魔術も呪術も一緒でしょ! 仲良くしてえええ(吐血) 作:かりん2022
「武術なんてマグルのする事だろう? ずっと昔は魔法使いも剣とか使ってたらしいけど」
「じゃあ、恵。よろしくね」
「はい。夏油さん、よろしくお願いします」
「殴る蹴るなんて、蛮族じゃないか。野蛮だよっ」
杖が没収され、腰が引けている夏油に恵は遠慮なく殴りかかる。
とはいえ、本当に当てはしない。
「避けるのは何とかできますね。でも、基本が全然なってません」
「そ、そんな事言われてもっ」
「そちらからも攻撃してみてください」
「そんな、出来ないよ! 殴ったら痛いじゃないか!」
「はあ……」
恵はついに拳を下ろしてしまう。
「まずは出来る事からしましょうか」
「うーん、心配だな。恵、傑のこと見てあげてくれない?」
「ええ。で、何が出来るんですか?」
「アパレシウムが呪霊を見えるようにする呪文で、エクスペリアームズが攻撃呪文だっけ?」
「あれは武装解除呪文。武器を飛ばすだけの呪文だよ」
「どこが? 呪霊吹き飛んでたけど」
「そういうこともある。一応、丸腰だとどうにもならないはずなんだけど」
「じゃあ逆に攻撃する呪文は?」
「一番は、死を与える呪文のアバダ・ケダブラかなぁ。でも! それは絶対に使ってはいけない、許されざる呪文だよ」
「じゃあ、それ呪霊に使ってみようか」
「話聞いてる? それに、さっきはつい攻撃しちゃったけど、でも呪霊さんの言い分を聞かずに攻撃してしまうなんて」
「じゃあ言い分聞いてみる? 杖を返すから、この辺にアパレシウムしてみて」
「アパレシウム! うわっ」
小さな呪霊が現れ、傑は下がった。
「■■■■」
「レジリメンス! ……ゲェ」
「今の何したの?」
「心を読んだんだけど……グチャグチャしてる」
「そう。じゃ、わかったね。許されざる呪文行ってみよう」
「許されないから許されざる呪文なんだけど……」
「傑。こっちでは、戦わないと殺されてしまうよ。心苦しいけれど、頑張って。というか君の元いた世界も、傷つけるのが嫌だなんて言えそうにないくらい、大変そうなんだけど。こっちで戦いについて学んで、向こうの僕の助けになってよ」
「悟……」
そして、傑はコクリと頷いた。
「アバダ•ケダブラ!」
そして、緑の光に貫かれた呪霊は消滅する。
「うん、上出来。頑張ったね。でも、一つ聞きたいんだけど、心を読むのは許されざるじゃないの?」
「なんで?」
キョトンとした顔で聞かれた。うーんカルチャーショック。
「うーん。逆に許されざる呪文って何があるの?」
「クルーシオ……拷問呪文と、インペリオ……服従呪文だよ」
「使える?」
「使える。怖いから、あまり使いたくはないけれど」
「そうだね。恵達には許されざる呪文を使わないって縛ってもらおうか」
「縛る?」
「決して破れない約束をするってこと」
「いいよ」
その後、緊急の任務が入った為、傑を一年生に任せて出る事になった。
スマホを持たせたけど、不安だなあ。
五条先生が仕事に出て割とすぐに、依頼が入った。
不思議そうに車を見ていた為、車について説明する。
隣にいるのに楽しそうにスマホで会話する夏油さんを見てると、なんだか温かい気持ちになる。
本当に何もしらねぇんだな、魔法使いって。
「悟が言ってたんだけど、監視カメラがあって、その概念を魔法使いが理解できてない時点で魔法なんて隠せるはずがねぇんだよって。何を言っているかはわからなかったけど」
「「「あー確かに」」」
「逆にそっちの世界の五条先生ってすげー博識?」
「そっちの世界が発展してないわけじゃなさそうだものね。逆に魔法使いがなんで適応出来てないのか不思議」
「機械とかって使わないんですか?」
「ん、魔法界では機械は適切な魔法を使わないと動かないんだよ。魔素が邪魔しているせいで、魔法界の技術はなかなか発展出来ないとかなんとか。この辺は悟が詳しい」
「なるほど。夏油さんは何に詳しいんですか?」
「ドラゴンの生体に詳しいよ! 後、魔法薬学や料理、物作りなんかも得意だよ。蛙チョコとか、鼻血ぬるぬるヌガーとか、イギリスの有名なお菓子をことごとく再現したから、これでも尊敬されてるんだ」
「逆になんでチョコをカエルにしようと思ったのよ」
「鼻血ぬるぬるヌガーなんて何に必要なんですか」
「授業をサボるのに必要じゃないか!」
「「「サボらねぇよ」」」
「ま、マグルは、いや、呪術師は悪戯に血道をあげたりはしないのかい? 例えば、喧嘩相手の前歯を伸ばしたり、いたちにしたり、ナメクジがゲップをするごとに出るようにしたり……」
「「「しねぇよ」」」
「物騒なのか呑気なのかわからないな」
「人にそんな呪い掛けちゃダメよ。私たちに掛けたら釘ぶっ刺すからね」
うーん、カルチャーギャップ。
俺らが色々教えてやんなきゃ駄目だな。だって、向こうの五条先生は、マグルと仲良くしようっていうんだろ? その前にまず、相互理解が重要だよな。
少年院につく。
少年院に入る前に、バッチを渡された。玉犬の分まである。
「それ、気休めかもだけど、着けてて」
「魔法の道具?」
「盾の魔法が封じ込めてあるんだ」
「さんきゅ」
それから中に入り、遺体について言い争っている間に夏油さんが姿変えの呪文で変えて回収してくれた。
ぱりんと音がして、玉犬が吠える。
現れた!!
「エクスペリアームズ!!」
ピャッとばかりに驚いた夏油さんが咄嗟に呪文を放つ。
指が弾き飛ばされ、呪霊は倒された。
「つよ」
「強い(確信)」
「武装解除とは」
それから、いくつか依頼が来たが、夏油さんが強かったので何も問題はなかった。
呪詛師相手の依頼も入ったが、夏油さんが四肢の骨を消去したので問題なかった。
ま、魔法使いって怖え……。
その代わり、俺たちも色々とマグルについて教えてあげた。
五条先生に手紙を出すのだと嬉々として切手で葉書の表を埋め尽くす姿が可愛いと思ってしまう。
「ドラゴンって見てみたいな」
「いいよ。トランクの中にいるから」
「まじで!?」
「うん」
そうして、トランクを開けると階段が。すっげ。トランクの中に部屋があるんだ!?
「美々子ー。奈々子ー。カタナー」
「えっ 誰かいるの!?」
「うん、私の魔法生物を世話してくれてる子達がいるんだ」
「言えよ!!」
「トランクに閉じ込めっぱなしかよ!」
「だって、学校に行くにはまだ早いよ?」
「未就学児じゃない! 何考えてるのよ!」
とにかく、先生を大至急呼ぶ事になった。