魔術も呪術も一緒でしょ! 仲良くしてえええ(吐血) 作:かりん2022
「じゃあまず、前提条件から話そう。魔力を持っているのは魔法使い。魔力を持っていないのはマグル、もしくは非魔法族。呪力を持っているのは呪術師。呪力を持っていないのは非術師と呼ばれている。両方持っていない事を、ゼロ、異能なし、無能力者、一般人。両方持っていることをダブルと呼ぶこともある。だが、大抵はマグルと言えば両方持っていない人だな。スクイブとは、魔法使いの生まれでありながら魔力を持たないものを言う。マグルもスクイブも一般に使われてしまっているが、汚い言葉遣いだから、公式の場では気をつけような」
「なるほど」
「授業はもう始まっているぞ。席について、ノートを取って」
先生は黒板に、言葉を書いていく。
「それぞれの業界を、呪術界、魔法界、マグル界と呼ぶ。魔法界は社会、もしくは魔法使いの生活する空間を言うが、呪術界は社会そのものを指し、生活圏はマグル界にある。マグル界は、わかるな。非魔法族が暮らす、表の世界のことだ。といっても、呪術界も異空間を作る能力はあるんだがな」
僕達は、慌てて席について黒板の文字を書き写した。
「呪術界について詳しく話そう。呪術界といえば、一般的にその業界を示す。一般の法律とは全く別体系のルールで持って活動している。マグルの一般人は呪術師を知らないが、公的機関や政治家などには知っているものも多い。呪術師の仕事は、呪霊を退治すること。呪霊はわかるな? 看板を持っていた化け物で、負の念と呪力が混じって出来たもの、と言われている。これはマグル界にも魔法界にも平等に出現して、呪術師以外には見えない。その為、マグル界の呪霊は呪術師が、魔法界の呪霊は我々が退治する。この業界は人手不足も人手不足だから、残念ながら選択の余地はない。呪術師かどうかは大体五年くらいでわかる。犯罪を犯した呪術師を呪詛師という。間違えるとガチ切れされるから注意するように。基本呪詛師は殺される。非術師を呪力で傷つけたら一発呪詛師認定だから、気をつけるように。ここ、テストに出すぞ」
うう、漢字が難しくてうまく書けない。よみがなも振ってくれるけれど、難しいよう。
「魔法使いは世界中にいるが、呪術師も呪霊も日本に集中している。それは、呪術界の天元様という人が、日本全体に結界を張っているからだ。その結界から呪力は出られず、どんどん蓄積されてぐるぐる回って、濃縮されている。魔法界はマグルの世界、ひいては呪術界に干渉できないので、困っている。天元様の功罪については、後で詳しく授業をしよう」
そこでチャイムが鳴った。
休憩時間だ!
「十分後に教室に戻るように」
前田先生が言って、輪は飛び出していった。
そして、授業開始ギリギリに戻ってきて、高々と手を上げた。
「他の皆はひらがなの書き取りをしていたぞ! どういうことだ、先生!!」
「呪術師は統計的に頭が良い事が証明されている。それに、ダブルは人の三倍学ばなければならない。授業が難しいのは当たり前だろう」
「へ?」
「そうなのですか?」
「ダブルは、呪術師の学校へも通わなければならない。呪術師は皆マグルだから、当然マグルのことは知っている。むしろ、普通の学校を出たことになっている私達を一般情勢を知るための指針にすることがある。マグルである彼ら以上にマグルのことを知る必要があるんだ。ちなみに、それが出来なければスパイとして殺される」
「はあ!?」「なんでこの僕がマグルなんか!!」「ええー!」
「魔法使いは呪術師を知っているが、呪術師は魔法使いを知らず、これからも絶対にバレてはならない。つまり、呪術界に潜入して勉強しなくてはならないんだ。呪術界は怖いところだから、できれば魔法界だけで教育ができれば良いんだが……いかんせん、ダブルの数があまりにも少なく、途切れることもあって教育体制を整えるのが大変なんだ」
僕らは絶句した。なんて事だ。
「あと、君等は全員別の学校に行って初めて呪専で出会った設定となる。偽の記録は作っておく。これは芋づる式に殺されないための処置だ」
た、大変だ……。
「それに、大変残念なことだが……」
「まだあるんですか!?」
「ダブルのローブはどれだけ学問を修めても、2年時から真っ黒になる。成績トップになるのは勉強量から言って難しいし、色とりどりのローブともピンクのローブとも黄金のローブともお別れだ」
「「やった――!!」」
「そんな――!!」
マグル育ちと魔法使い育ちは、相反する反応を見せたのだった。