魔術も呪術も一緒でしょ! 仲良くしてえええ(吐血)   作:かりん2022

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別の話ですが、オカルト研究部でSAN値を削ったので回復剤を投与します。


IF小話離反もの(一話完結)

 

「傑達が離反した!?」

「俺にも何だなんだかわからんのだ……」

 

 一体、傑に何があったというのか。

 すぐに予告状が届いた。

 

『次の満月の日、隠蔽に優れた目の前の人間の恐怖する姿を取る呪霊を1000体放つ』

 

 傑……! 一体どうして。

 全く状況もわからず、ただ、恐怖する姿を象る化け物が東京中に現れたのは本当で。

 俺達はその処理に追われた。

 化け物は、呪霊じゃなかった。呪力によるものじゃない。本当に、何があったんだ。傑。

 それとは別に、化け物を倒す呪術師以外の者達も現れたようだった。

 

 記憶を消す術などを使ってくるが、監視カメラと逃げ延びた呪術師の証言で判明した。

 

 黒尽くめで顔を隠した彼らは、リディクラス! と唱えて、化け物をコミカルな姿に変える。そして、笑い飛ばすと化け物は消えてしまうのだという。彼らの言葉で、ボガートという名前もわかった。

 

 幸い、普通の攻撃も効くので、俺達は順調に化け物を退治していた。

 そして、俺は顔を隠した傑とかちあった。声は違ったけど、すぐわかった。

 傑は俺には気づいてないみたいだ。

 民間人を庇い、傑がボガードの前に身を躍らせる。

 傑の前に、俺が……俺が現れた。傑が恐れるのは俺?

 

「傑……俺は一人で最強になった。もう、お前なんか親友じゃないよ」

「なっ……! 私は!」

 

 それを見て、俺は胸を打たれた。悟が恐れるものって、俺に置いていかれること?

 

「そもそも、お前、魔法使いじゃん。マグルの俺と一緒にいられると思うの? おっえー! 呪力以外の力を使う生き物なんてキモチワル」

 

 魔法使い? だから俺から離れた?

 

「さ、悟……」

「だいたいさあ、傑、自分が強いなんて言うの、強がりだよね?」

「だ、黙れ! 黙れ黙れ黙れ! 悟がそのつもりなら、私だって……」

 

 俺はそのつもりじゃねーよ! つーか、目の前で変身していたの見てたろ!?

 ていうか、なんだよ! なんだよ!! 俺とは似ても似つかねーし! ……すっげ、美化されててキラキラ輝いてんだよ。お前には俺の事、そういうふうに見えてんのかよ。

 

「本当は、非術師もマグルも恐れているくせに。怖いんだろ。少数派であることが。迫害される対象であることが。そうだよな、バレたら問答無用で魔女狩りだもんなぁ! 魔法使いがこんな問題起こしたんじゃ、呪術師との対立は不可避だ。そもそも、融和とか共存とか、端から無理なんだよ!!」

「そんな事、わかってる!! 消えろ! リディクラス!! リディクラス!!」

 

 全く出来てないのは俺でもわかる。そっか、傑はそんな事をそこまで恐れてたのか。

 

「魔法使いで呪術師だ? エリートだ? ダブルだ? 生贄を綺麗に言い換えただけだろ? そんなに魔具にされて永久に魔法界に奉仕させられるのが誇らしいかよ」

 

 助けを求めてくれよ、傑。俺は最強だから、二人で最強だから、きっと助けてやれたのに。いいや、今からだって間に合うんだ。

 

「黙れ!! リディクラス!!」

「お前は最強なんかじゃない。傑。最強なのは俺だけ。お前は、単なるゴミクズ……」「俺の親友にやめてくれる? 傑は、俺の最強で唯一の親友だよ。魔法使いだ何だって、関係ねーよ」

 

 俺は進み出て、傑の方に手をやる。前には出ない。傑自身に、決着を付けさせてやりたいと思うから。

 

「悟……? ボガートがもう一体いたのか」

「あのな。はあ、もういいわ。傑。あんな偽物より、俺の言葉を聞けよ。何も恐れる必要なんかない。俺がお前を嫌いになることなんてね―よ。喧嘩はしても、たった1人の親友だろ。この手のぬくもりだけを信じろよ。ボガートだってきっと倒せる。お前は、俺の、最強の親友だから」

「悟……!! リディクラス!!」

 

 そして、俺の姿をしたボガートは笑った。

 

「傑、お前は俺の唯一の親友だよ。嫌いになるなんてありえない」

 

 先程まで涙をにじませていた傑は、笑みを浮かべる。

 

「はは……ありがとう、悟」

 

 ぼふっとボガートが消えた。

 

「こっちの悟も、ありがとう」

 

 傑は笑う。

 

「あれ? 消えない。リディクラ」

 

 俺は杖を奪い取った。

 

「事情を教えてもらおうか、傑」

「え? え? まさか、本物?」

「そうだよ。偽物との区別くらいつけてくれよ、傑」

 

 傑の顔が真っ赤になる。

 

「み、見られ……!!」

「とにかく、事態収集に駆けずり回ってるってことは、お前のせいじゃね―んだろ。洗いざらい話せよ」

 

 正直、今捉えても傑を庇いきれるか五分五分だけど、このままでも生贄にされるというのなら、賭けてみるほうが良い。

 

 俺だって、傑とずっと親友でいたいよ。

 

 

 その後、無事魔法使いと呪術師との協定が結ばれることとなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃の直哉

 

 

「直哉! 落ちつけ、怖いと思えばなおさら怖くなる!! うわああああ!!」

「冷静に考えれば考えるほど怖いわ!! リディクラス! リディクラス!!」

「しっかりしろよ、直哉! 中学二年生の課題だぞ!! え!? げええええ!! パワーアップさせるなああああ!!」

「ごめん、自分その課題落としてうわああああああああああ!」

 

 魔法使い達は名状しがたき化け物に大パニックに陥っていた。

 

 怖い化け物が一度出れば、恐怖が伝染して大変なことになる。

 今まさに、大変なことになっていた。

 全てアニオタで無駄に知識があった直哉のせいである。

 

「的が大きくてやりやすいな」

 

 そこに駆け込んできた甚爾が思い切りぶん殴る。

 

「とーじくん!!」

「なーにベソかいてんだよ、御三家のお坊ちゃんども。っていうか中2の課題かよ」

「とーじくん! とーじくん!!」

「直哉、今のうちに!」

「うん、兼道!」

「「リディクラス! バカバカしい!!」」

 

 コロンと小さくデフォルメされて、二人が笑うとボガートが消えた。

 

「っと、別にこのままでも倒せたんだがな」

「おおきに、とーじくん! 次行くで、兼道!」

「おう!!」

「待てよ、俺も連れて行け。一匹退治するごとに報奨金が出るんだ」

 

 ということで、ボガートの駆除はスムーズに進んだ。

 

「とーじくんはやっぱり最強やなぁ。さすが自分のお兄ちゃんや」

「は? その設定まだ信じてたのか。で、お前ら連行させてもらうぞ。夏油も捕まった」

「意外やな」

「悟に変わったボガートにベソ欠かされたらしい」

「ああ、悟くんと喧嘩しとったから……」

「中学生の時、闇の魔法に対する防衛術の期末試験トップだったのに」

「言うても偽物やろ?」

「輪だってボガートに落第だって言われて泣いてたじゃん」

「ふーん……。お前ら、助けてやったんだから、学生生活喋れよ」

「聞いてくれるんか!? あ、でも話したら駄目やって……」

「お前らは尋問されて仕方無く吐かされるんだよ。つーか夏油が吐いてるから同じことだ」

「そうやな。そうやな! 初めて箒を乗ったときな……」

「失敗談を中心で頼む」

「露骨に弱みを握りに来たな……」

 




魔法使いって結構単純ですよね。
ボガートだってわかってるのに、ハーマイオニーが成績について言われて
大ショック受けたりとか。
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