用を前提としたこちらでの活動訓練はできないらしい。だから、新兵をいきなり活動させる必要があるんだな。

 

「準備が出来たようだ。早速、SC-POWの訓練を行う。それぞれ割り当てられた更衣室で装備を受け取り次第訓練室に集合しろ」




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