デスゲーム漫画に転生したっぽい 作:石鹸枠どこ?
お陰で新着以外のところに載る事ができました
「以上で説明を終了する。このあとは仮組みのチームで纏まって訓練を行え」
SC-POWについての説明が終わった。教官がうまくSC-POWを扱えるようになるとスーツが発光すると言ったときは、こっちに視線が集まって煩わしかった。
俺以外にも何人か光ってる奴がいるが、人数が人数である。等分されていたとしても五十人以上には見られていたんじゃないだろうか。
生徒手帳が震える。他のやつらも同時に通知があったようで、端末を覗いている奴が結構いたので俺も開いてみると、そこには仮チーム番号と、俺を含めて四人の名前が書かれていた。
それと同時に、訓練施設内に複数の番号が投影される。自分の番号を探して集まれということか。番号は規則正しく並んでいるので、探すのに手間はかからないだろう。
「アリス、シグマ、グライド、レオ、ユート……名前を呼ばれた奴はこっちに来い!」
全部で十人の名前が呼ばれた。俺も入っているので教官のところに移動すると、集まってきたのは全員がスーツを光らせている奴だった。中には見覚えのある顔もある。
その二人、シグマとユートは原作キャラの中でもかなり強かった奴だ。
他はの顔は知らないが、コイツらにこんなところで接点があるとは思わなかった。なんでこのシーンが原作にはなかったのか不思議なくらいだ。
「お前らは他のやつらとは違う方式で訓練してもらう」
「才能がある俺らだけの特別訓練っすか!?」
マサムネ教官がそう言うと、お調子者っぽい奴がそう言った。上官の話を遮るとか度胸あるなお前。
「特別……。確かにそうだな。レオ、こっちに来て背中を向けろ」
「了解っす!」
お調子者——レオが呼ばれ、マサムネ教官がその背中に手を当てると、レオが膝から崩れ落ちる。見れば、レオのバトルスーツのラインから光が失われていた。
「SC-POWの流れを阻害した。最初からスーツが機能する才能は結構だが、オンオフが出来なければ宝の持ち腐れだ。お前たちにはSC-POWの流れが阻害された——つまり扱いにくい状況で他のやつらと同じことをやってもらう。再びスーツを光らせれば、
その後、SC-POWの流れが阻害されると脱力してレオのように倒れてしまうので、二人ずつ並んで座るように言われる。
俺たちがそれに従うと、五人の教官がそれぞれ二人の背中に手を当てて処置を行った。
それは一瞬で、触られたと思った次の瞬間には体が重くなり、バトルスーツのラインが元の白色に戻った。
「SC-POW出力を調整するのは必須事項だ。
講義室でルベルが言っていたように、
有限のNA-ENGを使ってSC-POWを生み出す以上、スーツのコントロールができなかった——SC-POWを常に消費していた俺たちは他の奴等とほぼ変わらない位置にいたのかもしれない。
マサムネ教官が俺達にチームの元へ行くように指示すると、俺たちは重くなった体を引きずって移動を始めた。
13番。ちょっとばかり不吉なチームナンバーの下にやって来たが、そこにはまだ白髪の少女一人しかいなかった。
少女は制服はそのままに、チョーカーとヘアバンドを付けている。その二つには白い線が引かれていて、訓練兵のバトルスーツと似たものであることがわかる。
13番チームのナビゲーターだろう。
「アカリ・ヒナタか?」
「そういうあなたはグライド・エフィル」
生徒手帳に書かれたチームメンバー名からナビゲーターの名前を読み上げると、顔を上げたアカリは俺の名前を当然のように言い当てた。
こちらを向いてから言い終わるまでの流れが洗練されていて、映画の世界に迷い込んだ気分になった。
生徒手帳に書かれたチームメンバーのうち、訓練兵は三人まとめて訓練兵なので、当てずっぽうでは三割でしか当たらない。
だとすれば、俺が教官呼び出されているのを聞いて、そして呼び出された十人の顔を覚えていたということだろう。
そうすれば、13番チームにやって来る知っている顔は「グライド」になる。
ナビゲーターとして必要な技能かはわからないが、情報処理は得意そうだ。
「好みの異性を教えてください!」
「は?」
「人を知るなら好みの異性を知れ。常識ですよね? 私のタイプは性善説を信じていて、目の前に困っている人が居たらそれが敵対している勢力の人間だとしても手をさしのべる中性的な銀髪のイケメンです。グライドさんは?」
第一印象はキュートな顔立ちとは違ってクールで育ちが良さそうな印象。その直後にはっちゃけたことを言われたので、頭が混乱した。
最初の言い回しは格好つけたかっただけで、本性はこっちなんだろうか?
「好みか……」
驚いたものの、俺はアカリの質問に答えることにした。先に言われているというもあるし、アカリがチームとして親睦を深めようとしているのならそれを無下にするのもしのびない。
しかし、俺は外見と性格がある程度良くて、俺のことを好きな女子ならだいたい好きになれる雑食だ。その基準に好みのフィルターが多少かかるとはいえ、これを正直に話したとしてもシラけるだけだろう。
なので、アカリも言った存在するか怪しい理想的な異性を思い浮かべる事にした。
「背が高くて綺麗な長い髪。肉感的というよりはスラッとした体型で、クールで冷たい印象があるものの意外と優しく、人形や小動物が好きだったり幽霊が怖かったりとギャップが可愛い美女だな」
俺の答えを聞いたアカリは目を見開いて口は半開き。完全にドン引きしてる。まあ、当然だろう。言ってて有り得ないと自分でも思ったし。
「そんな人いるわけ無いだろって思う気持ちはわからなくないが、でもそれはアカリの銀髪イケメンだって同じだろ?」
「なっ!? 居ます! 『性善説を信じていて、目の前に困っている人が居たらそれが敵対している勢力の人間だとしても手をさしのべる中性的な銀髪のイケメン』は実在します! ……じゃなくて! 後ろ!」
「後ろ?」
「……ごめんなさい」
振り向くと、そこには背が高い黒髪ロングのスレンダー美少女がいた。少しばかり耳が赤いが、それでもクールな印象だ。内面はわからないが、まさか実在するとは。
そして、目が合うなり速攻で謝られた。
……謝罪というよりはお断り?
まあいいけどね。理想は理想。存在しないと思っていたからツラツラと言えたわけで、いきなり目の前に出てくるとこっちも困るし。なにより、目の前の黒髪ロングの美少女は
あまり仲良くしないという方針は変わらない。とはいえ、いきなり黙ると雰囲気が悪くなってしまうだろうから適当に話は続ける。
流石にここからリアルの話に繋がる事はないだろう。
「……聞いてた?」
「『好みか……』って考え込んだところから」
問いかけると、気まずそうに視線を逸らされながら答えが返ってきた。
全部じゃん! アカリもチームメイトが来たことに気づいたなら一旦中断させてくれれば良かったのに。
「アカリ・ヒナタです。お名前と好みの異性を教えてください」
俺が送った視線を無視して、アカリが黒髪ロング美少女に突撃した。まさか……続けるのか! この状況で!?
「エルザ・アインホルン。好みの異性は……わたしよりも強くて背が高い人」
え、どうなってんの現実世界。普通に自分より強い人が好きと言える女子がいる世界観ってヤバくない?
少なくともモンスターとかが存在する世界じゃ無いはずだけど。エルザが特殊なだけなのか?
……やっぱりプレイヤーとは話が合わなさそうだ。
実際異性のタイプを話させると、初登場でもどんなキャラか分かりやすくなると思う
……なったかな?
恋愛中心にはならないので、なってなかったら無駄になっちゃいますね