魔術も呪術も一緒でしょ! 仲良くしてえええ(吐血) 作:かりん2022
廃墟で、呪霊と戦っていた時。
扉が現れて、そこから箒に乗った大きなトランクを抱えた白いワンピースのガタイのいい人が現れた。
その人を追って、黒いローブの変なのが複数現れて、追いかけてくる。
幸せな気持ちが蝕まれていく感覚。
「釘崎! 伏黒! 近づくな、ちょっと変だ! 俺はあの人を助けに行く!」
「虎杖!」
「無茶すんな!」
その時、襲われていた人が杖を振った。
「エクスペトパトローナム!」
白く輝く狐が現れると、黒いローブの化け物を追い払う。
呪霊が近づいて襲ってくるのに気づいてない! 見えてないのか?
釘崎が釘で攻撃して、呪霊が消える。問題ないな、よし。
俺が黒いローブのふよふよに駆け寄って殴りかかると、「ばかっ」と声がして、俺は気を失った。
口の中で何かが暴れる。
噛み砕いて食べた。チョコだ。「げっ」と声がする。
「もっと、チョコ食べて。危なかったんだよ。危うく幸せな記憶を全て吸われて廃人になる所だった」
目を開けると、綺麗な男の人がいた。白いワンピースだ。女装かな?
「あの敵は……」
「なんとか扉の外に押し返したよ。巻き込んでごめんね」
「チョコってそれがですか」
伏黒が指差すのは、ゲコゲコと鳴く茶色のカエルだ。
えっ まさかさっきのあれって!
吐き出そうとする前に、その茶色のカエルを口に捩じ込まれる。甘い。美味しいけど!
それでも口に入れた以上は、噛み砕いて食べてしまう。
「ホットチョコがあるといいのだけれど。ディメンターに襲われたら、ホットチョコを飲んで温まって、遊びに行くのが一番だよ」
そう言いながらも、パキンと蛙チョコを割って自分の口に含む男の人。顔色が真っ青で、俺もなのかな。
「遊びに行く?」
「幸せな記憶が吸われてしまうから、廃人化を防ぐ為に幸せな記憶の補充の必要があるんだよ」
「それより、チョコってなんでもいいわけ? だったら得体の知れないチョコじゃなくて、ちゃんとしたチョコ買ってくるわよ」
「頼む、釘崎」
動くチョコはご遠慮願います。
「えっと、君達は、魔法使い……ではないよね」
「違うけど」
「私は、記憶を消す魔法が下手で、下手したら君達の全ての記憶を吹き飛ばしてしまうかも知れないんだ。だから、私の事を黙っているって約束をしてほしい」
「その前に、あなた夏油傑じゃないんですか」
「私は夏油 傑だよ。でもなんで知ってるんだい? もしかして、悟の知り合い?」
「術式は呪霊操術って話でしたけど」
「何それ? 術式? 私の得意魔法はエクスペリアームズだけど?」
本気で戸惑った様子を見せる。
「貴方の知ってる悟と俺の知ってる悟が同一人物か知りたいんで、五条 悟について聞かせてくれますか?」
「魔法貴族の御三家が1人、五条家の御曹司で、最強の魔法使いだけど? あっ 写真あるよ」
そして、写真を見せてくれたので俺と伏黒は顔を寄せた。
ピンクの可愛いワンピースを着た3人の子供がいた。
間違いない。五条先生と目の前の人の子供の頃だ。
ぴ、ピンクのワンピース……!
「何これ、先生めっちゃ可愛い」
「パラレルワールドってやつかな……。とりあえず、先生に連絡する」
「あの、君ら魔法使いではないんだろう? なのになんで悟を?」
「ここは異世界だ。多分、こっちの世界に魔法使いはいねーよ。その代わりに呪術師がいて、俺らはその呪術師」
「そう、なのかい? マグルは頭が良くてすぐ騙してくるって聞いたよ」
「マグルって何?」
「非魔法使いってこと」
「俺は五条先生の知り合いを騙さねーよ。先生がなんとかしてくれるって」
「君ら、悟の教え子なの?」
「そう!」
「……私も悟に連絡してもいいかな」
「出来るんですか?」
「魔法の手鏡を持ってる」
「一応、先生が来てからにしてください」
伏黒が携帯を取り出す。伏黒が並行世界の夏油さんって言った瞬間、先生が「飛んで」きた。
「それ、マグル学で習った! 携帯っていうんだろ」
「今はスマホっていうんですよ」
「傑、何女装してんの?」
「??? 別に女装なんてしてないけど? 悟こそ、何? その服。マグルみたいだよ」
「並行世界だとこの服装が男女ともにスタンダードみたいです。マグルが非術師の別名で、これ写真」
写真を覗き込んで、先生は笑った。
「ウケる。みんなピンクのワンピースじゃん。すげー可愛い♡」
「へ、変かな? マグル出身の魔法使い達は皆ピンクのローブ嫌がるんだよね」
「「「変」」」
「チョコ買い占めてきたわよ!」
「チョコ?」
「虎杖が変なのに襲われて。そいつはもう追い払ったんですけど、夏油さんと虎杖が顔色悪くて。治療法が、チョコを食べることと、温まることと、幸せな思い出を作る事だそうです。なんか、幸せな記憶を吸うディメンターって化け物だそうで」
「わかった。呪専に戻って休もうか。傑もおいで。帰る方法は調べてあげるから、色々聞かせてよ」
それから、俺は釘崎が買ってきてくれたチョコを食べて、暖かくして寝た後、皆でゲーム大会をした。
楽しかった。
「これがマグルの学校……。動く絵とかはないんだね。セキュリティ大丈夫?」
「しっかりしてるから大丈夫だよ」
チョコと毛布を与えると、傑は大人しく毛布に包まってチョコを食べる。
「荷物はひとまず預かるよ。杖もね」
「杖は駄目だ! 私は悟と違って杖なしの呪文が苦手なんだよ」
「だから預かるんでしょ」
杖を預かると、お風呂に入れて着替えを渡して着替えさせる。
荷物は服も含めて全て没収である。
ただし、鏡は残した。通信用と聞いていたからね。
傑は鏡を受け取って呼びかける。
本当に僕が現れたよ。しかも金のローブとか趣味悪www
『傑!! 良かった、無事か』
「悟! こっちはこちらの世界の君に保護されたから大丈夫だよ。そっちは大丈夫かい?」
『かなり荒れてる。そっちが大丈夫そうなら、落ち着いてから迎えを寄越す』
「わ、私だって戦えるよ!」
『あの時、庇って代わりに罪人になった。それで十分だ。それにお前、怖いって言ってたろ。半端な気持ちじゃ帰って足手まといだ』
「戦うのは怖くない!!」
『でもマグルは怖いんだろ』
「そ、れは……」
『お前のエクスペトパトローナムってイマイチ弱いし』
「ううっ」
『自信がないからそうなんだよ。魔法力は俺より強いんだから……時間がない。しばらく通信できない』
そして、鏡は沈黙する。
「傑、非術師怖いの?」
「悟は、魔法界を公開するために動いてるんだ。もう、隠すのは不可能だって。だから、少しでもいいタイミングで公開するんだって。私は……今の毎日が続けばいいのにって。でも悟はそれは無理だって。それで魔法会でも意見が割れて、どんどん政情不安定になって……」
「ふぅん。怖いのは、理解できないからじゃない? 良かったら、マグルについて教えようか?」
「いいのかい?」
「どうせ監視は外せないしね。僕の世界では、君は犯罪を起こしてる。君と違って冤罪じゃない」
「わかった……。でも。杖は返してもらえないかな?」
「だから、駄目だって」
「でも……その……私、杖がないと、その……さ、悟には言ってないけど、私、その……わかるだろ?」
「わからないね。僕マグルだし。はっきり言えよ。僕も忙しいんだ」
「も、漏らしちゃうんだよ」
顔を真っ赤にして傑が言う。
「はあ?」
「魔法力、漏らしちゃうんだ。物が浮いたり、消えたり、瞬間移動したり。杖で定期的に魔法使わないと」
「術式コントロールしきれてないって事? 10歳くらいで普通暴走は防げるようにならない?」
傑はプルプル震えながら涙を滲ませる。
「そ、そうだよ! 普通小さい子だけだよ、そんな事する魔法族は! でも仕方ないだろ、魔法力多いと大変なんだよ! 悟だって魔法力多いんだからわかるだろ!?」
「そっちの僕もお漏らしすんの?」
「しない……するわけないだろ、あんなに魔法力強いのにあんなに精密に魔法使うんだぞ」
「ウケるwww じゃあ、傑頑張んなきゃじゃん。僕教師だしさ、色々力になれると思うよ?」
「魔法使いじゃないんだろ?」
「でも呪術師だし」
「うー。うー。お願い、します……」
翌日、めちゃめちゃ魔法の特訓した。