デスゲーム漫画に転生したっぽい   作:石鹸枠どこ?

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こんなチームで大丈夫か?

「残念でしたね、グライドさん。でも完全に脈が無い訳じゃないですし、仮チームでの活動中にイイ所見せればワンチャンありますよ!」

 

 エルザに振られた形になる俺をアカリが慰めてきた。

 突飛な発言もあるが、アカリは気配りが出来る優しい性格なんだと思う。

 アカリの言う通り、一応俺はエルザが異性に求める自分より背が高い人という条件は満たしている。エルザも女性としては背が高いが、俺はそれより十センチ弱、背が高いのだ。

 

「いや、まあいきなり理想の異性が出てきて付き合えるって方が困惑するから別に慰めないでいいぞ。そもそも、今は恋愛なんてしてる場合じゃないからな」

「確かにその通り」

「そうですかね? 中性的な銀髪イケメンが出てきたら私は嬉しいですけど」

 

 俺の言葉にエルザは同意した。

 デスゲーム開始直後だしな。何ヵ月か経ったらデスゲーム中でも恋愛はアリかもしれないが。

 ちなみに、俺としてはデスゲームに参加させられたというよりもこの惑星に訓練兵として転生したという考えのほうが強いので、本国からの援助がなくなったことで資材が枯渇する可能性を考えての発言だ。

 システムウィンドウみたいなゲーム的な要素が薄い原作が悪い。ゲームの中にいるという実感がないのだ。

 

 今三期生が急いで訓練を受けている理由も、FIT(フィット)という最低限の技術を会得したら未開拓領域(フィールド)の探索に駆り出される理由も本国からの援助がなくなったためである。

 何も補給できなければ機械は朽ち、服はボロくなってしまうので、金属、その他色々な素材を回収できるエリアを未開拓領域(フィールド)から見つけて、そこを安全地帯にする必要があるのだ。

 

「やあ、遅くなってごめんね。僕はアーサー・アルビオン。よろしくね」

 

 最後にやって来た自分をアーサーだと名乗るやつが現れると、雰囲気が完全に凍った。

 アーサーは中性的な銀髪イケメンだったのである。

 こんなことがあり得るのかと俺もとても驚いている。

 

「あれ、ここ13班だよね? 僕間違えちゃったかな?」

「いや、あってるぞ。早速で悪いが、好みの異性を教えてもらえるか?」

 

 アカリがフリーズしているので、俺が問いかけた。

 

「……答えないとダメかな?」

「アカリが相手を知るなら好みの異性を知るのが一番だと言ってな。ちなみに俺は、背が高くて髪も長い美人がタイプだと答えた」

 

 困ったような表情のアーサーに先制攻撃を仕掛けると、アーサーは俺とエルザの間で視線を行き来させた。

 該当者がすぐそこにいるからその反応も仕方ない。

 

「わたしは、わたしより背が高くて強い人が良い」

「もしかして、二人は付き合ってるの?」

「いや、俺がアカリに好みを話している所をあとからやって来たエルザにちょうど聞かれてな。その時に振られたばかりだ」

 

 エルザも先制攻撃を仕掛けると、アーサーは俺の方がエルザより背が高いことに気づいたようでそんなことを聞いてきたが、さっさと否定した。

 

「アカリ・ヒナタです。好みの異性は中性的な銀髪イケメン! よろしくお願いします!」

「ごめんね。僕の好みは背が高くて筋肉ムキムキの男の人なんだ」

「そ、そんなー」

 

 そうこうしているうちにフリーズから回復したアカリが前言通り直ぐ様モーションをかけたが、あっけなくかわされる。振られた二人と振った二人って、結成直後からこのチーム大丈夫か?

 

「全員揃って自己紹介も終わったし、そろそろ訓練を始めるか」

 

 近くのチームも自己紹介を終えたのかSC-POWの訓練を始めている所がいくつかある。あまり遅れるわけにはいかない。遅れて落ちこぼれだと判定を受ければ、限りある資材の優先順位が下がって食いっぱぐれる可能性があるのだから。

 チームに不安はあるが、振られた側、好意を向けている側の俺は気にしてないし、アカリはナビゲーターだ。仮に本チームがこのままだとしても、未開拓領域(フィールド)での活動に問題が起こる可能性は低いだろう。

 


 

「アカリの装備はどういう装備なんだ?」

 

 自己紹介を終えて三十分程経ち、俺以外の三人がSC-POWのコツを掴みはじめて、バトルスーツやチョーカー等の白いラインを発光させることが出来るようになった所で沈黙を破り、聞いてみた。

 アカリの装備はチョーカーとヘアバンド、光ってから気づいたが薄手の手袋の三つだ。

 俺たちのスーツは線が全身を一周することでSC-POWを効率的に循環させ、消耗を少なくするというものであるというのはウィズから聞いているが、それぞれが独立しているアカリの——ナビゲーターの装備はどういうものなのだろうか。

 

「まだできてないのに話してて良いんですか?」

「まあ、教官も話しながら、体を動かしながら出来るようになれって言ってたし問題ないんじゃないか?」

 

 俺も無駄に三十分過ごしていた訳じゃない。教官にSC-POWの流れを阻害される前との落差からSC-POWの存在は感じとっている。あとは教官にやられたのをどうにか解除するだけなのだ。

 

「そうですか。私の装備はSC-POWによる思考能力や身体能力の強化幅を増やして少量で求める効果を得るというものです。皆さんが着ているスーツはどういう効果なんですか?」

「俺たちのはSC-POWを循環させる事でSC-POWの消耗を少なくする効果があるらしい」

「グライド君はどこでそれを知ったの?」

 

 SC-POWに集中していたアーサーが話に参加してきた。あ、スーツの光が消えた。

 アカリは話しながらも維持していたが、全身に効果があるスーツはその分難しいのかもしれない。

 

「スーツに着替えた後、勝手に光り出したからスーツの不具合かどうかウィズに聞いたんだよ」

「ウィズ?」

 

 今度はエルザだった。言葉が短かったからか、一瞬ラインの光が暗くなる程度にとどまっている。

 

「更衣室前でAIに説明を受けなかったか?」

 

 俺が聞き返すと、三人は「ああ」と言った感じで頷いた。どうやらウィズの知名度は低いらしい。

 アカリはAIの扱いが悪いという本国出身のNPCだからわからなくないとしても、アーサーとエルザは何故だ? AIに対するスタンスはアカリとそこまで変わらないように見える。

 やはり不明な現実世界側の問題だろうか?

 俺的にはAIでも自立思考ができて意思疎通が出来る存在なら人と変わらないと思うんだが。

 

 と、そうだ。ウィズだ! 教官が俺たちに施した処置について知ればそれを乗り越える近道になるかもしれない。

 既にSC-POW操作の取っ掛かりは掴んでいるのだ。あとは流れが阻害されているためにうまく扱えないのをどうにかするだけだ。

 

「ウィズ。他人のSC-POWの流れを阻害する技術について教えてくれ」

『かしこまりました。資料の読み上げを開始します』

 

 ウィズが読み上げたものによると、どうやら他人のSC-POWの流れを阻害するのに使われるのは雷属性のSC-POWのようだ。

 ということは、今日来ている教官五人は全員FIT(フィット)でいうThunder、雷属性ということか。

 FIT(フィット)の割合が等しいとして、教官は五人の三倍で十五人。勿論もっといる可能性はあるが、そんなにいるなら訓練兵を急いで育てる必要もないし、その程度しかいないのではないだろうか。

 

 話が逸れたが、俺の体に残留した教官の雷属性SC-POWが悪さをしていて、それを取り除くにはSC-POWで押し流す必要がある。

 しかし、FIT(フィット)を行わない無属性のSC-POWでは属性変化したSC-POWに干渉することは難しいため、俺が自力で解除するならFIT(フィット)による属性変化を行うのが一番早いらしい。

 

 ……確かに、教官は「阻害された流れを正常化出来ればFIT(フィット)も扱えるようになる」と言っていたが、「FIT(フィット)を扱えるようにならないと正常化出来ない」の間違いじゃないか!

 

「ウィズ、FIT(フィット)についても教えてくれ」

『かしこまりました』

 

 流れが阻害されているだけで、SC-POWへの理解レベルとしては俺もエルザやアーサーとそこまで変わらないはずだ。そう信じて、FIT(フィット)に取り組むことにした。

 チームで一人だけ落ちこぼれとか流石に嫌だぞ。

 というか、全体解説ではFIT(フィット)の前段階、スーツのラインに光を灯すための方法しか解説してなかった気がする。

 もしかして、俺たちスーツピカピカ組ってしばらく放置されるはずだった?

 




主人公振られたことめっちゃ気にしているように見える

アカリ・ヒナタ
白髪少女 13番チームで一番背が低い 丁寧に喋るが普通に毒も混ざる 

エルザ・アインホルン
長身長髪美少女 二番目に背が高い 無口ではないが自発的にはあまり話さない

アーサー・アルビオン 
男 中性的銀髪イケメン アカリよりは背が高い 髪めっちゃサラサラ 長身マッチョが好き
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